
Microsoft PlannerかAsanaか、既存契約と人数課金が分岐点

対象のMicrosoft 365エンタープライズ契約があり、担当者と期限の共有で足りるなら、Plannerを使うのが追加費用を抑えやすい選択だ。MicrosoftのPlanner料金・機能表では、基本機能を対象契約に含め、依存関係とタイムラインを追加するPlanner Plan 1を年払いの月額相当で1人1,499円、消費税別と表示している。
工程の前後関係を多くの人が扱うなら、Asana Starterも候補になる。ただし、単価だけで決めると、既存契約で済む作業、Asanaで課金対象になる社内メンバー、外部ゲストの扱いを見落とす。比較の軸はチームの総人数ではなく、どの機能を誰が使うかだ。
基本のタスク管理と工程管理の境界
Microsoft 365に含まれるPlannerは、タスクの作成と割り当て、期限の管理、グリッド・ボード・スケジュール・チャート表示、Teamsとの統合を備える。依頼を受け、担当者を決め、完了まで追う仕事なら、この範囲で要件を満たす可能性が高い。ただし、Plannerを含む対象契約かどうかは、社内で実際に保有するライセンスで判断する必要がある。
作業Aが終わらないと作業Bを始められない、といった順序を計画に組み込みたい場合は、有料機能の比較に進む。Planner Plan 1にはタスクの依存関係とタイムライン(ガント)表示がある。Asanaでは、無料のPersonalがリスト、ボード、カレンダーによる管理を担い、Starterがタイムライン、ガント、依存関係を加える。
両製品の有料階層が同じ名前の機能を持っていても、必要な席数は運用で変わる。計画担当者だけが工程を編集し、ほかの人は割り当てられた仕事を処理するのか。参加者の多くが依存関係や日程を更新するのか。この違いが、製品間の単価差より大きく追加費用を動かしうる。
10人・50人の追加費用を並べる

Asanaの国内料金表では、公開されているPersonalは2人まで無料、Starterは年払いで1人月額相当1,200円、Advancedは同2,700円と表示される。Starterにはタイムラインと依存関係、Advancedには複数案件のポートフォリオとリソース管理が含まれる。同じ料金表では、AIスタジオの月間枠を請求アカウントごとにStarterで50,000クレジット、Advancedで75,000クレジットとしている。
次は社内の10人または50人全員に同じ有料機能を割り当てる条件付きの試算だ。各社の年払い表示額を人数倍した月額相当であり、既存のMicrosoft 365契約料、消費税、導入費用は含めない。Asanaのゲストはここでは人数に入れていない。
- Microsoft 365に含まれるPlanner:対象契約で基本機能だけを使うなら、10人・50人ともPlanner分の追加額は0円。Microsoft 365自体の契約料は別にかかる。
- Planner Plan 1:10人全員なら月額相当14,990円、50人全員なら74,950円。
- Asana Personal:公開料金表の無料枠は2人まで。10人・50人が工程管理を共用する場合の有料プランの代わりにはならない。
- Asana Starter:10ライセンスなら月額相当12,000円、50ライセンスなら60,000円。
- Asana Advanced:10ライセンスなら月額相当27,000円、50ライセンスなら135,000円。
全員に工程管理機能を配るという同条件では、Starterの表示額がPlanner Plan 1より低い。一方、基本機能で足りるチームでは、既存契約に含まれるPlannerが追加契約を要しない。年払いの「月額相当」は毎月その金額だけを支払うという意味ではなく、支払い方法をそろえた比較値だ。
Advancedの上乗せは、単一案件の工程表よりも、複数案件をまとめて見て仕事量を調整する必要があるかで評価したい。タイムラインと依存関係が目的なら、まずPlan 1とStarterを比べる方が費用の差を読み取りやすい。
人数課金は総人数と一致しない
Asanaのライセンス規則では、有料プランは最低2ライセンスから始まり、5人までは少人数向けの席数を選べる。その後は30人以下で5人単位、30人を超え100人までは10人単位で席数が増える。例えば11人を有料スペースに入れるなら15席、31人なら40席を見込む必要がある。
同じ10人チームでも、Planner Plan 1を工程担当の3人だけに割り当てる条件なら、その追加額は月額相当4,497円になる。ただし、この試算は残るメンバーが有料機能を操作することまで保証するものではない。必要な操作とライセンスを対応させたうえで、全員に配る試算と比べたい。
Asanaも、有料機能を使う範囲を特定のチームに限定できる。一方、課金対象は有料プランを適用した組織、チーム、ディビジョン、ワークスペースのメンバーで決まり、共有や招待によって社内の協力者に有料ライセンスが自動で割り当てられる場合がある。「管理者だけが有料席」という想定は、実際の共有範囲と一致させて見積もる必要がある。
外部ゲストでは共有設定と請求範囲が違う

