AirペイかSTORES決済か、手数料より入金日で差がつく

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
AirペイかSTORES決済か、手数料より入金日で差がつく

定期入金で仕入れや給与の支払日に間に合う店なら、Airペイが有力だ。Airペイの入金サイクルの案内では、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の口座は月6回、その他の利用可能な金融機関は月3回の振込となる。口座によって次の着金日が変わるため、同じ料率でも支払いに使える時期は同じではない。

定期入金より早くカード売上が必要なら、STORES 決済の手動入金を検討したい。同サービスの料金・入金条件では、売上の翌日から振込を依頼でき、依頼後1〜2営業日で着金する一方、入金額が10万円未満なら1回200円の振込手数料がかかる。月商が同じでも、いつ、いくら振り込むかで実際の費用は変わる。

入金日と利用銀行を先に比べる

Airペイの対面カード売上は、登録した金融機関に応じた日程で振り込まれる。月6回の対象口座があれば、月3回の口座より次の入金機会は多い。ただし、売上が発生した日に即座に着金する仕組みではない。支払日が決まっている店は、月内の振込回数だけでなく、その支払日より前の振込対象期間に売上が入るかを見る必要がある。

STORES 決済の手動入金は、依頼するタイミングを店側で決められる。決済日から最短翌々日に受け取れる場合があるものの、依頼後の所要日数は営業日で数える。週末や祝日を挟む仕入れ代金の支払いでは、「最短」の日数をそのまま資金計画に当てはめないほうがよい。

振込操作を省きたい場合、STORES 決済には自動入金もある。月末までの売上が翌月20日に入り、その日が土日祝なら翌営業日となる方式で、振込手数料は入金額にかかわらず無料だ。月初の売上も翌月の入金日まで待つため、月中に支払いが集中する店ではAirペイの定期入金やSTORES 決済の手動入金との時間差が大きくなる。

カード料率に月額と端末費用を足す

Airペイは費用・必要機器の案内で、通常の対面カード決済手数料を3.24%、月額費用と振込手数料を無料としている。カードリーダーは無償貸与だが、対応するiPadまたはiPhoneは店側で用意する。端末の購入費を比べる際、手持ちの端末を使える店と新たに端末を買う店では、Airペイの導入費用も異なる。

STORES 決済のフリーは月額0円、対象カードの料率が2.48%で、決済端末は税込27,720円で購入する。スタンダードの年契約は店舗ごとに月額税込3,300円、VisaとMastercardが1.98%、JCBなどが2.38%となり、決済端末1台を無償で借りられる。月契約では料金と端末条件が変わるため、以下の試算には年契約を使う。

Airペイの2.48%は、すべての店に自動適用される料率ではない。決済手数料ディスカウントプログラムにはブランドごとの審査があり、Visaには直近1年間の同ブランド決済額が2,000万円以下などの条件がある。ほかの店舗や決済端末で扱ったVisa売上も判定に含まれるため、目の前の1店舗の月商だけでは適用可否を判断できない。

STORES 決済の低料率にも事業者の規模による条件がある。年間キャッシュレス決済額が3,000万円以上の場合、対面カード決済の料率はフリーが3.24%、スタンダードが2.98%となる。売上規模が大きい店ほど、表面上の最安料率をそのまま年間費用に掛けないことが重要だ。

月商50万・100万・300万円の年額試算

次はすべて対面のVisaカード売上で、毎月同じ売上が続くと仮定した計算だ。ほかのキャッシュレス売上はなく、低料率を使うケースでは適用条件を満たすものとする。STORES 決済のフリーは初年度に端末を1台購入し、スタンダードは年契約で1台を借りる。Airペイに必要なiPadまたはiPhoneはすでにあり、STORES 決済の手動入金に伴う振込手数料はいったん除く。

  • 月商50万円:Airペイが2.48%の適用を受ければ、カード手数料は月12,400円、年148,800円。STORES 決済のフリーは同じカード手数料に端末代を足し、初年度176,520円。スタンダードはカード手数料が月9,900円で、月額料金込みの年額は158,400円となる。
  • 月商100万円:Airペイが2.48%なら年297,600円。STORES 決済のフリーは端末代込みで初年度325,320円、スタンダードはカード手数料と月額料金の合計が年277,200円となる。
  • 月商300万円:年間のカード売上は3,600万円。この水準が続き、通常料率を通年適用すると仮定した参考年額は、Airペイが3.24%で1,166,400円。STORES 決済はフリーが3.24%と端末代で1,194,120円、スタンダードが2.98%と月額料金で1,112,400円となる。

月商50万円と100万円のAirペイ試算は、Visaの割引審査に通ることが前提だ。通らず通常の3.24%なら、年額はそれぞれ194,400円、388,800円になる。月商300万円の例は、前年も同水準の売上が続いた事業者を想定した参考値で、成長途中の店で料率がいつ切り替わるかを再現した初年度請求額ではない。

この条件では、割引が使える月商50万円の店はAirペイ、月商100万円と300万円の店はSTORES 決済のスタンダードが費用面で低い。ただし、STORES 決済のフリーに載せた端末購入費は翌年以降には繰り返さない。年額の順位だけで決めず、支払日までの売上入金が足りるかを併せて見る必要がある。

小口の手動入金は何回発生するか

STORES 決済の手動入金で、10万円未満の振込を繰り返す場合と売上をまとめて振り込む場合の費用差

STORES 決済の手動入金で手数料を決めるのは月商ではなく、振込依頼ごとの入金額だ。月商50万円を仮に月8回、ほぼ均等に振り込むなら、各回は10万円未満となる。毎回200円なら月1,600円、同じ運用を12か月続けると年19,200円。前節の初年度額に加えると、フリーは195,720円、スタンダードは177,600円になる。

月商100万円を月8回ほぼ均等に振り込む仮定なら、各回は10万円を上回り、振込手数料はかからない。一方、実際の売上は均等とは限らず、少額の売上が残った時点で依頼すれば、その回には手数料が発生し得る。売上をまとめて依頼すれば費用を抑えられるが、まとめている間はその資金を支払いに使えない。

手動入金では、必要額だけを切り出して振り込むこともできない。STORES 決済の一部入金に関するFAQでは、日付や金額を指定した一部入金はできず、依頼時点で入金可能な売上がまとめて振り込まれる。したがって、上の「月8回」は店が各回の金額を自由に指定できるという意味ではなく、売上の発生と振込依頼がほぼ均等だった場合の条件付き試算だ。

支払日に合う選択はどちらか

すでに月6回の対象口座を使い、定期入金が支払日に間に合うなら、Airペイは振込依頼の操作と小口手数料を避けられる。対象外の銀行でも月3回の入金で足りる店には、口座を変えずに済む利点がある。ただし、ゆうちょ銀行はAirペイの入金口座に指定できないため、その口座を使い続けたい店は選択肢から外れる。

次の定期入金日を待てない支払いが繰り返しある店には、STORES 決済の手動入金が合う可能性が高い。判断の軸は「最短で何日か」だけではなく、依頼できる売上が支払日までにいくら積み上がり、10万円未満の振込が何回生じるかだ。カード料率の年額差と、その入金方法で確保できる運転資金を同じ条件で比べれば、店にとっての費用と着金日の両方が見える。

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