BASEかSTORESか、月商より先に40円と入金日を比べる

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
BASEかSTORESか、月商より先に40円と入金日を比べる

無料プランで作品をクレジットカード決済で売るなら、販売時の費用はSTORESのほうが低い。BASEの公式料金表では、Webショップのスタンダードプランに決済手数料3.6%+1注文40円とサービス利用料3%がかかる。STORESのプラン概要では、ネットショップのフリープランのカード決済手数料は5.5%で、注文ごとの固定額はない。

ただし、安く売れることと、次の制作費に売上金を充てられる日は別の問題だ。小規模な作品ショップでは、平均注文単価が低いほどBASEの固定額が効く一方、材料の購入や発送費の支払いが早ければ入金までの期間も選択を左右する。以下の比較は両社のネットショップでのカード決済に条件をそろえ、振込費用まで差し引く。

同じ月商でも、注文が細かいほど差は広がる

BASEの無料プランの販売費用は、対象となる注文額の6.6%に注文件数×40円を足した額になる。STORESのフリープランは同じカード決済なら注文額の5.5%だ。平均注文単価が1000円なら、BASEの40円は注文額の4%に当たる。3000円なら約1.3%、1万円なら0.4%となり、単価が上がるにつれて固定額の比重は下がる。

仮に月商30万円を1000円の注文で作れば300件、1万円の注文なら30件になる。BASEの固定額部分はそれぞれ1万2000円と1200円で、月商だけを見てもこの差は分からない。一方、両社の率にも差があるため、注文単価が上がって40円の比重が小さくなっても、ここで比べる無料プランの販売費用はSTORESのほうが低い。

比較に使う注文単価は作品の表示価格ではなく、購入者が決済する注文額で考える。複数作品をまとめ買いする注文や送料を含む注文では、作品1点の価格と手数料計算の対象額が異なるからだ。注文額が一定でない店なら、月商を平均注文額で割った概算件数より、実際の注文ごとの金額と件数を使うほうが精度は高い。

振込費用を引くと、手取りはいくらか

次は条件をそろえた仮の月次試算である。注文額は送料・消費税込みで毎回同額とし、全件を通常のカード決済、売上金を月1回受け取るものとした。BASEはWebショップの注文をまとめて振込申請し、STORESは通常の自動振込を利用する。材料費、制作にかかる費用、実際の送料、税金は手取りから引いていない。

  • 月商6万円・平均注文単価1000円、60件:BASE 5万3390円/STORES 5万6425円。
  • 月商6万円・平均注文単価3000円、20件:BASE 5万4990円/STORES 5万6425円。
  • 月商6万円・平均注文単価1万円、6件:BASE 5万5550円/STORES 5万6425円。
  • 月商30万円・平均注文単価1000円、300件:BASE 26万7950円/STORES 28万3225円。
  • 月商30万円・平均注文単価3000円、100件:BASE 27万5950円/STORES 28万3225円。
  • 月商30万円・平均注文単価1万円、30件:BASE 27万8750円/STORES 28万3225円。
  • 月商90万円・平均注文単価1000円、900件:BASE 80万4350円/STORES 85万225円。
  • 月商90万円・平均注文単価3000円、300件:BASE 82万8350円/STORES 85万225円。
  • 月商90万円・平均注文単価1万円、90件:BASE 83万6750円/STORES 85万225円。

STORES側の手取りが同じ月商なら注文単価によって変わらないのは、この決済条件では注文ごとの固定額がないためだ。BASE側は注文が細かくなるほど40円を払う回数が増える。たとえば月商30万円では、平均注文単価1000円のとき両社の差が1万5275円、1万円のときは4475円になる。表の額は各注文を同額にした計算結果で、実際の注文額がばらつけば手数料の端数処理などで入金額も変わる。

売上金が届く日と振込費用

BASEの通常入金は振込申請から10営業日が目安で、売上金を受け取るには申請が必要になる。BASEの振込手数料の案内では、申請ごとの振込手数料は250円、申請額が2万円未満なら事務手数料500円もかかる。表はすべて申請額がこの境目を超える想定なので、振込1回分の250円だけを引いた。少額の売上を何度も引き出せば、その分だけ費用が増える。

STORESの売上振込案内では、ネットショップの通常入金は月末締め・翌月末払いで、振込手数料は275円。決済手数料と振込手数料を引いた入金額が1万円未満なら、設定によって翌月以降に繰り越される。少額でも振り込む設定では事務手数料275円がさらにかかる。表の試算はどれもこの少額入金の条件に該当しない。

制作資材を受注後に買う店では、月初の売上を翌月末まで待つことが資金繰りに響く場合がある。BASEなら振込申請日を起点に通常入金までの期間を見込めるが、申請前から現金として使えるわけではない。STORESも通常振込は自動で予定を立てやすいものの、売れた日と着金日は離れる。先に材料代を払う売り方なら、表の手取り額と、支払いに間に合う入金日を一緒に比べたい。

有料プランは、どの月商から費用を回収できるか

STORESのスタンダードプランは、この比較対象のカード決済手数料が3.6%になる。年契約の月払いは月3300円、年契約の一括払いは年3万9600円、月契約の月払いは月3960円だ。フリーとの差である1.9ポイントだけで月額を回収する計算なら、年契約は月商約17万4000円、月契約は約20万9000円が目安になる。年契約は支払い方にかかわらず契約期間を通じて売上が続くかを見る必要がある。

BASEのグロースプランは対象決済が2.9%になり、Webショップの通常注文では1件40円と無料プランのサービス利用料がなくなる。年払いの月額換算費用は1万6580円、月払いは1万9980円。年払いの月額換算費用を販売費用の減少で回収する目安は、平均注文単価1000円で月商約21万6000円、3000円で約33万円、1万円で約40万5000円だ。月払いでは順に約26万円、約39万7000円、約48万8000円へ上がる。年払いは年額をまとめて支払うため、好調な月だけを基準にすると負担を見誤る。

これらは、それぞれのサービス内で無料プランから切り替える損益分岐点であり、有料プラン同士を比べた順位ではない。仮に月商30万円、平均注文単価1000円で同じカード決済が続けば、STORESの年契約スタンダードは決済・振込・月額費用を引いて28万5625円、BASEの年払いグロースは月額換算の費用まで引いて27万4470円になる。月額料金は売上金からの振込控除と同じ形で差し引かれるとは限らないため、ここでの額は銀行への振込額ではなく費用控除後の比較値だ。

デジタル作品は販売経路にも差がある

画像や音源などのダウンロード作品を売る場合は、販売できることと、購入者に見つけてもらえる経路を分けて考える。両サービスの比較では、BASEとSTORESはいずれもデジタル商品を扱える一方、BASEの「デジタルコンテンツ販売 App」で登録した商品はPAY IDアプリに表示されないと整理している。デジタル作品をPAY IDアプリに載せる前提でBASEを選ぶことはできない。

写真、文章、音楽などをファイルとして渡す店なら、作品の形式に合う販売機能と、購入者が使う決済方法を確認したい。ここまでの手取りは通常のカード決済を前提にした数字で、決済方法が変われば料率も変わる。低単価のデジタル作品を多数販売するなら注文ごとの40円が特に効くが、物理的な作品を受注制作する店では、材料代の支払日と通常入金のずれが同じくらい大きな判断材料になる。

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