freeeかマネーフォワードか、法人化後は税理士連携で差が出る

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 1
freeeかマネーフォワードか、法人化後は税理士連携で差が出る

法人化後、代表者だけで記帳し、仕訳数も少ないなら、基本料金が低いマネーフォワードを選びやすい。税理士に記帳や決算を任せるなら、先に顧問先が扱うソフトと作業分担を確認したい。両社とも税理士とデータを共有できるため、招待の可否だけでは優劣は決まらない。

比較すべきなのは、会社側で誰が仕訳を登録し、誰が経費を申請し、請求書をどう送るかをそろえた年額だ。マネーフォワードの最安プランには年間仕訳数の上限があり、freeeでは経費申請の利用者に応じた料金が生じるプランがある。税理士に申告を任せるか、自社で法人税申告書を作るかによっても、会計ソフトの外に必要な費用が変わる。

基本料金は、必要な人数と機能に合わせて比べる

マネーフォワードの法人プラン比較表では、年払い・税抜の基本料金は、ひとり法人が月2,480円、スモールビジネスが月4,480円、ビジネスが月6,480円。クラウド経費を利用できる人数は、ひとり法人が1名、スモールビジネスが3名で、ひとり法人では通常の社内メンバーを追加できない。基本料金を12か月分に直すと、順に年29,760円、53,760円、77,760円となる。

freeeの法人プラン案内では、年払い・税抜でひとり法人が月2,980円、スターターが月5,480円。基本料金の年額はそれぞれ35,760円、65,760円だ。ひとり法人に経費精算機能はなく、スターターでは経費を申請または承認した利用者に月300円ずつかかる。帳簿を扱う追加メンバーの料金と、経費申請の従量料金は別に計算する必要がある。

代表者が立替経費を通常の取引として記帳することと、従業員が経費を申請し、承認者が処理することは違う。前者だけなら経費精算機能を使う前提で上位プランを選ぶ必要はない。後者なら、会社の人数ではなく実際に申請・承認を行う人数を置いて費用を比べる。freeeでは申請と承認の両方を行っても、同じ月の同一利用者は従量料金上、重複して数えない。

年間仕訳数が増えると、最安プランの比較が変わる

マネーフォワード クラウド会計の機能表では、ひとり法人が登録できる仕訳は1会計年度に500件まで、スモールビジネスとビジネスはそれぞれ10万件までとされる。ひとり法人の上限に達した後、同じ年度の仕訳を続けて登録するには、上位プランが必要になる。たとえば月40件の想定なら年480件、月50件なら年600件という計算になり、後者はひとり法人の枠に収まらない。

仕訳数を見積もる際には、請求書の発行枚数だけを数えても足りない。売上と入金、仕入れと支払い、カード利用、立替経費、給与など、帳簿に登録する取引が対象になる。税理士が入力を担当しても、会社の取引そのものが減るわけではない。顧問先が月次でまとめて記帳する運用なら、昨年の件数や今後の取引予定を共有し、最安プランの上限内に収まるか確認したい。

freeeの法人プラン案内には、ひとり法人について同じ形式の年間仕訳上限は示されていない。仕訳の多いひとり法人では、基本料金だけならfreeeが高くても、比較対象がマネーフォワードのスモールビジネスに変わる場合がある。ただし、仕訳数だけでfreeeの機能全体が足りると決めず、必要な人数、証憑の扱い、請求業務も同じ条件で見る必要がある。

税理士連携で問うべきは、招待料より作業分担

freeeでは認定アドバイザーの招待は無料で、通常の経理担当者とは別に扱われる。マネーフォワードでも士業アカウントは会計のメンバー数に算入されず、ひとり法人プランの契約条件でも除外される。ただし、税理士以外の社内担当者が帳簿を入力・確認する場合は、通常メンバーの枠や追加料金を考えなければならない。freeeのひとり法人では追加メンバーに料金がかかり、マネーフォワードのひとり法人では通常メンバーを増やせない。

実際の選択では、会社が日々の仕訳を入力して税理士が月次で確認するのか、記帳から決算まで税理士に任せるのかで必要な権限が変わる。証憑を誰が取り込み、修正が必要な取引をどこで伝え、決算時にどちらが最終確認するかも、同じデータを使うための条件だ。税理士が普段使うソフトを確認する理由は、この受け渡しを顧問契約の仕事の範囲に合わせるためにある。

