MiroかFigJamか、会議運営とデザイン連携で選択が逆転

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
MiroかFigJamか、会議運営とデザイン連携で選択が逆転

社外参加者を交えたワークショップを継続して運営するなら、共有方法と参加権限を選べるMiroが有力だ。議論した要素をFigma Designの制作ファイルへ移したい製品チームには、FigJamが向く。社内会議では両方に進行機能があるため、会議後も編集する人数が選択を左右する。

参加者の総数をそのまま有料席数と考えると、費用を見誤る。当日だけ意見を書き込む社外参加者、毎週ボードを更新する社員、Figma Designで画面を仕上げる担当者では必要な権限が違う。会議や研修の運営と、設計成果物への引き継ぎを分けて考えると、選ぶ基準が明確になる。

社外ワークショップは参加の手軽さと共有範囲で選ぶ

Miroの料金プランでは、Starterは年払いでメンバー当たり月8ドル相当と表示され、ログイン不要のビジターに公開ボードの編集を認められる。Businessは同20ドル相当で、ログインしたゲストを特定のボードへ招待して共同作業できる。ビジターもゲストも有料メンバーとは区別されるが、ゲストとしての編集権限はBusinessの条件だ。

公開リンクを配る単発のワークショップなら、Miro Starterのビジター参加は受付の手間を抑えやすい。ただし、リンクを受け取った人が編集できる公開ボードとして扱うため、取引先ごとに参加範囲を限定する案件とは共有方法が異なる。同じ社外メンバーと継続して編集し、招待先を管理するなら、Businessのゲスト権限を費用に含めて判断したい。

FigJamにも一時参加の仕組みがある。Figmaのオープンセッションの案内によると、有料プランではアカウントを持たない訪問者にも24時間単位で編集を開放でき、訪問者の参加自体はチームの請求額を増やさない。訪問者は付箋を追加して投票に参加できる一方、投票の開始、コメント、音声会話はできず、セッション中はFigJamのAI機能も使えない。

したがって、単発の社外研修ならFigJamも候補になる。終了後も相手に編集してもらうには、新たなセッションを始めるか、通常のファイル招待へ切り替える運用が必要だ。一時的に広く意見を集める会と、招待相手を絞って成果を更新し続ける案件では、便利な参加方法が変わる。

社内会議は進行機能だけでは決まらない

Miroにはタイマー、投票、参加者の入力を一時的に隠す非公開モードがある。FigJamもタイマーと投票を備え、付箋や図形で意見を整理できる。定例会議で時間を区切り、意見を集めて選ぶだけなら、両者とも基本的な進行は可能だ。

差が出るのは、会議の後に誰が成果を保守するかだ。進行役だけが議題を準備し、終了後に内容を整理するなら、継続編集者は少人数で足りる。一方、各部門の担当者が週ごとに図や付箋を更新するなら、その人たちにも適切な編集権限が要る。

閲覧やコメントで参加する社員と、ファイルを編集する社員を分けて数えたい。FigJamのコラボシートはFigma Designの閲覧・コメントにも対応するが、Designファイル自体の編集にはフルシートが必要になる。ホワイトボード上で発言する人数より、会議後に内容を書き換える人数のほうが、継続費用を左右しやすい。

デザインレビューは制作ファイルへの受け渡しを見る

画面案をFigma Designで管理するチームには、FigJamを議論の入口にする具体的な利点がある。Figmaのファイル間の作業手順では、DesignのフレームやコンポーネントをFigJamに、FigJamの付箋や図形などをDesignファイルにコピーできる。画面案を見ながら意見を集め、残すべき要素を制作側へ渡す流れを作れる。

この受け渡しはコピー操作であり、レビューの結論が自動的に完成した画面や開発仕様になるわけではない。FigJamからDesignへ移した一部のオブジェクトは、子レイヤーを編集したりコンポーネントに組み込んだりできない。DesignからFigJamへ移した要素も、FigJam側では選択や書式変更の操作に制限がある。

