BASEかShopifyか、月額0円が高くなる売上の境目

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
BASEかShopifyか、月額0円が高くなる売上の境目

国内の通常カード決済を月払いで比べると、売上が少ない間はBASEスタンダードが安く、注文が増えるとShopify Basicが逆転する。BASEの料金表では、スタンダードの月額は0円、通常決済の手数料は3.6%+注文ごとに40円、サービス利用料は3%。Shopifyの日本向け料金表では、Basicの月払いは4,850円、Shopify Paymentsによる国内オンラインの標準カード料率は3.55%だ。

追加費用を除き、全注文の客単価が同じなら、Shopifyが初めて安くなるのは客単価3,000円で月37件・月商11万1,000円、8,000円で18件・14万4,000円、2万円で8件・16万円。BASEの40円は売上高ではなく注文件数に応じて積み上がる。同じ月商でも、低単価の商品が多い店ほど逆転が早い。

月商だけでなく注文件数をそろえる

比較の対象は、両サービスで同額が決済される国内オンライン注文とする。ここでいう月商は決済対象額の合計で、送料や税込価格の扱いも両者でそろえる。客単価を一定と置けば注文件数は「月商÷客単価」で決まり、BASEスタンダードの月間費用は「月商×6.6%+注文件数×40円」、Shopify Basicは「4,850円+月商×3.55%」となる。

この式に入れたのは月額料金と指定した決済の手数料だけだ。BASEのPAY IDアプリ経由の注文や一部の決済方法には別条件があり、Shopifyでも海外発行カードや外部決済サービスを使う注文は国内標準カードの条件から外れる。注文が混在する店では、全売上に単一の料率を掛けるより、決済方法別の金額と件数に分けたほうが費用差を捉えやすい。

注文ごとの40円を売上比率に直すと、客単価3,000円では約1.33%、8,000円では0.5%、2万円では0.2%に当たる。BASEの売上連動分6.6%と合わせた試算上の負担は、それぞれ約7.93%、7.1%、6.8%。月額料金が同じでも、商品の価格帯によって費用の増え方が変わる理由はここにある。

月商別の費用曲線を比べる

次の金額は、全注文が同じ客単価の国内標準カード決済だった場合の試算だ。BASEの費用は客単価3,000円/8,000円/2万円の順に示す。月商はどの客単価でも注文件数が整数になる額を選び、アプリ費や振込費用などは加えていない。

  • 月商0円:BASEは0円/0円/0円。Shopify Basicは4,850円。注文がない月は、固定費の有無がそのまま差になる。
  • 月商12万円:BASEは9,520円/8,520円/8,160円。Shopify Basicは9,110円。客単価3,000円の場合だけShopifyが安い。
  • 月商24万円:BASEは1万9,040円/1万7,040円/1万6,320円。Shopify Basicは1万3,370円。どの客単価でもShopifyが下回る。
  • 月商60万円:BASEは4万7,600円/4万2,600円/4万800円。Shopify Basicは2万6,150円。売上に比例する料率の差が、固定の月額料金より大きく効いている。

月商12万円を客単価3,000円で作るには40件、2万円なら6件の注文が必要だ。BASEの注文ごとの費用は前者が計1,600円、後者が計240円になる。一方、月商に6.6%を掛ける部分はどちらも7,920円なので、この1,360円の差は注文回数だけから生じる。

月商が増えるにつれ、Shopifyの費用にも決済手数料は加わる。ただし、この条件での売上連動分はBASEより3.05ポイント低い。BASE側にはさらに注文ごとの40円があるため、客単価を固定した費用曲線の傾きは常にBASEのほうが大きくなる。客単価が変われば、その傾きも変わる。

逆転する最初の注文は何件目か

売上を連続した値とみなす理論上の交点は「4,850円÷(3.05%+40円÷客単価)」で計算できる。客単価3,000円なら月商約11万1,000円、8,000円なら約13万7,000円、2万円なら約14万9,000円だ。ただし一定額の注文は小数件では発生しない。実際の境目は、次のようにShopifyの費用が初めてBASEを下回る整数の注文件数で示せる。

