
beehiivかSubstackか、月額固定と売上10%の損益分岐を出す

月10ドルの有料ニュースレターで読者が50人なら、Substackの料金案内にある売上10%の取り分は月50ドルとなる。同案内には継続請求にかかるStripe Billingの0.7%と、任意の独自ドメインを使う際の初回50ドルも示されている。一方、beehiivの料金解説にある登録者総数1,000人までのLiteは、月払い59ドル、年払いなら月換算49ドルだ。月払いで比べれば、この規模ではSubstackが9ドル安い。
同じ会費でも有料読者が200人、500人へ増えると、Substackのプラットフォーム費用はそれぞれ月200ドル、500ドルになる。beehiiv Liteが最初の登録者数階層に収まるなら月払いの59ドルは変わらず、差は141ドル、441ドルへ広がる。したがって、月払い同士の損益分岐は月間有料売上590ドル、会費10ドルなら有料読者59人だ。ただし、この計算は決済費用を除き、beehiivの無料読者を含む登録者総数が1,000人以内であることを前提とする。
50人、200人、500人でプラットフォーム費用を比べる
以下は全員がウェブ経由で毎月10ドルを払い、割引、年額購読、返金、税を考慮しない条件付きの試算だ。Substackの列には売上の10%だけを、beehiivの列には登録者総数1,000人以内のLite料金だけを入れる。Stripeのカード処理費用や通貨換算費用は別列として後で扱うため、ここに示す差額をそのまま手取りの差とは読めない。
- 有料読者50人:月間売上500ドル。Substackのプラットフォーム費用は50ドル、beehiiv Liteは月払い59ドル、年払いなら月換算49ドル。月払い同士ではSubstackが9ドル安いが、年払いの月換算額ではbeehiivが1ドル安い。
- 有料読者200人:月間売上2,000ドル。Substackのプラットフォーム費用は200ドル、Liteの月払いは59ドル。差額は月141ドルで、年払いの月換算49ドルを使うと151ドルになる。
- 有料読者500人:月間売上5,000ドル。Substackのプラットフォーム費用は500ドル、Liteの月払いは59ドル。差額は月441ドルで、年払いの月換算額との比較では451ドルだ。
年払いの49ドルは、年間契約の費用を月ごとに割り振った数字であり、単月だけ49ドルを払う選択肢ではない。有料読者50人の例では、月換算で得られる差は1ドルにとどまる。収入が安定していない段階では、その小さな差のために年間契約を選ぶかどうかも費用判断に含まれる。一方、有料読者が200人や500人で続くなら、売上に応じて増えるSubstackの取り分と固定月額の差は大きくなる。
この試算でいう「読者」は、会費を払っている人を指す。無料で登録している人を加えて500人という媒体なら、月間売上は5,000ドルにはならない。会費と有料読者数から売上を求め、無料読者も含む登録者総数からbeehiivの料金階層を決める。この二つの人数を混ぜないことが、損益分岐を使うための条件だ。
固定月額が変わるのは登録者総数が増えたとき
beehiivの月額は、有料購読の売上ではなく登録者数の階層に左右される。たとえば有料読者が200人でも、無料読者を含めて800人なら最初の階層で計算できるが、登録者総数がその階層を超えれば59ドルを使い続けることはできない。上位階層に移った場合の損益分岐は、その階層の月額を10%で割り直す必要がある。
有料転換前の無料読者が多い媒体ほど、この違いは選択に響く。Substackのプラットフォーム費用は実際の有料購読売上に連動するのに対し、beehiivでは有料収入が同じでも無料読者の増加によって月額の条件が変わり得る。反対に、有料読者の割合が高く、登録者総数が同じ階層に収まる媒体では、売上が増えてもLiteのプラットフォーム費用はその階層内で一定だ。
月払いの損益分岐を有料読者数で表すと、会費10ドルなら59人で両者のプラットフォーム費用が並ぶ。会費を変えれば境目の人数も変わる。月5ドルなら必要な有料読者は118人、月20ドルなら30人でSubstackの取り分がLiteの59ドルを上回る計算だ。判断の基準は読者数だけではなく、実際に毎月発生する有料購読売上と、その時点で適用されるbeehiivの料金階層である。
独自ドメインとメール自動化は別の列に置く
