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Claude Coworkに専用ブラウザー―自分のタブを渡さずWeb操作

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 6
Claude Coworkに専用ブラウザー―自分のタブを渡さずWeb操作

Anthropicは2026年8月26日、Claude Coworkのデスクトップアプリに内蔵ブラウザーを追加すると発表し、有料プランへの段階展開を始めた。Webサイトを伴う仕事を依頼すると、Coworkのサイドパネルに専用の閲覧環境が開き、Claudeがページの読み取り、クリック、文字入力、フォーム記入を進める。窓の杜の8月27日付記事 によれば、Pro、Max、Teamには発表後1週間で順次提供され、Enterpriseでは管理者が組織設定から有効化できる。

新機能の要点は、普段使っているブラウザーをClaudeにそのまま渡さなくてもWeb操作を任せられることだ。Anthropicの8月26日付発表 は、自分のタブ、ブックマーク、保存済みパスワードは内蔵ブラウザーから見えず、必要なログインだけをサイト単位で移せると説明している。ただし、Webページに埋め込まれた指示によるプロンプトインジェクションの危険まで解消されるわけではない。

依頼すると専用ブラウザーが自動で開く

Claude Coworkの内蔵ブラウザーがベンダーポータルを巡回し、請求書の確認とフォーム入力を進める工程

機能が届いた環境では、特別な拡張機能を追加する必要はない。デスクトップ版Coworkで「ベンダーポータルから今月分の請求書を集める」「複数ページからレポート用の情報を探す」といったWebサイトを使う仕事を通常の言葉で頼むと、内蔵ブラウザーが必要に応じて開く。

Claudeはサイドパネル内でページを移動し、表示内容を読み、リンクやボタンをクリックして文字を入力する。ダッシュボードから数値を取得する、フォームを埋める、コネクターが用意されていないポータルを操作するといった、複数の画面にまたがる仕事が主な用途になる。利用者はCowork上で進行を確認しながら、普段のブラウザーでは別の作業を続けられる。

対象はmacOS、Windows、LinuxのClaudeデスクトップアプリで、Linux版はベータ扱いだ。Web版やスマートフォンから同じCoworkセッションを操作する場合も、内蔵ブラウザーを動かすデスクトップアプリが起動し、オンラインである必要がある。デスクトップアプリを介さずWeb版だけでブラウザー操作をさせる場合は、Claude in Chromeが引き続き必要になる。

分離は初期状態の境界、ログインは選んで移す

Claude Coworkの独立したブラウザーへ業務サイトのログインだけを移し、銀行・メール・SSOを除外する状態

内蔵ブラウザーが分離するのは、利用者の日常的な閲覧環境と、そのままのログイン状態だ。機能を選んだだけで、個人ブラウザーの開いているタブ、ブックマーク、保存済みパスワードがCoworkへ自動的に取り込まれることはない。タイトルの「自分のタブを渡さず」は、この初期状態を指している。

一方、会員ページや社内ポータルへ入るには、内蔵ブラウザー側にも認証済みの状態が必要だ。ログインはサイト単位で移行でき、macOSではChrome、Edge、Firefox、WindowsとLinuxではFirefoxを移行元に選べる。これは個人ブラウザー全体の共有ではなく、利用者が選んだサイトのログイン状態だけを独立した環境へ持ち込む仕組みである。

銀行、メール、シングルサインオン(SSO)のサイトは、利用者が明示的に含めない限り移行対象から外れる。したがって「専用ブラウザーなら認証情報を扱わない」という理解は正確ではない。初期状態では分離されるが、ログインを移した後にClaudeが触れられる範囲は、選択したサイトとそこで付与されている権限に左右される。

内蔵ブラウザー、Chrome、コネクターの選び分け

三つの方式は代替関係というより、Claudeに何を参照させ、どこから仕事を始めるかが異なる。GIGAZINEの8月27日付報道 も、普段のブラウザーと切り分けて作業を任せる場合は内蔵ブラウザー、開いているページやログイン済みアカウントを使う場合はClaude in Chromeという使い分けを報じている。

  • 内蔵ブラウザー:参照するのは専用環境で開いたWebページ。ログインが必要なら対応ブラウザーからサイト単位で移し、調査、請求書の回収、フォーム処理など一連のWeb作業を切り出す用途に向く。訪問先ページに起因するプロンプトインジェクションと、移したログインの権限が主な注意点になる。
  • Claude in Chrome:利用者が開いているタブと、そこで利用中のログイン状態を使う。CRMの更新、受信トレイの処理、編集中の文書など、目の前のページをそのまま作業材料にする場合に適する。自分のブラウザー環境を参照させる範囲を意識する必要がある。
  • コネクター:接続したサービスが提供するデータや機能を統合経由で扱う。ページを順に開いて操作する必要がない仕事に向く一方、利用できる内容は対応サービスと接続時に許可した範囲に限られる。Web画面でしか完結しない工程や未対応サイトは、内蔵ブラウザーの領域になる。

すでにClaude in Chromeを使っている環境では、拡張機能が既定のまま維持される。未使用の環境では内蔵ブラウザーが既定になり、「Settings → Cowork → Preferred browser」から切り替えられる。どちらを使うかは、いま開いているページを扱わせるのか、仕事を独立した閲覧環境へ渡すのかで判断できる。

専用環境でもページ内の悪意ある指示は読んでしまう

Webページ内の不審な指示と利用者の依頼が食い違い、Claude Coworkが操作内容を確認する場面

普段のブラウザーから切り離すことで、Claudeが最初から参照できるタブやログイン状態は限定される。しかし、訪問したページの内容を読み、その内容を踏まえて操作する構造は変わらない。ページ内に隠された指示が利用者の依頼からClaudeをそらそうとするプロンプトインジェクションは、内蔵ブラウザーにも残る。

内蔵ブラウザーには、Claudeの行動が利用者の依頼と一致するかを確認するなど、Claude in Chromeと同系統の保護策が適用される。それでも危険を完全には排除できないため、信頼できるサイトから作業を始めることが前提になる。とくにデータの変更、外部への送信、機密情報へのアクセスを伴う操作では、専用環境であることだけを安全性の根拠にはできない。

発表時点では、Pro、Max、Team向けの提供は1週間をかけた段階展開で、対象プランでも機能がまだ表示されない場合がある。Enterpriseでは管理者による有効化が必要だ。今回確定したのは、Coworkが個人ブラウザーを自動共有せずWeb作業を進める経路を得たことまでであり、各業務サイトでの互換性や、移行したログインを使う際の実運用上の安全性はサイトと作業内容ごとに異なる。

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