実践ガイド

Fable 5.1をBedrockで使う前に、30日保持モードを確認

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 7
Fable 5.1をBedrockで使う前に、30日保持モードを確認

Amazon BedrockでClaude Fable 5.1を使うには、APIコードより先にaws_reviewを承認する。通常利用ではプロンプトと出力がAWS内に最大30日保持され、Amazon担当者による安全性レビューの対象になり得るため、従来のゼロデータ保持を前提にしてはならない。

承認後は、呼び出し元リージョンと推論プロファイルを決め、Bedrock用モデルIDを確認して、機密情報を含まない最小リクエストを送る。最後にAWS側の保持と自社ログの保存を分けて点検すれば、保持条件を見落としたまま実装を進める手戻りを防げる。

1. aws_reviewの承認範囲を決める

最初に決めるのは、モデルへ入力できるデータの範囲だ。個人情報、顧客の機密情報、認証情報、未公開のソースコードなどを扱う可能性があるなら、保持期間と人手閲覧の可能性をセキュリティ・法務部門の審査対象に含める。

AWSの導入記事 では、Claude Fable 5.1の呼び出し前にaws_reviewの設定が必要で、AWSがプロンプトと出力を境界内に最大30日保持し、Amazon担当者が安全性確認のためにレビューし得るとしている。モデル提供者との共有は不要で、EFSの適格顧客には別条件のゼロデータ保持(ZDR)が用意される。

承認記録には、利用目的、データ分類、入力禁止情報、対象アカウントとプロジェクト、人手レビューの可能性、最長保持期間、責任者を残す。検証段階では、匿名化済みデータまたは合成データに入力を限定すると、承認前に実データが送信される事態を避けやすい。

2. aws_reviewとZDRを分けて扱う

Claude Fable 5.1のaws_reviewと最大30日保持を承認する工程

aws_reviewは、ZDRを意味するnoneとは別の保持モードだ。組織のSCPやIAMポリシーがnone以外への変更を拒否している場合、モデルIDや呼び出しコードを直してもClaude Fable 5.1は利用可能にならない。例外を認める範囲をプロジェクト単位に限定するのか、専用アカウントへ分離するのかを先に決める。

Amazon Bedrockの保持設定 によれば、実効モードはプロジェクト、アカウント、モデル既定値の順で決まり、モデルのallowed_modesに含まれないモードではリクエストが遮断される。ZDRはアカウントとモデルの組み合わせごとに審査され、承認された場合にだけnoneがallowed_modesへ加わる。

したがって、設定変更後はアカウント値だけでなく、対象プロジェクトの値とモデルのeffective mode、allowed_modes、status、status_reasonを確認する。EFS対象のZDRも、一般利用者がnoneへ切り替えるだけで有効になる機能ではないため、対象アカウントと対象モデルについて担当窓口の確認を得る。

3. リージョンと推論経路を固定する

Fable 5.1で利用可能な推論経路と配置リージョンを照合する工程

保持条件が承認されたら、アプリケーションの呼び出し元リージョンと推論経路を固定する。AWSの案内ではClaude Fable 5.1はUS Geo CRISとGlobal CRISの推論プロファイルで利用できるため、アプリケーションを配置したリージョンだけを見てデータ所在地を判断してはいけない。

Global CRISは複数リージョンへの動的な経路を許容できる場合に選ぶ。処理地域を米国内へ限定する必要があるならUS Geo CRISを検討し、組織の所在地要件と利用可能リージョンを照合する。採用したプロファイル、呼び出し元リージョン、許可された送信先は構成管理へ記録する。

プログラムからInvokeModelを使う場合はbedrock:InvokeModel、ストリーミングにはbedrock:InvokeModelWithResponseStreamの権限を確認する。モデルが一覧に現れない問題と、実行時にAccessDeniedになる問題は分け、モデルアクセス、IAMロール、SCP、VPCエンドポイントポリシーの順に切り分ける。

4. モデルIDを選び、最小リクエストを送る

承認後に正しい推論プロファイルIDで最小リクエストを検証する工程

基礎モデルのIDと推論プロファイル付きの参照を混同しない。Anthropicのモデル仕様 では、Amazon Bedrock用IDはanthropic.claude-fable-5-1、コンテキストウィンドウは100万トークン、最大出力は12万8000トークン、thinkingは常時有効のAdaptiveとされている。一方、AWSのGlobal CRIS向けBoto3例はglobal.anthropic.claude-fable-5-1をmodelIdに指定している。

最初の呼び出しでは、選択した経路に対応するmodelId、application/jsonのcontentTypeとaccept、anthropic_version、少量のmax_tokens、短いuserメッセージだけを渡す。機密データ、大容量コンテキスト、ツール実行は加えず、認証、保持モード、モデル参照、応答形式を一つずつ確認する。

応答のcontentにはthinkingブロックがtextブロックより前に入る場合がある。固定位置の要素を本文として読むのではなく、typeがtextのブロックを選択する。ストリーミングでも、思考関連イベントと利用者へ返すテキストを区別する。

5. AWS側の保持と自社ログを別々に承認する

最小リクエストが成功しても、保持の確認は終わらない。アプリケーションログ、可観測性基盤、障害調査用ストレージがプロンプトや出力を保存していれば、AWS側の保持が最大30日でも、システム全体の保存期間はそれより長くなる。

通常の監査ログには、リクエストID、実行時刻、呼び出し元、モデルまたは推論プロファイルID、結果コード、使用量を残し、本文は既定で除外またはマスキングする。本文保存が必要な場合は、アクセス権、暗号化、保存期間、削除手順、閲覧記録を別途承認する。

本番移行前の確認項目は、aws_reviewの承認記録、effective modeとallowed_modes、推論経路、IAM権限、実際に使うmodelId、無害な入力による成功結果、自社ログの保存方針である。EFSによるZDRを使う場合は、対象アカウントとモデルの適格性も証跡に加える。

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