独自ドメインを使う場合、Substackには先述の初回設定費用がある。これは毎月の売上10%とは性質が違うため、継続的なプラットフォーム費用に毎月足し続けるべきではない。ドメイン名そのものの取得と更新にかかる費用も、両サービスの利用料とは分けて見積もる必要がある。
beehiivでは独自ドメインの案内が、有料プランでウェブ用、送信メール用、メール内リンク用のドメインを設定できるとしている。これらは一つの媒体に異なる用途を持たせる設定であり、ドメイン名の取得費用がLiteの月額に含まれるという意味ではない。独自ドメインを重視するなら、Substackの初回費用とbeehiivの必要プランを比べたうえで、どちらにも取得・更新費用を別に置くと継続費用が見える。
メール自動化も月額の差に見合うかを左右する。beehiiv LiteにはAutomationsが含まれ、登録後の歓迎メールや読者への再接触などを配信の流れに組み込める。こうした配信を運営上必要とするなら、単純な手数料差だけでSubstackを選ぶと、後で別の仕組みが要る可能性がある。定期的な記事配信と有料購読が中心なら、使わない機能を価値として上乗せせず、購読売上と固定月額を軸に比べる方が明快だ。
決済費用を入れても、同じ数字を両者に当てはめない
beehiivの有料購読売上に対するプラットフォーム手数料が0%でも、決済が無料になるわけではない。Substackでも売上10%とは別にカード処理と継続請求の費用が生じる。したがって、50人、200人、500人の比較はまずプラットフォーム費用の列として保ち、決済後の受取額を求める段階でStripeの費用を加える必要がある。
日本で登録したStripe口座の参考値として、Stripe日本向け標準料金はカード決済成功ごとに3.6%、通貨換算が必要な場合に追加2%を示している。ただし、これを両サービスのすべての購読決済に一律に当てはめることはできない。口座の登録国、カードや他の決済手段、請求通貨、換算の有無によって条件が異なり、Substackには継続請求の費用もある。
たとえば月10ドルの会費を払う読者が200人いても、全員が同じ方法で同じ通貨を使って決済するとは限らない。年額購読や返金が混ざる月には、その月の入金と「有料読者数×月額会費」も一致しない。プラットフォーム費用の損益分岐はサービス選択の基準になるが、実際の手取りには決済ごとの費用と請求周期を反映させる必要がある。
日本の読者に示す会費は通貨条件でも変わる
月10ドル相当という条件は、両サービスを同じ会費で比べるための仮定だ。beehiivの有料購読設定案内に列挙された会費通貨には米ドル、ユーロ、英ポンドなどがあるが、日本円は含まれていない。ドル建ての会費を日本の読者に提示すると、読者が負担する円換算額は為替によって動く。数ドルのプラットフォーム費用差と、読者に見える会費の安定性は別の論点だ。
Substackでは読者向け決済の案内が、地域別価格を有効にした媒体では日本の読者に日本円の価格を表示できるとしている。これはドル建て価格を全媒体で自動的に円表示するという意味ではなく、発行者側の設定に依存する。価格表示に使う通貨と、発行者の口座へ入金される通貨も分けて考えたい。
日本向けの媒体では、まず読者に提示したい会費を決め、その金額を希望する通貨で設定・表示できるかを見る。次に入金通貨と換算の有無を確認し、決済費用を加える。この順なら、ドル建ての簡易試算を、実際の購読画面と受取額に近づけられる。
どちらの料金構造が合うか
有料読者がまだ少なく、月間売上が損益分岐に届かないなら、売上に応じて費用が発生するSubstackの方がプラットフォーム費用を抑えやすい。会費10ドルで有料読者50人という条件では、月払いのLiteとの差は9ドルだ。年払いの月換算額では結果が逆転するが、その差は1ドルであり、年間契約を選ぶ判断まで含めて比べる必要がある。
有料読者が増え、無料読者を含む登録者総数が想定したLiteの階層に収まるなら、beehiivの固定月額と売上手数料0%が効く。月10ドルの会費で200人、500人が継続して支払う条件では、プラットフォーム費用の差は小さくない。独自ドメインの初回・更新費用、自動化の必要性、決済費用、読者に示す通貨をそれぞれ分けて見ると、料金の逆転がそのまま運営上の選択にも当てはまるかを判断できる。
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