GitHub Copilotが座席を前払いへ、削除しても当月分は戻らない

GitHubは2026年8月28日、クレジットカードまたはPayPalで支払うCopilot BusinessとCopilot Enterpriseの座席請求を前払い方式へ変更すると発表した。GitHubの公式変更履歴 では、新規顧客の登録を9月1日から順次再開し、既存の該当顧客には10月1日から新方式を適用するとしている。
新たに割り当てる座席は、利用者がCopilotへアクセスする前の支払いが必要になる。月途中の追加は残り期間だけ日割りとなる一方、座席を削除しても現在の月次請求サイクルに対する返金はなく、減額は次のサイクルからだ。8月28日付の NEXSIGHT AI WIREの報道 も、この適用日と追加・削除の非対称な扱いを伝えている。
対象はカード・PayPalで支払う組織向け契約

発表が明示している対象は、クレジットカードまたはPayPalで支払うCopilot BusinessとCopilot Enterpriseの顧客だ。新規の座席割り当てでは座席ごとの支払い完了後にアクセスが付与され、既存顧客では2026年10月1日以降、各請求サイクルの開始時に割り当て済みの全座席へ前払い料金が発生する。
カード・PayPal以外の支払経路について、GitHubは今回の発表で同じ日程や請求挙動を明示していない。このため、別の決済方法を使う契約を一律に対象または対象外とみなすことはできず、契約上の支払方法と請求主体を分けて確認する必要がある。
座席単価そのものは変更されない。変わるのは料金を回収する時点と、新しい座席へのアクセスに先立って支払いを求める点だ。Copilotを完全に解約して後から再契約した場合には、更新後のアカウント審査や請求処理が適用される可能性も示されている。
追加は日割り、削除は次の請求から減額
請求サイクルの途中で座席を追加すると、割当日からサイクル末までの料金が日割りで発生する。この仕組みは前払い化後も維持されるため、月途中の追加で常に1カ月分の全額を払うわけではない。ただし、新規座席では日割り額の支払いがアクセス付与に先行する。
反対に、途中で座席を削除しても、残り期間に相当する返金やクレジットは発生しない。料金に反映されるのは次の月次請求サイクルからであり、アクセスを止める時点と課金が終わる時点が一致しない場合がある。タイトルの「当月分」は暦月ではなく、削除時点で進行中の月次請求サイクルを指す。
この非対称性により、増席では当期の支出が即座に増えるが、退職や異動に伴って減席しても当期の予算は戻らない。費用を照合する際は、サイクル開始時の前払い座席、途中追加の割当日、次回から減額される削除座席を分けて扱う必要がある。
100席の増減を条件付きで試算する

GitHubの 組織・Enterprise向け請求文書 によると、Copilot Businessは1人当たり月額19ドルで1,900 AI Credits、Copilot Enterpriseは月額39ドルで3,900 AI Creditsを含む。共有枠を超えた利用は1 AI Credit当たり0.01ドルで、同じEnterprise内の複数組織から同一利用者に座席が割り当てられても、Enterpriseへの座席請求は一度だけとなる。
以下は税、為替、実際の請求日数、端数処理を除いた単純化した条件付き試算である。30日間の請求サイクルを仮定し、途中追加は残り日数に比例させている。
- サイクル開始時にCopilot Businessを100席割り当てていれば、基本の前払い額は100席×19ドルで1,900ドルとなる。
- そのうち10席を10日目に削除しても、現在のサイクルの基本料金は1,900ドルのままだ。次のサイクル開始時に90席なら、その時点の基本料金は1,710ドルとなる。
- Businessの100席へ16日目に10席を追加し、残り期間を15日と仮定すると、追加額は10席×19ドル×15日÷30日で95ドルとなり、当期の座席料金は合計1,995ドルとなる。
- 同じ日程でCopilot Enterpriseを10席追加する条件なら、追加額は10席×39ドル×15日÷30日で195ドルとなる。
GitHubは、追加座席に含まれる利用枠も座席料金に合わせて日割りされる場合があるとしている。したがって、月途中にBusinessを10席増やしただけで、1万9,000 AI Creditsが必ずそのまま追加されるとは限らない。実額は座席の日割り料金と付与された共有枠を同じ請求期間で照合する必要がある。
重複座席とAI Credits超過は別の計算になる

同一Enterprise配下の複数組織が同じ利用者へ座席を割り当てた場合、Enterpriseに同じ利用者の座席料金が重複して請求されることはない。ただし、この重複排除は同一Enterprise内という条件付きであり、独立したEnterpriseアカウントや別の請求主体をまたぐ割り当てまで一度の請求になるとは確認できない。
AI Creditsは各ライセンスから共有プールへ加算され、含まれる枠を超えた利用は座席料金と別に課金される。標準枠のCopilot Businessを100席とする条件付き例では、月間の共有枠は19万AI Creditsだ。使用量が21万AI Creditsなら超過は2万で、追加利用を許可している場合の計算上の超過額は200ドルとなる。
追加利用を購入できる状態や、利用量の追跡、AI Creditsの支出制御は前払い化後も維持される。つまり、座席料金を先に支払っても総額が完全な固定費になるわけではない。請求の見通しには、前払いする座席料金と、利用量によって変動する追加AI Creditsを別項目として置く方が実態に合う。
10月以降の明細で確認が必要な点
現時点で確認できるのは、カード・PayPalで支払う新規顧客の登録を2026年9月1日から順次再開すること、既存の該当顧客には10月1日から前払い方式を適用すること、途中追加は日割り、削除には現在のサイクル分の返金がないことだ。Businessの月額19ドルとEnterpriseの月額39ドルも据え置かれる。
一方、発表だけでは、各契約の具体的な端数処理や、カード・PayPal以外の支払経路へ同様の方式を広げるかは示されていない。また、10月1日は既存顧客への適用開始日であり、すべての契約に同日一斉の月次請求が発生するという説明ではない。実際の影響額は、対象契約の請求サイクル、開始時点の割当座席、途中の増減、付与されたAI Creditsと超過利用を反映した明細で確定する。
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