PatreonかFANBOXか、手数料差より海外読者の有無で決まる

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
PatreonかFANBOXか、手数料差より海外読者の有無で決まる

国内のpixiv読者が中心ならpixivFANBOX、海外の読者から継続的に反応があるならPatreonを第一候補にしたい。両者の読者層の違いを踏まえると、基本料率だけでなく、既存のファンが支援しやすい導線と特典を届ける言語が選択を左右する。

手取りまで比べると、同じ月額支援でも差が出る。Patreonには決済、通貨換算、出金にかかる費用があり、pixivFANBOXは成人向け作品を投稿する設定でサービス手数料が変わる。作品を見る人がどこにいるかを先に考え、その読者に合う受け皿の費用と機能を確かめる順番が分かりやすい。

国内外の読者に、どこから支援してもらうか

pixivでイラストや漫画を見ている人が主な読者なら、pixivFANBOXへの案内は作品の公開場所とつなげやすい。完成作の先行公開、制作過程、差分など、普段の投稿から続く特典も説明しやすい。ただし、フォロワーが支援者になると決まっているわけではないので、有料プランで何を受け取れるかは明確にする必要がある。

海外の読者からすでに支援希望や継続的な反応が届いているなら、Patreonの優先度は上がる。英語でプランを説明し、更新内容や特典の受け取り方も伝えられるなら、国をまたいだ読者に同じ支援先を案内できる。一方、海外からの反応がほとんどない段階では、ページを開設するだけで読者が増えるとは見込めない。

これは利用できる国を二分する話ではない。pixivFANBOXも海外の読者が利用できるため、すでにpixivで作品を追っている海外ファンをPatreonへ移す必要はない。読者の居住地に加え、どこで作品を見つけ、どの言語で更新を受け取りたいかを合わせて考えると、支援先を選びやすくなる。

基本料率が同じでも、円の手取りは違う

pixivFANBOXの手数料表では、サービス手数料はR-18コンテンツを投稿しない設定で支援額の10%、投稿する設定で12.9%、銀行振込は1回につき3万円未満が200円、3万円以上が300円とされている。PayPalへの振込手数料はかからない。同じ月の途中で設定を変えた場合、変更前後の支援にはそれぞれの設定に応じた料率が適用される。

Patreonのクリエイター向け料金表では、新たに公開するページの標準プラットフォーム料は10%、米ドル受取でのカード決済処理は1件につき2.9%と0.30ドル、支払通貨と受取通貨が異なる場合の換算料は2.5%、米ドル残高を対応する現地通貨の銀行口座へ送る方法は出金額の1.55%と0.25ドルである。これらは別々の費用で、支援者の決済方法や受取方法によって組み合わせが変わる。以前から公開されているページには旧料金が残る場合もある。

Patreonの対応通貨一覧には、日本円が支援者の支払通貨にもクリエイターの受取通貨にも載っていない。ただし、米ドルの残高を日本の銀行口座へ円で送る経路は用意されている。支援者が米ドル以外で払い、最後にクリエイターが円で受け取るなら、支援時と出金時で別の換算費用が生じ得る。

月10万円・支援者100人で試算する

以下は条件をそろえた仮の計算だ。支援者100人から月に合計10万円、1件平均1,000円相当を受け取り、月1回出金するとする。Patreon側は計算上の為替を1ドル=150円に固定し、全員が米ドルでカード決済、クリエイターも米ドルを受取通貨に選ぶ。実際の為替レートを示す数字ではなく、税、返金、決済失敗、アプリ内購入に伴う費用も含めない。

pixivFANBOXの全年齢設定なら、サービス手数料1万円と銀行振込手数料300円を引いて8万9,700円。R-18投稿設定なら、サービス手数料1万2,900円と振込手数料300円を引いて8万6,800円になる。差の2,900円は、この条件で設定ごとの料率差だけを反映した額だ。

Patreonの標準プランでは、プラットフォーム料が1万円相当。カード決済処理は総額にかかる2.9%の約2,900円と、100件分の0.30ドルを円換算した約4,500円で、合わせて約7,400円となる。残る約8万2,600円を円の銀行口座へ1回出金すると、出金時の換算料と固定費を引いた概算は約8万1,300円だ。

仮に全員が米ドル以外の対応通貨で支払うなら、支援時の換算料は総額の約2,500円相当となり、出金後は約7万8,800円になる。実際には支援者ごとに通貨や決済方法が異なり、適用される為替レートも動く。この試算は支援者が同数なら必ずこの手取りになるという予測ではなく、基本料率だけでは見えない円受取までの費用を示すものだ。

成人向け作品と動画では、届け方まで比べる

成人向け作品を予定しているなら、pixivFANBOXの収支はR-18投稿設定で考える。全年齢設定の手取りを使うと、上の仮定では受取額を2,900円多く見積もることになる。設定だけで全ての作品が掲載できるわけではないため、実際の投稿内容が利用条件に合うかも確認したい。

PatreonのAdult/18+向け機能案内では、該当するクリエイターに本人確認と年齢確認を求め、画像投稿やコミュニティチャットを提供する一方、Patreon Videoは利用対象外としている。動画は外部サービスへのリンクで届ける方法が案内されている。成人向け動画が特典の中心なら、外部の掲載先でも作品を扱えるかを含めて設計する必要がある。

全年齢向けの動画なら、Patreonには動画のホスティングと支援者向けの交流機能がある。制作過程の動画を定期的に出し、投票やチャットで反応を受けたい人には魅力がある。一方、完成したイラストや漫画を国内の既存読者へ届けることが中心なら、使わない機能の多さより、読者が普段たどる導線を重視したい。

作品と読者の組み合わせで選ぶ

結論は読者の所在地だけで機械的に決まらない。作品の形式と支援者に約束する内容を重ねると、次のように第一候補を絞れる。

  • 国内読者が中心:pixivでイラストや漫画を見ている読者へ案内するなら、pixivFANBOXを第一候補にする。日本語の告知から特典までの流れをそろえやすい。
  • 海外読者が中心:海外から継続的な反応があり、英語で特典を届けられるならPatreonを第一候補にする。円受取までの費用を織り込んでプランを考える。
  • R-18作品が中心:国内の既存読者向けならpixivFANBOXの成人向け設定で収支を計算する。Patreonを選ぶなら確認手続きと作品形式ごとの機能制限も判断に入れる。
  • 動画が中心:全年齢向けで海外読者との交流も重視するなら、Patreonの動画・コミュニティ機能が候補になる。成人向けなら、外部で動画を届ける条件が選択に影響する。

両方にページを設ける場合は、国内向けと海外向けで告知や特典をどう分けるかが重要になる。同じ内容を二重に更新する負担を引き受けるより、読者が多い側で継続できる内容を整えるほうが、月額支援の受け皿として判断しやすい。

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