法人化後に顧問税理士を付けてfreeeからマネーフォワードへ移った事業者の利用体験も、選択の軸として税理士とのデータ共有を挙げている。これはその事業者の運用判断であり、税理士を使う法人なら一律にマネーフォワードが安い、あるいはfreeeでは連携できないという意味ではない。顧問料はソフト利用料と別なので、記帳と申告をどこまで委託するかが決まって初めて総額を比べられる。

経費申請と請求書の送付方法が追加費用を左右する

複数人で経費を申請する会社では、プランの人数枠と従量料金を一緒に見る。3人が毎月freeeスターターで申請または承認を行う条件なら、月300円×3人×12か月で年10,800円が基本料金に加わる。マネーフォワードのスモールビジネスでは、クラウド経費の利用人数が3名まで基本プランの範囲に収まる。申請者が特定の月だけ利用するなら、freeeの従量部分もその利用月に応じて変わる。

請求書は、作成できるかどうかに加えて、一括作成、メール送信、郵送代行の利用を分けて考える。freeeのひとり法人でも帳票の作成・送付はできるが、一括作成や一括送付は上位プランの機能だ。freeeの上位プランでは、一括インポートやカスタムテンプレートで作成した対象帳票をメール送付する場合に、1件95円の従量料金が設定されている。通常の方法で作った請求書を送るたびに一律で加算される料金ではない。

マネーフォワードも各法人プランで請求書を作成し、個別にメール送信できる一方、CSVによる一括作成と一括メール送信はビジネスプランの機能だ。郵送代行は各プランで1通210円とされる。請求先が少なく個別送信で足りる会社と、毎月大量の請求書をまとめて処理する会社では、同じ会計基本料金を見ても必要なプランが異なる。

自力で法人税を申告するなら、会計料金の外も足す

決算書を作れることと、法人税の申告書を作成・提出できることは同じではない。freee申告の法人税案内では、対象のfreee会計プランを契約した上で、freee申告を別途契約する必要がある。ひとり法人、スターター、スタンダードの利用者向けに示されたfreee申告スターターの料金は税抜年29,800円だ。ひとり法人の会計基本料金と合わせると、条件付きで年65,560円になる。

この金額はfreee申告スターターを使う場合の試算であり、両社の申告方法を同条件で比べた数字ではない。税理士に法人税申告を依頼するなら、会社が申告サービスを契約するかどうかも顧問先との分担による。自力で進める会社は、会計プランの年額と申告に使う手段の費用を分けて見積もる必要がある。

会社の運用別に年額を置く

次の例は、通常の年払い・税抜料金を12か月利用する条件で計算した会計ソフト部分の年額だ。キャンペーン、税理士報酬、郵送代行などの追加利用料は含めない。各社のプランを同じ仕事に使えるかを先に決め、その条件に合う料金を並べている。

  • 代表者だけで記帳し、経費申請機能を使わない法人:年間仕訳がマネーフォワードのひとり法人の上限内なら、freeeひとり法人は年35,760円、マネーフォワードひとり法人は年29,760円。会計基本料金の差は年6,000円となる。自力で法人税を申告するなら、採用する申告手段の費用を別に足す。
  • 3人が毎月経費を申請・承認する会社:freeeスターターは基本料金65,760円に経費精算の従量料金10,800円を足し、年76,560円。マネーフォワードのスモールビジネスは3人の利用がプラン内に収まる条件で年53,760円だ。この条件での差は年22,800円。ただし、請求書の一括処理など別の機能が必要なら、対象プランを選び直す。
  • 代表者と税理士で共有し、年600仕訳を見込む法人:税理士報酬を除く会計基本料金は、freeeひとり法人を使える運用なら年35,760円。マネーフォワードはひとり法人の仕訳上限を超えるため、スモールビジネスを使う試算で年53,760円となる。士業・認定アドバイザーのアカウントを通常メンバーに算入しない前提だ。

税理士に記帳を任せる会社では、顧問先が扱うソフト、年間仕訳数、会社側に必要な権限を合わせて確認すると、比較すべきプランが定まる。複数人で経費を処理する会社では、申請・承認する人数と利用月が年額を動かす。最安月額の順位は、実際の運用に必要なプランの順位と一致するとは限らない。

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