AzureとAWSを直結する前に、プレビューの1Gbps制限を確認

AzureとAWSをプライベート接続するには、Azure Multicloud InterconnectとAWS Interconnect - multicloudを組み合わせる。Azure側ではExpressRoute上の専用経路を使い、AWS側ではDirect Connect gatewayを接続点として、パブリックインターネットを経由しないクラウド間接続を構成する。
ただし、AWS–Azure連携はプレビュー段階にあり、帯域は1Gbpsに限定される。AWSのプレビュー向け作成条件 では、顧客ごと・対応リージョンごとに1接続までとされ、一般提供の準備時にはプレビュー接続が削除される。検証用の一時構成として、代替経路と廃止手順を含めて設計する必要がある。
1. 対応リージョンと帯域要件を先に照合する

最初に、AWSの接続元リージョンとAzureの接続先リージョンが対応する組み合わせか確認する。Azure Multicloud Interconnectの接続仕様 によると、Azure側のプライベート接続はExpressRoute上に配置され、プレビュー中に接続できるのはローカルリージョンの仮想ネットワークゲートウェイに限られる。クロスリージョン接続はサポートされない。
したがって、別リージョンにあるVNetのゲートウェイを直接の接続先にする構成は採用できない。AWS側のリージョン選択とAzure側のゲートウェイ配置を個別に決めず、対応する一組として確定させる。
帯域要件も作成前に判定する。1Gbpsは接続に設定できる容量であり、アプリケーションごとの性能保証ではない。平常時またはピーク時の必要量が上限に近い場合は、検証対象の通信を限定するか、別経路へ退避できる設計を用意する。
- AWSの接続元リージョンとAzureの接続先リージョン
- 接続対象のVPC、VNet、IPプレフィックス
- VPCとVNetのアドレス重複の有無
- 平常時とピーク時に必要な帯域
- プレビュー接続を停止したときの代替経路
2. 双方のゲートウェイと経路を準備する
AWS側ではDirect Connect gatewayがInterconnectのアタッチ先になる。VPCまでの接続方式として、Virtual Private Gateway、Transit Gateway、Cloud WANのいずれを使うかを決め、既存のDirect Connect gatewayを流用する場合は関連付け済みのネットワークと経路を確認する。
Virtual Private GatewayとTransit Gatewayはリージョナルなサービスであり、接続元リージョンに対応するローカルInterconnectを使用する。AWS内の遠隔リージョンへ到達させる構成ではCloud WANを利用できるが、Azure側のローカルリージョン制限が解除されるわけではない。
Azure側では、対象VNetのローカルリージョンに仮想ネットワークゲートウェイを配置する。既存ゲートウェイを使う場合は、ExpressRoute接続への対応、既存接続への影響、経路数や処理容量を確認する。AWS側と重複しないVNetアドレス空間も必要になる。
クラウド間接続が作成されても、ルートとセキュリティ規則は自動的にアプリケーション通信を保証しない。AWSとAzureの経路表、Network Security Group、AWSセキュリティグループ、ネットワークACL、ホスト側ファイアウォールで、相手側プレフィックスと試験対象ポートを許可する。
3. AWSで要求を作成し、Azure側で承認する

作成はAWS Direct ConnectコンソールのAWS Interconnect画面から始められる。要求が受理されるとActivation keyが発行され、そのキーを相手クラウド側の承認フローで使う。承認が完了すると、Interconnectは指定したDirect Connect gatewayへアタッチされる。
- AWS Direct ConnectコンソールでAWS Interconnectを開き、「Create new multicloud Interconnect」を選ぶ。
- 接続先のカードからMicrosoft Azureを選び、Previewタグが付いていることを確認する。
- AWSの接続元リージョンとAzureの接続先リージョンを指定する。
- 接続名、1Gbpsの帯域、既存または新規のDirect Connect gateway、Azure側の所有者識別に必要な情報を入力する。
- 設定を確認して要求を送信し、表示されたActivation keyを記録する。
- Azure側のプレビュー用フローでActivation keyを入力し、要求を承認する。
- Azure側の有効化とDirect Connect gatewayへのアタッチが完了するまで、双方の状態を確認する。
プレビュー対象の接続では、Activation処理にCLIが必要になる場合がある。実際に利用できる操作方法と入力項目は、接続作成時にAzure側へ提示される案内を優先する。
Activation keyは、新しい接続要求を双方で承認するためのトークンである。チャットの公開チャンネルや構成図へ記載せず、閲覧者を限定できる方法で受け渡し、承認後は不要な複製を残さない。
AWS側のInterconnect接続はプレビュー期間中無料だが、これを構成全体が無課金という意味には解釈できない。双方のゲートウェイ、クラウド内のネットワークサービス、監視、バックアップ経路については、利用するサービスごとに料金を確認する。
4. 接続状態、経路、実通信の順に確認する
疎通確認は、接続オブジェクトから実際のアプリケーション通信へ段階的に進める。最初にプロビジョニングが完了していることを確認し、次にゲートウェイの関連付け、経路、セキュリティ制御を調べる。
- AWSとAzureの接続識別子、状態、リージョンを記録する。
- Interconnectが指定したDirect Connect gatewayへアタッチされていることを確認する。
- Direct Connect gatewayと、Virtual Private Gateway、Transit Gateway、またはCloud WANとの関連付けを確認する。
- AWSの経路表でAzure側プレフィックスを、Azureの有効なルートでAWS側プレフィックスを確認する。
- 双方のセキュリティ規則とホスト側ファイアウォールで試験通信を許可する。
- 許可済みのTCPポートなど、実際の用途に近い通信を双方向で試す。
- 小さな転送から負荷を上げ、遅延、パケット損失、スループットを記録する。
ICMPを許可していない環境では、pingの失敗だけでInterconnectの障害とは判断できない。一方、単一のTCP接続が成功しても、戻り経路、DNS、MTU、長時間通信が正常とは限らない。業務に近い通信条件を使い、1Gbpsの上限に対して必要な余裕があるかを確認する。
5. 接続数、冗長化、プレビュー終了後を計画する

プレビュー固有の「顧客ごと・対応リージョンごとに1接続」という条件と、AWS Interconnect全体のサービスクォータは別に管理する。AWS Interconnectの既定クォータ は、作成済みConnectionがアカウント当たり10、requested状態が4、multicloud Connectionがプロバイダーごと・アカウント当たり2である。全体クォータに空きがあっても、同じ対応リージョンへプレビュー接続を追加できるとは限らない。
AWS Interconnectの基盤に冗長性があっても、単一の論理接続が削除される場合の代替経路にはならない。通信継続が必要なら、サイト間VPNなどの退避経路を用意し、ルートの優先順位、切り替え条件、利用可能な帯域を事前に検証する。
一般提供の準備が始まると、プレビューの1Gbps接続はアカウントから削除され、その準備期間中は同じクラウドサービスプロバイダーへのInterconnectを新規作成できない。単なる帯域変更として扱わず、代替経路への切り替え、プレビュー接続に向けたルートと監視の解除、一般提供版の新規作成、不要になった関連設定の削除までを廃止計画に含める。
停止を許容できない通信をプレビュー接続だけに依存させるのは避ける。代替経路への切り替えと復旧手順を確認できて初めて、検証環境から利用範囲を広げられる。
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