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TOBに「賛同・応募中立」、BASE株主が確認すべき4項目

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 29
TOBに「賛同・応募中立」、BASE株主が確認すべき4項目

「賛同・応募中立」は、BASEがTOBの実施には賛成する一方、株主に応募を推奨せず、売却するか保有を続けるかを各株主の判断に委ねるという意味だ。会社が取引を支持したことと、提示価格で株式を売るべきだと判断したことは同じではない。

BASE株主が確認すべきなのは、①取引への意見と応募への意見、②部分TOBの上限とあん分、③価格の評価、④上場維持と取引後の経営方針の4項目である。「中立だから何もしなくてよい」のではなく、応募しても一部が残る可能性と、応募せず株主として残る場合の条件を比較する必要がある。

1.取引への賛同と応募への意見を分ける

BASEのTOBへの賛同と株主の応募判断を分けて確認するプロセス

最初に、対象会社の意見を一つの賛否として読まないことが重要だ。取引への賛同は、資本業務提携や買付者との関係強化が企業価値に資すると会社が判断したことを示す。一方、応募への中立は、提示された条件で売るかどうかについて会社が一律の結論を示さず、株主に選択を委ねる立場である。

金融庁の公開買付開示ガイドライン は、TOBの実施への意見と応募への意見を区別する場合、両者の関係が明確になるよう、応募を勧めない理由と、それでも実施に賛同する理由の記載を審査するとしている。部分取得型では、価格の公正性だけでなく、買付け後の経営方針、追加取得や第三者への譲渡の予定も重要な投資情報に挙げている。

読む資料は、BASE側の意見表明報告書と適時開示、買付者側の公開買付届出書である。BASE側では賛同の理由と応募を株主判断に委ねた理由を分け、買付者側では目的、価格、買付予定数、上限・下限、上限超過時の処理、買付け後の方針を確認する。要約文だけでは、会社が評価したのが事業上の提携効果なのか、株主の売却条件なのかを混同しやすい。

2.部分TOBの上限とあん分を確認する

BASE株の部分TOBで買付上限と残存株式を確認するプロセス

BASEの案件は、全株取得や非公開化を目的とするTOBではない。SBIホールディングスの公開買付け開示 によると、SBINM合同会社は1株340円で、23,792,300株、所有割合20.00%を上限に取得し、下限は設けない予定である。応募が上限を超えた場合は、法令に基づくあん分比例で決済されるため、応募した全株が買い付けられるとは限らない。同開示では、TOB後も東証グロース市場への上場を維持し、BASEの独立性と経営の自主性を尊重する方針も示されている。

したがって、応募する株主は「何株申し込むか」だけでなく、「一部しか売れなかった場合に残りを保有できるか」を考える必要がある。応募総数は締切り前には確定しないため、全株をTOB価格で現金化できる前提の資金計画には不確実性が残る。

下限がない点にも意味がある。応募数が買付者の目標株数に届かなくても、応募された株式の買付けは成立し得る。目標の20.00%に達しなかった場合、買付者は追加取得の方策を検討する予定だが、具体的な方法と時期は開示時点で決まっていない。株主構成が一度のTOBだけで確定しない可能性も、残存株主には重要な条件となる。

3.提示価格の合理性と自分の売却判断を分ける

価格については、「会社が合理的な売却機会と評価したこと」と「すべての株主にとって応募が有利であること」を分けて考える。取得価格、保有期間、投資目的、税務上の状況、残った株式を持ち続けられるかは株主ごとに異なるため、会社が一律に応募を推奨しないことと取引への賛同は両立する。

意見表明資料と公開買付届出書では、価格交渉の経緯、直前の終値や一定期間の平均株価に対するプレミアム、株式価値算定の手法と前提を確認する。第三者算定機関を利用している場合は、算定レンジだけでなく、当事者からの独立性や報酬体系も判断材料になる。算定書やフェアネス・オピニオンが存在すること自体を、価格の妥当性の証明とみなすべきではない。

応募時点の市場価格との比較も必要だ。市場価格がTOB価格を上回っていれば、市場での売却が価格面で有利になる場合があるが、価格変動、売買手数料、売却可能数量を考慮しなければならない。市場価格が下回っていても、部分TOBではあん分によって株式が残る可能性があるため、「提示価格の差」だけでは受取額を確定できない。

4.上場維持と取引後の経営方針を読む

BASEの上場維持と取引後の少数株主保護を確認するプロセス

上場維持は、応募しなかった株式を市場で保有・売買できる前提になるが、現在と同じ株価や流動性を保証するものではない。大株主の持分が増えれば議決権構成が変わり、市場で流通する株式数や売買のしやすさにも影響が及ぶ可能性がある。「上場が続く」という一点だけで、保有継続の条件が変わらないとは判断できない。

BASEの資本業務提携発表 では、SBIグループの金融・メディア・コンテンツなどの基盤と、BASEグループのコマース・決済・金融のサービスや顧客基盤を活用する方針が示され、BASEの経営体制の変更は発表時点で決まっていないとしている。協業の名称だけでなく、具体的な施策、必要な投資、役員派遣、意思決定の仕組みが後続開示で具体化するかを見る必要がある。

残存株主にとっては、買付者と一般株主の利益が一致しない取引をどう審査するかも重要だ。独立社外取締役や特別委員会の関与、関連当事者取引の承認手続、少数株主の利益を守る措置を確認したい。「経営の自主性を尊重する」という方針と、それを支える契約・ガバナンスの仕組みは別の確認事項である。

4項目を照合するときは、取引への賛同理由、部分取得の条件、価格評価、残存後の条件を一つの結論にまとめないことが肝心だ。BASEの「賛同・応募中立」は判断の放棄ではなく、資本業務提携の評価と各株主の売却判断を切り分けた意見である。応募する場合も保有を続ける場合も、部分TOB後に株式が残り得ることを前提に比較する必要がある。

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