Asanaの組織、チーム、ディビジョンでは、会社のメールドメインを共有しない外部ゲストは有料ライセンス数に算入されない。これに対し、独立したワークスペースの有料プランでは、ゲストを含む共同作業者が課金対象になる。取引先を何人招くかだけでなく、どの種類のスペースに招くかが費用を左右する。
PlannerはMicrosoftのゲストアクセス案内によると、Microsoft 365グループのゲストアクセスが無効なら、外部ユーザーをプランに追加できない。許可されたゲストはタスクやバケットの作成、タスク項目の編集などを行えるが、ゲストへのタスク割り当てメール通知はサポートされない。ファイルやタスクへのリンク添付にも、管理者が許可する設定が関わる。
したがって、Asanaの「無料ゲスト」は主にライセンス計算の条件であり、Plannerの「ゲストアクセス」はグループ設定と参加権限の条件だ。社外の人に工程を編集してもらう案件では、ライセンス額と同時に、招待先のスペース、許す操作、通知方法をそろえて比べると違いが明確になる。
AIを使う権利は工程管理のライセンスと別に見る

Planner Plan 1を購入しただけでは、Plannerエージェントを操作する権利は付かない。Microsoftの利用条件では、エージェントへのアクセスにMicrosoft Copilotライセンスが必要とされる。共有された基本プランでもCopilotの対象ユーザーはエージェントを利用できる一方、目標からのタスク生成はプレミアムプラン向けだ。
このため、依存関係を編集する人とAIを使う人を同一視する必要はない。前者にはPlannerのプレミアム機能、後者にはCopilotの利用権という別々の条件がかかる。基本機能だけを使うチームでも、AIを使う担当者がいれば、その権利を追加費用として数えることになる。
Asana StarterとAdvancedではAIスタジオのクレジットが基本料金に含まれるが、枠はユーザーごとではなく請求アカウントごとだ。利用量が増えれば、含まれる枠の範囲、追加の利用枠、従量課金の管理設定が判断材料になる。席数を増やしても、含まれるAIスタジオのクレジットが人数に比例して増えるわけではない。
どちらを選ぶか
既存の対象Microsoft 365契約があり、日常の割り当てと期限管理で足りるなら、Plannerの基本機能が最も追加費用を抑えやすい。依存関係とタイムラインが必要になったら、それらを操作する人数でPlanner Plan 1とAsana Starterを比較する。全員に有料機能を配る条件ではStarterが安いが、工程担当者が少数ならPlan 1を限定して割り当てる案も費用面で変わってくる。
外部協力者が多い場合は、Asanaの組織とワークスペースで異なるゲスト課金、Planner側のMicrosoft 365グループ設定が選択を左右する。AIまで使うなら、PlannerのCopilotライセンスとAsanaのアカウント単位の利用枠を、工程管理の席数とは別に見積もる。費用と参加条件を決めるのは製品の名前ではなく、社内外の誰がどの操作を担うかだ。
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