  • 客単価3,000円:36件・月商10万8,000円ではBASEが8,568円、Shopifyが8,684円。37件・11万1,000円ではBASEが8,806円、Shopifyは計算上8,790.5円となり、約16円の逆転だ。
  • 客単価8,000円:17件・13万6,000円ではBASEが9,656円、Shopifyが9,678円。18件・14万4,000円ではBASEが1万224円、Shopifyが9,962円になる。
  • 客単価2万円:7件・14万円ではBASEが9,520円、Shopifyが9,820円。8件・16万円ではBASEが1万880円、Shopifyが1万530円になる。

客単価3,000円の37件目は差額が小さく、上の小数を含む金額も月間売上に料率を掛けた理論値だ。実際の請求額には取引ごとの端数処理が関わるため、この水準を厳密な円単位の保証とは見なせない。返品や値引き、月ごとの客単価の変動があれば、境目の前後を行き来することもある。

アプリ、海外販売、入金時期は別枠で考える

手数料だけで逆転しても、必要な機能の費用や売上金を受け取る時期まで同じにはならない。追加条件は月商の試算に紛れ込ませず、用途ごとに分けて比べると差の理由が見える。

  • 追加アプリ費:TechRadarのShopifyレビューは、アプリの継続費用や外部決済サービスの取引手数料が総費用を押し上げ得ると指摘する。仮にShopifyだけで月3,000円の有料アプリが必要なら、客単価8,000円での逆転は28件・月商22万4,000円まで遅れる。この3,000円は特定のアプリの価格ではなく、追加固定費の影響を見るための条件だ。無料機能で足りる店には加算しない。
  • 海外販売:BASEの海外発送案内には、「かんたん海外販売」を使う方法と、送料詳細設定Appで配送先ごとの送料を設定する方法がある。自分で海外発送を設定する場合、海外発行のクレジットカードは利用できない。販売先と決済方法が変われば、国内カード決済だけで求めた境目をそのまま海外注文に当てはめることはできない。
  • 入金時期:BASEの通常の入金は、売上金の振込申請から10営業日。Shopifyの日本向け入金案内では、Shopify Paymentsの支払いを週単位または月単位で設定し、決済期間に指定支払日までの日数を加える。銀行口座への反映にも時間がかかる場合がある。BASEは申請日、Shopifyは決済確定と支払日の設定が起点になるため、単純な日数差にはできない。

アプリ費は毎月の固定費として逆転点を動かし、海外販売では対象となる決済自体が変わる。入金時期は手数料の大小では表せない資金繰りの条件だ。費用が近い店ほど、必要な機能と販売先、仕入れ代金を支払う時期を含めた差が選択に影響する。

売上が大きい店はBASEグロースも候補になる

比較するBASEのプランをスタンダードだけに固定すると、売上が伸びた後の選択を見落とす。BASEグロースは月払い1万9,980円、通常決済の手数料2.9%で、サービス利用料は0円。同じ国内決済だけを仮定すると、グロースの月間費用は「1万9,980円+月商×2.9%」となる。

この式とShopify Basicの式が交わるのは月商約233万円だ。たとえば月商240万円なら、グロースは8万9,580円、Shopify Basicは9万50円となり、月額が高いグロースのほうが計算上は安い。BASE内でスタンダードからグロースへ移る境目は客単価によって変わる一方、グロースとShopify Basicのこの交点には注文ごとの40円が入らない。

開業直後の売上が読めない店には、注文がない月の費用を抑えられるBASEスタンダードが合う。通常月の注文構成で逆転点を超え、必要なアプリ費を足しても差が残るならShopify Basicが有力になる。さらに月商が伸びる店はBASEグロースも同じ決済条件で比べたい。年払いを選ぶ場合は月額換算が変わるため、ここで示した月払いの境目も変わる。

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