
PatreonかKo-fiか、月1000ドルで手数料差は約88ドル

月1000ドルを5ドルの会員200人から得る米国ドル建て・米国カード決済の条件では、同条件の独立試算でPatreonの費用は189.25ドル、Ko-fi Goldは101ドルとなり、差は88.25ドルだ。Patreon側には米国内の銀行口座への出金費用0.25ドルが含まれる。日本の口座で受け取る場合まで、同じ差額が続くわけではない。
この条件で月額会員の手取りを重視するなら、Goldが有利だ。ただし単発支援が中心なら選択は変わる。Patreonの料金案内では、2025年8月4日より後に公開した制作者ページの標準プランは10%で、決済処理費用と出金費用は別にかかる。既存ページには旧プランもあるため、以下のPatreonの計算は新規ページを前提とする。
売上だけでなく、決済件数をそろえる
比較の基準は、月間売上と支払いの回数だ。売上1000ドルでも、5ドルを200人から受け取る場合と20ドルを50人から受け取る場合では、決済ごとの固定費が違う。料率だけを並べると、少額の会員が多い制作者ほど手取りを見誤りやすい。
Ko-fiの手数料案内によると、無料プランとStandardの月額会員・月ごとの支援には5%がかかる。単発支援は無料プランなら0%、Standardなら5%だ。新規利用者はStandardの機能を使える状態から始まるが、設定を切り替えれば無料プランで単発支援を受け取れる。いずれもPayPalやStripeの決済処理費用は別に発生する。
以下では比較のため、各支払いが米国ドル建てのカード決済で成功し、決済費用を売上の2.9%+1件0.30ドルと仮定する。これは米国の試算条件を各プランに共通して当てたものだ。日本の制作者がKo-fiで受け取る際の実際の料率を示すものではない。返金、税、為替、出金費用も表の手取りからは除く。
月額会員の手取りは単価でどう変わるか
次の数字は、各会員が月に1回支払う条件付きの試算だ。手取りは売上からプラットフォーム分と共通の決済分を引いた額で、Patreonの出金費用は含めていない。Ko-fiの無料プランも月額会員には5%がかかるため、この表ではStandardと同額になる。
- 月200ドル、5ドルの会員40人:決済分17.80ドル。Patreonはプラットフォーム分20ドルで手取り162.20ドル、Ko-fi Standardは10ドルで172.20ドル、Ko-fi Goldは月額12ドルで170.20ドル。
- 月1000ドル、5ドルの会員200人:決済分89ドル。Patreonはプラットフォーム分100ドルで手取り811ドル、Ko-fi Standardは50ドルで861ドル、Ko-fi Goldは月額12ドルで899ドル。
- 月1000ドル、20ドルの会員50人:決済分44ドル。Patreonはプラットフォーム分100ドルで手取り856ドル、Ko-fi Standardは50ドルで906ドル、Ko-fi Goldは月額12ドルで944ドル。
同じ月1000ドルでも、会員200人を50人に置き換えると、各プランの手取りは45ドル増える。1件0.30ドルの固定費を払う回数が150回減るためだ。同じ売上・同じ件数でプランを横に比べた差は、主にプラットフォーム料金から生じる。先の独立試算との差0.25ドルは、この表でPatreonの米国内出金費用を除いた分に当たる。
この違いは、会員数が増えれば必ず不利になるという意味ではない。売上も会員数も増えるなら、まず平均単価を出し、決済費用の固定部分を会員数に掛ける必要がある。プラットフォーム手数料は売上に連動し、固定の決済費用は支払い回数に連動する。二つを分ければ、単価変更による効果とプラン変更による効果を混同せずに済む。
Ko-fi Goldの境目は対象売上240ドル

Ko-fi Goldの案内では、新規加入者の料金は月12ドルで、対象取引のサービス手数料を0%にできる。Standardの5%とGoldの12ドルが等しくなる対象売上は、12÷0.05で月240ドル。月額会員だけを比べ、決済条件も同じなら、240ドル未満ではStandard、超えるとGoldのプラットフォーム分が安い。
この境目そのものは会員数では変わらない。ただし、先の表の月200ドルの例ではStandardのプラットフォーム分が10ドルでGoldより2ドル安く、月1000ドルの例ではGoldがStandardより38ドル安い。決済件数は両プランの総手取りを動かすが、共通の決済料率を置く限り、GoldとStandardの境目を動かさない。
切り替え時には既存会員の扱いも重要だ。Goldに加入する前からStripeで継続しているKo-fiの会員には、従来の5%が残る。また、Gold加入時にStandardの設定が有効なら、サービス手数料を外すには別途その設定を切り替える必要がある。すでに会員がいる制作者は、全会員の料金が加入月に一斉に0%になるものとして計算できない。
単発支援が中心なら無料プランが強い

対価として会員限定コンテンツを渡さず、単発支援を受けることが中心なら、Ko-fiの無料プランはサービス手数料0%を生かせる。仮に5ドルの単発支援が200件、売上が月1000ドルで、前の表と同じ決済分89ドルを置くと、無料プランの手取りは911ドル、Standardは861ドル、Goldは899ドルとなる。Goldの固定料金を払っても、この条件の単発支援だけでは無料プランの手取りを超えない。
一方、無料プランではStandardの支援者限定コンテンツを使えない。会員向け投稿を収入の中心に据えるなら、単発支援の0%だけを見て選ぶのは適切ではない。Ko-fiでは「月ごとの支援」と「一度だけの支援」も手数料上は別の扱いなので、支援者がどの形で払うかを分けて集計する必要がある。
単発支援と月額会員を混ぜた場合、無料プランとGoldの境目を決めるのは、無料プランで5%がかかる売上だ。たとえば月1000ドルの内訳が月額会員200ドル、単発支援800ドルなら、無料プランのサービス手数料は会員分の10ドルにとどまり、Goldの12ドルを下回る。逆に会員収入が600ドルなら、その分の5%は30ドルとなり、Goldの固定料金が安い。どちらも決済費用は別に足す。
Patreonの単発購入はデジタル商品や投稿などの販売として扱われ、標準プランでは会員支払いと同様にプラットフォーム手数料と決済手数料の対象になる。購入の対価を伴わないKo-fiの単発支援と、支払いが一度きりという理由だけで同じ商品として比較はできない。
日本で受け取る金額は決済と為替で変わる
米国ドルの表は料金体系の差を示すもので、日本の制作者が受け取る円額の予測ではない。Stripeの日本向け標準料金では、カード決済は成功1件当たり3.6%で、通貨換算が必要な場合は2%が加わる。ただし、この標準料金をKo-fiで使う個々のStripe口座やPayPal払い、Patreonの決済に一律で当てはめることはできない。
支援者が払う通貨、制作者の受取通貨、カードとPayPalの割合が変われば、決済費用と換算費用も変わる。Patreonでは支払通貨と受取通貨が異なる場合の換算費用に加え、出金方法に応じた費用が生じうる。Ko-fiでは支払いが制作者のPayPalまたはStripe口座へ直接入るため、その口座の契約条件が円での着金額に影響する。
税の扱いも居住地や取引内容によって異なるため、試算には一定率を差し引いていない。会員収入を主軸にするなら、手数料の対象売上とGoldの固定料金を比べる。単発支援が主軸なら、無料プランで0%になる支払いを会員収入から分ける。そのうえで実際の決済費用、為替、出金費用を加えると、米国の差額を日本での手取りと取り違えずに選べる。
関連記事:
関連記事
ニュースレターを購読
Web3、AI、暗号資産の最新ニュースを受信箱にお届けします。




