StripeかPAY.JPか、月商385万円で料金判断が変わる

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 4
StripeかPAY.JPか、月商385万円で料金判断が変わる

国内カード決済の料金を比べると、月商約385万円を境にPAY.JPのスタンダードよりビジネスの月額負担が小さくなる。BASEのPAY.JP料金改定資料にある月額0円・3.3%と月額2万円・2.78%から計算した境目だ。Stripeの日本向け標準料金はカード決済成功額の3.6%で、初期費用と月額料金はない。

日本円の国内カード売上だけを同じ条件で試算すると、取り上げる四つの月商ではPAY.JPの最安プランがStripeの標準料金を下回る。ただし、これは両社の料金が逆転する境目ではなく、PAY.JP内で選ぶプランが変わる境目だ。海外の購入者に現地通貨で請求したい場合や、継続請求の管理機能が必要な場合は、カード手数料とは別の条件で選択が変わる。

境目を作るのは月額費用と料率差

PAY.JPのビジネスはスタンダードより料率が0.52ポイント低い。その差で月額2万円を回収するには、対象となるカード決済額が月に約384万6154円必要になる。月商を385万円と置くと、スタンダードの手数料は12万7050円、ビジネスは月額費用を足して12万7030円。差はわずか20円だ。

この計算で使う「月商」は、店舗全体の売上ではなく、比較対象の料金が適用されるカード決済額を指す。銀行振込やPayPayで受けた売上まで足すと、低いカード料率による節約額を過大に見積もる。また、PAY.JPのプランは売上が境目を越えた瞬間に自動で切り替わるものではない。売上が毎月大きく変動するなら、一月の予測だけで固定費を増やす判断は慎重にしたい。

四つの月商で固定費込みの負担を比べる

次は毎月のカード決済がすべて成功し、同額の売上が続くという条件付きの試算だ。Stripeには標準のカード料率、PAY.JPには各プランのカード料率と月額費用を適用した。エンタープライズはVisa・Mastercardの取引だけを想定している。PAY.JPの現行の料金表では、エンタープライズは月額5万円でVisa・Mastercardが2.59%、その他の対象カードブランドが2.7%とされ、カード売上の入金ごとに振込手数料250円が差し引かれる。以下の金額には振込手数料、返金、追加の請求機能は含めていない。

  • 月商100万円:Stripeは3万6000円。PAY.JPはスタンダード3万3000円、ビジネス4万7800円、エンタープライズ7万5900円。固定費のないスタンダードが最も安い。
  • 月商385万円:Stripeは13万8600円。PAY.JPはスタンダード12万7050円、ビジネス12万7030円、エンタープライズ14万9715円。PAY.JP内ではビジネスが20円だけ安い。
  • 月商500万円:Stripeは18万円。PAY.JPはスタンダード16万5000円、ビジネス15万9000円、エンタープライズ17万9500円。ビジネスはスタンダードより6000円安い。
  • 月商1500万円:Stripeは54万円。PAY.JPはスタンダード49万5000円、ビジネス43万7000円、エンタープライズ43万8500円。この条件でもビジネスが最も安い。

エンタープライズは最低料率だけを見ると魅力的だが、ビジネスより月額費用が3万円高い。Visa・Mastercardだけなら料率差は0.19ポイントなので、エンタープライズがビジネスより安くなるのは月商約1579万円を超えてからとなる。その他のブランドには高い料率が適用されるため、その売上比率が上がれば境目も上がる。四つの試算はカードブランドの構成をそろえた比較であり、実際の請求額を保証するものではない。

入金は手数料と着金日を分けて見る

PAY.JPのカード売上は月末締めの月1回、または15日・月末締めの月2回から入金サイクルを選べる。月2回を選ぶと売上を受け取る機会は増えるが、入金ごとの振込手数料も増える。同じ入金回数で比べる限り、この手数料はPAY.JPのプラン間の損益分岐を動かさない。

Stripeも定期的な入金の周期を設定できるが、入金頻度と個々の決済が入金可能になるまでの時間は別の条件だ。仕入れや広告費の支払日が決まっている事業では、「月に何回振り込まれるか」だけでは足りない。決済から口座への着金までの予定を資金繰りに重ねると、カード料率が低い側を選んでも必要な支払日に資金が足りない、という判断違いを避けやすい。

決済手段と海外販売で料金表の前提が変わる

国内向けのカード販売では、PAY.JPは主要カードブランドとApple Payに対応し、PayPayも選べる。Stripeはカードに加えてコンビニ決済、銀行振込、PayPayなどを提供する。カード以外の決済手段には別の手数料体系があるため、上の試算を全売上へそのまま当てはめることはできない。購入者が使う決済手段ごとに売上を分けて考える必要がある。

海外販売では、海外発行カードを受け付けることと、購入者の通貨で請求することを分けたい。PAY.JPの海外発行カード案内によれば、対応ブランドのカードは使える一方、決済通貨は日本円に限られ、現地通貨への換算はカード発行元の条件に従う。Stripeは購入者に複数の通貨で価格を示せるが、通貨換算が必要な取引には追加費用がある。海外売上を国内カードと同じ手数料率だけで比べると、購入時の表示通貨と換算費用を見落とす。

定期課金はカード手数料に請求機能を足す

PAY.JPにも定期課金機能があり、単純な継続請求ならStripe Billingの利用が前提になるわけではない。一方、Stripe Billingにはサブスクリプションの設定、支払い失敗時の再試行、未払いの回収などの機能がある。必要な運用が異なる以上、カード決済の料率だけで定期課金の費用を決めるのは難しい。

Stripe Billingの料金は対象となるBilling取引額の0.7%と示されている。したがって、先の四つのStripeの金額はBillingを使う継続請求の総費用ではない。支払い失敗後の再試行や請求の管理をどこまで自動化するかによって、追加費用を払う意味も変わる。

条件別に選ぶなら

  • 国内のカード決済が中心で費用を抑えたい場合:対象売上が月商約385万円まではPAY.JPスタンダード、それを超えるならビジネスを軸に比べる。
  • 売上規模がさらに大きい場合:PAY.JPエンタープライズの固定費とカードブランド別料率を加えて計算する。低い料率が全取引に適用されるとは限らない。
  • 海外の購入者に現地通貨で請求したい場合:Stripeの通貨対応が選択理由になる。換算費用を国内カードの試算とは別に見る。
  • 入金日が資金繰りを左右する場合:両社の入金周期だけでなく、決済から着金までの時間を比べる。
  • 定期課金を扱う場合:PAY.JPの基本機能で足りるか、Stripe Billingの請求管理機能が必要かを判断し、必要な費用をカード手数料に加える。

関連記事:

共有:

ニュースレターを購読

Web3、AI、暗号資産の最新ニュースを受信箱にお届けします。

0