そのため、FigJamを選ぶ理由は「設計作業が不要になること」ではなく、議論に使った要素を制作ファイルへ持ち込めることにある。最終的な画面や部品を直す担当者は、引き続きDesign側で作業する。研修の記録や部門横断の計画が主な成果物なら、この近さよりも社外参加者の管理や共有範囲を優先する判断が自然だ。

無料枠は保存できる数より、再編集できる場所が重要

Miroの無料プランではボードを作成・共有できるが、編集可能な状態で残るのは最新の3件だ。過去の研修ボードを次回も更新する運用では、単に作成できる総数を見ても足りない。無料チームのボードは既定でチームメンバーがアクセスでき、ビジターやゲストの役割もないため、社外案件では共有範囲も制約になる。

FigJamの無料枠について、CodePicの比較は、チーム用のFigJamファイル3件と無制限の個人下書きを挙げている。個人で会議案をためる余地と、チームで使うファイルの枠は別に考えたい。個人の下書きが多く作れても、毎回同じメンバーが共有ファイルを更新する会議では、チーム側の条件が効く。

試用時には、会議を終えた後の状態を想定すると違いが見える。次回の研修で以前のボードを直すのか、担当者が個人で案を作ってから共有するのかでは、必要な保存場所が異なる。社外の人を呼ぶ予定もあるなら、無料枠の数だけでなく、参加者に与えられる権限まで確認する必要がある。

実支払額は主催者と継続編集者の席数で計算する

Figmaの料金・機能表には、Professionalのコラボシートが月3ドル、Designも編集できるフルシートが月16ドルと表示されている。コラボシートにはFigJamの編集とDesignの閲覧・コメントが含まれ、有料プランでは閲覧・コメントだけの利用者に追加の有料シートを付けない方法もある。表示額は米ドルなので、日本での請求額は購入時の支払周期や適用される条件を分けて見る必要がある。

仮に主催者2人が編集し、社外の8人は当日だけ書き込むとする。表示単価による主催者分の月額換算は、Miro Starterが16ドル、FigJamのコラボシートが6ドルだ。前者は公開ボードへのビジター参加、後者は期限付きのオープンセッションを想定した計算であり、参加の仕組みまで同額の条件で比較した数字ではない。

別の仮定として、社内の8人全員が継続編集するなら、Miro Starterは月額換算64ドル、FigJamのコラボシートは24ドルになる。製品チームで2人がDesignも編集し、残る6人がFigJamを編集する構成なら、フルシートとコラボシートの表示単価を合計して月額換算50ドルだ。後者にはDesignの編集権も含まれるため、ホワイトボードだけの費用として扱わない。

実際の請求では、追加したシートの時期や支払周期も効く。会議当日の人数ではなく、ボードを作成・更新する主催者、継続編集する社員、Designの制作担当者をそれぞれ数えると、必要な席種が見える。社外参加者を一時利用者として招く場合も、終了後に編集権を残すなら、その後の招待方法まで含めて見積もりたい。

AIは機能名より利用者と利用場面を合わせる

Miroは図や要約の生成、付箋のグループ化などを案内し、FigJamは付箋の要約・分類と会議用テンプレートの生成を備える。どちらも議論を整理する助けになるが、参加者全員が同じ条件で使えるとは限らない。特に社外参加者がFigJamのオープンセッションに入る場合、AIによる整理はセッション中の訪問者には任せられない。

主催者が会議後に付箋をまとめる運用なら、AIの比較では席種ごとの利用権とクレジットの条件が重要になる。MiroのAIクレジットは組織で共有され、Figmaのクレジットはプランとシートの種類で割り当てが変わる。会議中に誰が整理するか、終了後に誰が成果を編集するかを決めておけば、AI機能を理由に不要な席を増やさずに済む。

選択の軸は明快だ。社外参加者を迎える会を繰り返し開き、共有範囲を使い分けるならMiroが有力になる。Figma Designを制作の中心に据え、レビューの要素を設計ファイルへ渡すならFigJamが合う。社内会議が主用途なら、進行機能の好みを確かめたうえで、継続編集者に必要な席数と権限で決めたい。

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