UPSIDERかバクラクか、限度額より経費処理で選択が分かれる

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 1
UPSIDERかバクラクか、限度額より経費処理で選択が分かれる

UPSIDERとバクラクビジネスカードは、限度額の表示だけでは選びにくい。カード利用者に証憑の提出を分担してもらい、経理が未提出の明細を追う運用ならUPSIDERが候補になる。すでにバクラク申請を使い、承認した支出と決済・仕訳を結びたい会社なら、バクラクビジネスカードを検討しやすい。

両製品とも利用先や支払額を制限でき、証憑の回収にも対応する。バクラクビジネスカードには単体で使える申請・承認機能もあるため、選択を分けるのは機能の有無だけではない。誰が証憑を提出し、承認済みの支出とどう照合し、経理が何を会計ソフトへ渡すかが、比較の中心になる。

無料のカードでも、経費処理の費用は異なる

UPSIDERの公式案内では、年会費とリアル・バーチャルカードの発行手数料は無料、発行枚数は原則無制限、ポイント還元率は基本1.0%から、月間利用限度額は最大10億円とされ、証憑管理や仕訳作成にも追加費用はかからない。カード枚数は同社の判断で制限される場合があり、還元条件は決済先によって異なる。後払いの利用可能枠は銀行口座の情報などを基にした審査で決まる。

バクラクビジネスカードの公式案内では、年会費とバーチャルカードの発行は無料、リアルカードは100枚まで無料で101枚目以降は税込1,540円、キャッシュバック率は原則0.8%、機能拡張オプションは月間決済額30万円以上なら無料で、それを下回る月は月額1万3,000円(税抜)とされる。領収書の保管、仕訳の自動作成、電子帳簿保存法に対応する機能などを使うには、そのオプションの契約が必要だ。キャッシュバックには対象外の決済がある。

少額のSaaS決済から始め、証憑保管や仕訳作成も必要な会社では、カードの年会費だけを比べると費用を見落とす。一方、毎月の決済額がオプションの無料条件を満たすなら、比較の重心は料金から社内の作業手順へ移る。UPSIDERが掲げる月間枠の最大値と、バクラクが掲げる大きな利用可能枠の付与実績は、指すものが異なる。いずれも自社に付与される後払い枠を約束する数字ではない。

個人事業主は両製品とも利用対象外だ。設立直後の法人には、UPSIDERの前払いと、入金した保証金に応じた枠を得るバクラクの保証金プランという選択肢がある。後払いを希望する場合は両社とも所定の審査があるため、必要な支払額と支払方法を分けて考える必要がある。

従業員30人・SaaS決済50件では、カードの分け方が効く

従業員30人が複数部門に所属し、毎月50件のSaaS決済を行う法人を仮の共通条件とする。この場合、カードを何枚発行できるかより、各決済の責任者と用途をどの単位で追うかが先に決まる。部門でカードを共有すれば管理するカードは少なくなるが、同じ明細群に複数の契約や担当者が混ざる。サービス別に分ければ用途をたどりやすい一方、契約や担当者が変わるたびに設定を直す仕事が生じる。

UPSIDERは利用先に加え、日次・月次・取引ごとの上限、通貨、利用期間を設定できる。バクラクビジネスカードも利用先、上限金額、期間、通貨を指定でき、部門単位の共有カードを用意する。継続課金のSaaSと支出が変動する広告費を別のカードに割り当てれば、それぞれの予算担当者を明確にしやすい。ただし、新しい利用先を厳しく制限したカードで払うには、決済前に設定変更が必要になる。

仮の会社で50件の決済をサービス別に分けるなら、カード名だけでなく、管理権限と証憑を提出する人も対応させたい。担当者が異動した後も古い権限が残れば、用途別カードを発行した利点が薄れる。反対に部門共有を選ぶなら、決済通知を受け取る人と実際に購入した人が異なる場面を想定し、誰が証憑を出すかを決めておく必要がある。

証憑回収は、利用者から経理への受け渡しを見る

カード明細には決済先と金額が残るが、それだけでは購入目的や処理に必要な証憑がそろわない。UPSIDERではアプリ、Slack、Web管理画面から証憑を提出でき、未提出の決済を一覧にして提出を促せる。ITmedia NEWSの比較記事は、Slackの利用通知にカード利用者が領収書などを添付する流れを取り上げ、経理担当者に集中しがちな回収作業を利用者に分散できると説明している。

バクラクビジネスカードはアプリで証憑の提出、申請、承認を扱い、提出期限を過ぎた決済には催促の通知を出せる。さらに、明細と領収書の照合や仕訳データの作成も機能として用意する。ただし、カード単体で利用できる範囲と、機能拡張オプションで使う範囲は、費用と合わせて区別したい。

仮の50件のうち証憑が未提出の決済が残ったとき、UPSIDERでの主な確認点は、利用者に提出を促して明細と証憑をそろえるまでの負担だ。バクラクでは、それに加えて提出された証憑を申請・承認の情報と同じ流れで扱えるかが効いてくる。どちらも通知だけで提出が完了するわけではないため、カードを共有する支出では特に、提出担当者を曖昧にしないことが重要になる。

申請・承認を既存の業務につなげられるか

購入前の承認を重視する会社では、決済後に領収書が届くだけでは足りない。承認された用途や予算と実際のカード明細が結び付かなければ、経理は両者を後から照合する。UPSIDERには事前・事後の利用申請機能があり、バクラクビジネスカードにもアプリでの申請・承認機能があるため、単に「申請できるか」では差を判断できない。

ITmedia NEWSの業務分析は、バクラク申請とカード明細を結び、事前申請と決済を対応させることを同シリーズの強みとしている。すでにバクラク申請で稟議を回している会社なら、その承認情報をカード支出の確認にも使えるかが具体的な選択理由になる。別の稟議システムが定着している会社では、申請経路を移す負担と、現在の経路を維持してカード明細を処理する負担を比べる必要がある。

仮の会社でも、新規契約、増席、契約更新で承認者が同じとは限らない。承認済みの金額を超える更新料が請求された場合、利用制限の設定変更と追加承認のどちらを先に行うかによって作業が変わる。カードの制限機能は決済を管理するが、支出を認める社内の判断そのものは、各社の申請手順に沿って残る。

会計連携では、明細と仕訳を分けて考える

会計ソフトへの連携で重要なのは、届くデータが決済明細なのか、証憑と税区分を反映した仕訳なのかという違いだ。UPSIDERは明細の速やかな反映、会計ソフトへのAPI連携とCSV出力を案内し、証憑の適格性判定や仕訳機能も備える。利用者による証憑提出を前段に置き、既存の会計ソフトを中心に月次処理を組む会社には、この流れが合いやすい。

バクラクビジネスカードもAPIとCSVによる連携に対応するが、明細のAPI連携と仕訳のAPI連携では対応する会計ソフトの範囲が異なる。バクラク側で明細と証憑を照合して仕訳を作る運用なら、自社の会計ソフトへ渡せるデータの種類が作業量を左右する。画面に「会計連携」と表示されていても、経理が科目、税区分、部門情報をどこで確定するかまでは同じにならない。

仮の50件を月末に処理する会社なら、カード利用者による証憑提出から、承認との照合、仕訳の確定までを一続きの仕事として比べると判断しやすい。証憑を利用者から集める負担が大きいならUPSIDERの提出経路と督促機能が効く。既存のバクラク申請を支出管理の中心に置いているなら、カード明細を承認情報と結び、その後の仕訳まで扱えることが選択の理由になる。

関連記事:

共有:

ニュースレターを購読

Web3、AI、暗号資産の最新ニュースを受信箱にお届けします。

0