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PR動画の二次利用は投稿料に含まれない、契約で区切る5項目

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 2
PR動画の二次利用は投稿料に含まれない、契約で区切る5項目

PR動画の二次利用は、本人アカウントへの投稿料に自動的に含まれるものとして扱わず、別の利用許諾として合意する。案件開始前に利用媒体、地域、期間、有料広告への転用、編集可否の5項目を契約書や発注書へ記載することが、広告や別媒体へ転用する際の基本になる。

追加料金に一律の相場があるわけではない。必要な利用範囲を先に確定し、制作・投稿費と二次利用料を分けて見積もる。投稿料に利用許諾を含める合意もできるが、その場合も対象媒体や期限まで明記しなければ、何の対価が含まれているのか判別しにくい。

投稿業務と企業による利用を分ける

クリエイター本人のPR投稿と企業サイト、公式SNS、ECページでの利用範囲を照合する工程

インフルエンサー本人のアカウントで動画を公開することと、企業が同じ動画を使うことは分けて定義する。企業の公式SNSへの転載、公式サイトやECページへの掲載、店頭での放映、広告素材への転用では、利用者と用途が元の投稿から変わるためだ。

実際の規約でも、投稿後に企業が自由に利用できるとは限らない。PLAN-Bのインフルエンサー登録規約 では、対象コンテンツに生じる権利は公表後も登録者に留保され、PLAN-BやPR企業による利用は案件ごとの二次利用ルールに従う。一方、投稿を削除せず維持する実施期間も定めており、投稿の公開義務と企業側の利用許諾が別の条件であることを確認できる。

依頼文に「動画1本」とだけ書いても、本人アカウントへの投稿、完成データの納品、元データの提供、企業による転載許諾まで含むかは決まらない。成果物、投稿義務、利用許諾を別々に列挙し、利用料を投稿料に含める場合も内訳を示す必要がある。

契約で区切る5項目

媒体、地域、期間、有料広告、編集可否の5項目を個別に確定する契約確認

「二次利用可」という包括的な表現を避け、次の5項目を埋める。利用範囲を広げる可能性がある場合は、最初から無制限とせず、追加合意の方法も併記する。

  1. 利用媒体:ブランドの公式Instagram、YouTube、Webサイト、ECの商品ページ、メール、デジタルサイネージ、紙媒体など、実際に使う場所を列挙する。関連会社、販売店、広告代理店の媒体まで認めるかも分ける。
  2. 地域:日本国内限定か、海外市場への配信を含むかを定める。Web上で閲覧できる範囲ではなく、企業が利用を予定する市場や広告の配信対象地域として示す。
  3. 期間:利用開始日と終了日を日付で書く。本人投稿の公開維持期間、企業サイトへの掲載期間、広告配信期間が異なる場合は、それぞれの期限を置く。
  4. 有料広告への転用:通常の転載と広告配信を分ける。企業アカウントからの広告、クリエイターのアカウント表示を使う広告など、予定する配信方法と対象プラットフォームを明記する。
  5. 編集可否:尺の短縮、縦横比の変更、字幕や音楽の差し替え、静止画の切り出し、翻訳、他素材との組み合わせについて、許可する範囲を定める。発言の意味や商品の評価が変わり得る編集には、公開前の確認手順も置く。

さらに、許諾を受ける法人、第三者への再許諾、クレジット表示、終了後の削除も必要に応じて定める。契約相手のブランドだけが使えるのか、関連会社や販売店も使えるのかで、実際の露出範囲は変わる。

無期限・無償・編集可を一語にまとめない

期間限定のSNS転載と、編集を伴う長期の多媒体利用は同じ条件ではない。「二次利用可」の一文にまとめると、利用期間、対価、編集権限、権利処理の担当が読めなくなる。

福山市の業務委託仕様書 は、インフルエンサー自身のSNS投稿用動画とは別に市公式用動画の制作を求めている。さらに、SNSへ投稿した動画は市のHP、SNS、紙媒体などで、可能な限り期間を定めず無償でリンク、埋め込み、転載、編集できるよう権利処理を求める一方、市公式用動画や未編集素材などの成果物については著作権の無償譲渡を規定している。

これは一つの公的発注仕様であり、民間案件一般の標準条件ではない。ただし、投稿、二次利用、成果物の権利移転が別々に設計され得ることは分かる。広い利用を求めるなら、出演者、撮影場所、音源、画像など第三者の素材についても、その用途で使える条件かを発注前に確認する必要がある。

見積書は制作・投稿費と利用料を分ける

制作・投稿費、期間限定の二次利用料、有料広告利用料を分けた見積もり

料金は、動画本数やフォロワー数だけで総額を決めず、制作する仕事と利用を許諾する範囲に分ける。利用料を検討する材料は、媒体、地域、期間、有料広告の有無、編集範囲であり、競合制限を求めるならその対価も別に扱う。

Digidayによる業界関係者への取材 では、利用権はコンテンツの用途、掲載場所、地域、期間を定める条件で、当初の制作価格に加わる交渉点とされている。提示方法は統一されておらず、有料利用を投稿費に含めない例、期間単位で価格を付ける例、延長条件を事前に決める例が紹介されている。

したがって、特定の料率を一律の相場として当てはめるより、見積書を次のように分けたほうが合意内容を追いやすい。以下は金額ではなく、項目構成の例である。

  • 企画・撮影・編集費:動画本数、修正回数、納品形式
  • 本人アカウント投稿費:投稿先、投稿予定日、公開維持期間
  • 二次利用料:利用媒体、対象地域、利用期間
  • 有料広告利用料:対象プラットフォーム、配信方法、配信期間
  • 追加編集費:短尺版、字幕差し替え、別サイズの制作

延長の可能性がある場合は、協議の期限、延長単位、追加料金の決め方を置く。断続的に広告を配信するなら、契約の暦上の期間だけでなく、配信停止中も利用期間へ算入するかを決めておくとよい。

競合制限と終了時の処理は別条項にする

二次利用が長期化すると、その間の競合案件を制限する条件がクリエイターの活動に影響する。ただし、二次利用期間と競合制限期間は同じとは限らない。対象商品、競合企業の範囲、制限する媒体、開始日、終了日を別条項にし、利用料とも分けて交渉する。

利用終了時は、広告配信を止めるだけでなく、公式サイト、ECページ、予約投稿、広告管理画面の素材、販売店へ渡したデータをどう扱うか決める。通常投稿を残すか削除するか、契約管理のためにデータを保管できるかも区別する。

契約書、発注書、オリエンテーション資料、見積書の条件は一致させる。5項目のいずれかが未定なら「二次利用可」とせず、利用不可または別途協議と記載する。投稿料と利用料の境界が明確になれば、企業は使える範囲を把握でき、クリエイターは合意していない広告転用や期間延長を判別できる。

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