ZoomかTeamsか、AI議事録は録画よりライセンスで差がつく

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
ZoomかTeamsか、AI議事録は録画よりライセンスで差がつく

Zoom中心の会議でホストが要点を配るなら、対象の有料Zoom Workplace契約で使うZoomのミーティング要約が候補になる。録画も、会議後に残す全文の文字起こしも必須ではない。ホストまたは共同ホストが要約を開始し、共有設定に応じて終了後に参加者へ届けられる。

Teams中心なら、Teamsのインテリジェント要約に必要な文字起こしとライセンスを先に確認したい。AIによる要約にはTeams PremiumまたはMicrosoft Copilotのライセンスが必要で、会議後にCopilotへ発言内容を質問する用途にはCopilotの利用条件も加わる。両製品とも録画を残さずに使える機能はあるが、得られる成果物は同じではない。

ライセンスは「要約する人」と「質問する人」で考える

Zoomでは、対象の有料Zoom Workplaceアカウントで管理者側の機能設定が有効になっていることが前提だ。要約を会議中に開始・停止できるのはホストと共同ホストで、一般参加者は開始をリクエストできる。自動開始の設定もあるため、ホストが毎回操作する運用か、会議開始とともに要約する運用かを選べる。

要約を受け取る人まで全員が開始権限を持つ必要はない。Zoomでは、AI機能を使えない参加者も共有された要約を閲覧できる。一方、受信者の範囲はホスト側の共有設定に左右される。ライセンスを数える際は、会議を主催して要約を作る人と、完成した要約を読む人を分けると、必要な契約の範囲が見えやすい。

Teamsでは、会議の要約画面そのものと、ライセンスが必要なインテリジェント要約、対話型のCopilotを混同しないことが大切だ。録画や文字起こしを参照するだけなのか、AIが整理した論点やタスクを使うのか、会議後に自分で問い直すのかで必要な機能が変わる。表示価格だけの比較より、追加機能を使う人を役割ごとに数える方が、既存契約に対する費用差を把握しやすい。

社内会議では、保存先と共有範囲が異なる

Zoomの要約は終了後に完成し、ホストが許可した範囲へメールで送られる。会議の前後にも利用できるチャットを設定していれば、Zoom Chatの会議用グループにも投稿できる。ホストは完成した要約を編集・共有できるので、欠席者へ配る前に決定事項や担当者名を整える運用とも相性がよい。

ただし、参加した人全員への自動配信とは考えない方がよい。自動で受け取る参加者にはZoomへのサインインが必要で、参加リンクからその場で加わった人は元の予定参加者に含まれない。社内の定例会議でも、招待された人と途中参加した人で届き方が変わる。要約を共有した後は受信者が保存したり、別の人へ渡したりできる点も共有範囲の判断に関わる。

Teamsの要約は会議チャットや予定表から開き、利用できる記録、文字起こし、共有ファイル、メモを会議に結び付けて確認する。インテリジェント要約はトランスクリプトに加え、出席データやPowerPoint Liveのデータも使う。発言の要点だけを配る会議と、参加状況や提示資料を合わせて振り返る会議では、この成果物の違いが効いてくる。

Teamsのインテリジェント要約も、会議への招待や組織のアクセス権を離れて誰にでも見せられるものではない。社外の相手へ議事録を渡す場合、社内向けの要約画面をそのまま共有先とみなさず、相手が実際に閲覧できる形式を決めておく必要がある。社内会議で便利な保存先と、外部への配布先は別の問題だ。

外部主催会議では、自社ライセンスだけで完結しない

取引先が主催するTeams会議に入る場合、自社のCopilotライセンスだけで会議中のAI利用を約束することはできない。Microsoftが説明する「会議中のみ」のCopilotは、ライセンスを持つ外部参加者にも利用できない。先方の会議で何を使えるかは、主催組織の設定と参加者の立場に依存する。

Zoomには別の経路がある。対応するZoom Workplace契約の利用者は、設定とカレンダー連携を整えれば、他社のTeamsやGoogle Meet会議にAI Companionを招く機能を使える。AI Companionは会議の参加者として入り、文字起こしを行って要約を作り、会議後の質問にも使われる。自分がZoom会議のホストとして要約を開始する場合とは、入口もデータの扱いも違う。

この方法で得た要約はZoom側の会議要約から、トランスクリプトはZoom側の録画・文字起こし領域から確認する。外部主催者の会議にAI参加者を追加して発言を文字起こしするため、先方の参加ルールや記録方針との調整が必要になる。外部会議が多い人には魅力のある選択肢だが、先方がAI参加者や文字起こしを認めない会議には使えない。

録画禁止でも、文字起こしの保存条件で結果が変わる

Zoomの通常のミーティング要約は音声をテキスト化して内容をまとめる一方、会議後に残すトランスクリプトは別に選べる。動画を録画せず、全文は保存せず、要点だけを残す運用が可能だ。ただし、要約自体は会議内容を記録した成果物である。組織のルールが禁じるのは録画か、全文の保存か、要点の保存まで含むのかを区別する必要がある。

会議後に「この案への反対理由は何だったか」といった新しい質問を重ねたいなら、要約だけでは足りない。Zoomの文字起こし設定では、ホストがトランスクリプトを保持した場合に、AI Chatで会議後の質問に利用できる。全文を残さない方針を選ぶと、配布用の要約は作れても、この使い方には進めない。

TeamsのCopilotには、文字起こしも録画もせずに会議中だけメモやタスクを作る使い方がある。Microsoftの会議中のみの設定案内によると、その状態では会議後に要約タブから発言内容をCopilotへ質問できない。また、録画と文字起こしを無効にしても、Copilotへの質問と回答は組織の保持ポリシーに従って残る場合がある。機密会議では、動画と全文だけでなく、この記録も保存方針に含めたい。

日英混在会議は、対応言語と出力言語を分けて見る

日本語と英語はいずれも両製品の会議要約で扱える。ただし、対応言語に載っていることと、混在する発言が意図した言語で正確に整理されることは別だ。Zoomでは複数言語が話された場合、主に使われた言語で要約し、明確な多数がなければ主催者の発話言語を使う。日本語で配布したい会議では、要約の既定言語と字幕の会話言語が設定されているかが重要になる。

Teamsのインテリジェント要約は文字起こしを基にするため、話し言葉と文字起こし言語の設定が成果物に関わる。日英を切り替える会議では、流暢な文章かどうかだけでなく、どの言語で決めた期限や条件も同じ決定事項に結び付いているかを見るべきだ。製品間の精度に一律の優劣を付けるより、実際の会議で使う固有名詞と担当者名を基準に選ぶ方が妥当だ。

選択を左右するのは、会議後に何を残し、誰が使うかである。Zoom中心でホストから要点を配るなら、対象契約と共有範囲を確認する。Teams中心で資料や出席情報と一緒に振り返るなら、文字起こしとインテリジェント要約のライセンスを確認する。会議後の質問や外部主催会議まで必要なら、その利用者と保存できるデータを加えて費用を比べたい。

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