kintoneかNotionか、10人契約と1人課金が分岐点

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
kintoneかNotionか、10人契約と1人課金が分岐点

申請・承認を伴う業務データを中心に据えるならkintone、文書の共同編集と社内知識の共有が中心ならNotionが選びやすい。少人数では、必要な機能に加えて契約人数が支払額を分ける。kintoneの公式料金では、ライトが1ユーザー月額1,000円、スタンダードが1,800円で、どちらも最低10ユーザーからの契約だ。表示額は税抜きで、外部サービス連携やプラグインはスタンダード以上が対象となる。

Notionの公式料金は1人のメンバーごとに示され、表示通貨を米ドル、支払い方法を月払いとした場合、プラスは月額10ドル、ビジネスは20ドル、フリーは0ドルだ。複数人で使うフリーにはページを構成するブロック数の制限があり、ビジネスにはデータベース権限の詳細設定が含まれる。文書を全員で継続的に編集するのか、申請を処理する担当者だけが業務アプリを使うのかによって、必要な契約人数も変わる。

実人数で計算すると月額はいくらか

以下は全員を有料ユーザーまたは有料メンバーとして契約し、月払いで追加オプションを付けない場合の計算だ。kintoneは実際の利用者が最低契約人数に満たなくても、その人数分を支払う。Notionの有料プランは、ここでは契約するメンバー数に表示単価を掛けている。

  • 3人:kintoneはライト月額10,000円、スタンダード18,000円。Notionはプラス月額30ドル、ビジネス60ドル。
  • 10人:kintoneはライト月額10,000円、スタンダード18,000円。Notionはプラス月額100ドル、ビジネス200ドル。
  • 30人:kintoneはライト月額30,000円、スタンダード54,000円。Notionはプラス月額300ドル、ビジネス600ドル。

3人でkintoneのライトを使うと、支払額を実利用者で均した負担は月額約3,333円になる。これは請求上のユーザー単価ではなく、最低10ユーザー分の料金を3人で負担すると考えた値だ。10人に達すると最低契約人数と利用人数が一致し、それを超えた分は人数に応じて総額が増える。

円建てのkintoneと、公式ページで米ドル表示されるNotionの金額をそのまま安い順には並べられない。Notionを円で支払う際の金額は適用される換算や請求条件に左右され、kintoneの表示額には消費税も含まれていない。価格差を見る際は通貨をそろえるだけでなく、必要な機能を満たすプランと契約人数を先に決める必要がある。

申請・承認を回すならkintoneの業務アプリ

申請を受け付け、担当者に回し、承認までの状態を案件ごとに追う仕事にはkintoneの構造が合う。kintoneの基本機能には、統一した項目でのデータ登録、担当者や状態を扱うプロセス管理、条件で絞り込む一覧、アプリや個別データのアクセス権がある。たとえば購入申請なら、申請ごとの金額や理由を同じ項目で受け取り、承認待ちの記録だけを一覧にする運用を設計できる。

ここで効くのは、ページを作れることより、個々の記録に処理状況と責任者を結び付けられることだ。申請の件数が増えたとき、未処理の記録を拾い、誰が次に処理するかを明確にしたいなら、この違いは日常の運用に直結する。一方、主な仕事が自由な文章の加筆や読み合わせであれば、同じ仕組みを用意するために最低契約分を支払う価値があるか、用途から考えたい。

kintoneの料金比較では、ライトで必要な運用が完結するかも分岐点になる。外部サービスとの接続やプラグインによる拡張が前提なら、スタンダードの金額で見積もる。申請の基本的な流れを業務アプリ内で回す場合と、別のサービスまでつなぐ場合を同じ費用として扱うと、導入後の支払額を見誤る。

文書を育てるならNotionのページとデータベース

手順書、企画案、議事メモのように、文章を複数人で更新し、関連情報をページ間でたどる仕事ではNotionが候補になる。ページには文章を置けるほか、データベースでタスクや資料を整理できる。担当者や期限を持つ一覧も作れるため、文書を中心にした仕事に付随する軽い案件管理なら、同じ作業空間にまとめられる。

ただし、一覧を作れることと、申請ごとに担当者・状態・承認経路を継続して管理することは別の要件だ。依頼の本文を共同編集する時間が長いならNotionのページが主役になる。依頼を受けた後の処理状況を追い、担当者別の未完了分を把握する時間が長いなら、kintoneの記録とプロセスを軸に考えるほうが業務の形に近い。

Notionのフリーは試しやすいが、複数人で文書を増やす運用ではブロック数の条件が効いてくる。共同編集する全員をメンバーにするなら、継続利用の費用はプラスを基準に計算したほうが実態に近い。より細かなデータベース権限が要る場合はビジネスを候補に入れるため、同じNotionでも文書共有だけの場合と機密性の高い記録を扱う場合では見積額が変わる。

権限はレコードとページのどちらを守るか

権限の設計単位も用途によって異なる。kintoneではアプリ全体に加え、個別の記録に対して閲覧、編集、削除を制御できる。同じ申請アプリを使いながら、担当者によって見られる記録を分けたい場合は、業務データを中心に権限を組み立てられる。

Notionではページとチームスペースを中心に共有先を決める。Notionの共有・権限管理では、ページに閲覧、コメント、編集などの権限を割り当てられ、データベースには構造を変えずに内容だけを編集できる権限も説明されている。部署の手順書ならチームスペースとページの共有範囲が重要になり、申請者ごとに記録を分けたい場合はデータベースの詳細な権限と、それを利用できるプランまで考えることになる。

Notionで機密情報を扱うときは、個別ページの設定だけでは共有範囲を判断できない。親ページやチームスペースを通じて誰にアクセスが与えられているかも、同じ情報の見え方に影響する。kintoneでもアプリを見られる人と個別の記録を見られる人を分けて設計する必要があり、どちらが管理しやすいかは守りたい情報の単位で決まる。

主業務と契約人数を合わせた選定表

  • 申請・承認と案件の進行管理が中心:kintoneを軸にする。個々の記録に担当者、状態、閲覧範囲を結び付ける運用に向き、少人数でも最低契約分を予算に入れる。
  • 手順書や社内知識の共同編集が中心:Notionを軸にする。継続して編集するメンバー数でプラスの費用を計算し、ページとチームスペースの共有範囲を決める。
  • 文書共有に加えてデータベース内の閲覧範囲も細かく分けたい:Notionのビジネスを候補にする。プラスの単価を使った見積もりでは、必要な権限を備えるプランの費用を表せない。
  • 申請処理と文書共同編集の両方が欠かせない:業務アプリを操作する人と文書を編集する人を分けて数える。両製品を併用する場合も、全員が両方の有料メンバーになるという前提から費用を決める必要はない。

ITreviewの両製品比較では、機能への満足度はkintoneが4.0、Notionが4.4、導入のしやすさはそれぞれ4.3、4.0と集計されている。利用者の評価は操作感を知る手掛かりになるが、両製品に任せる主業務が違えば点数だけで選択は決まらない。記録を承認まで動かすのか、文書を共同で育てるのかを定めると、必要な権限と支払う人数も具体的になる。

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