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EUはChatGPTを「検索エンジン」に指定、4カ月で追加義務

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 7
EUはChatGPTを「検索エンジン」に指定、4カ月で追加義務

欧州委員会は2026年8月31日、ChatGPTをデジタルサービス法(DSA)上の超大規模オンライン検索エンジン(VLOSE)に指定した。同じ決定でRedditとRobloxは超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)となり、各サービスには通知から4カ月以内に追加義務へ対応する期間が与えられた。

8月31日の指定で確定したのは、ChatGPTの法的区分がVLOSEであること、3サービスがEU域内で月間平均利用者4500万人以上と申告したこと、追加義務が体系的リスクの評価・軽減に及ぶことだ。欧州委員会の指定発表 は、違法コンテンツ、未成年者への悪影響、心身の健康、基本権、選挙過程、公衆安全を対象リスクとして挙げている。

「検索エンジン」指定は何を意味するのか

ChatGPT Searchの情報検索と結果提示がDSA上の検索エンジン機能として審査される流れ

今回の決定は、ChatGPTをVLOPではなくVLOSEに分類した。生成AIという技術一般を新たに検索エンジンと定義した決定ではなく、ChatGPTが情報を探して利用者へ提示するサービスとして、DSAのオンライン検索エンジン区分に置かれたという意味である。

TechRadarの9月1日付報道 は、欧州委員会がChatGPTのウェブ検索機能を検索市場の一部として扱ったと説明し、追加要件への対応時期を2027年1月としている。ただし、欧州委員会の公開発表が法的な指定対象として記している名称は「ChatGPT」であり、特定の検索ボタンや画面だけに対象を限定する記述はない。

したがって、「ChatGPT全体が生成AIではなくなった」と読むのも、「明示的に検索を選んだ操作だけが対象」と断定するのも正確ではない。現段階で確認できるのは、ChatGPTが提供する検索サービスとしての性質を根拠にVLOSEへ指定されたことまでで、具体的な機能境界は今後の監督実務や事業者向け文書で明確になる可能性がある。

基準は4500万人、期限表記には食い違い

2026年8月31日の指定通知から4カ月の対応期間とEU月間利用者4500万人基準

VLOSEとVLOPの指定基準は、EU域内の月間平均利用者4500万人以上である。45万人ではない。欧州委員会は、ChatGPT、Reddit、Robloxがそれぞれ4500万人以上に達したと申告したため、指定要件を満たしたとしている。

公表された時系列は次のように整理できる。

  • 2026年8月31日:欧州委員会がChatGPT、Reddit、Robloxの指定を公表。
  • 指定の通知後4カ月:VLOSE・VLOP向け追加義務への対応期間。
  • 2027年1月まで:確認時点の欧州委員会英語版発表とTechRadarが示す対応時期。

期限の月については公開ページ間に食い違いがある。EL PAÍSの8月31日付報道 は「11月末まで」と記す一方、欧州委員会の英語版発表は「4カ月、すなわち2027年1月まで」としている。本稿では期間そのものを「通知から4カ月」とし、月を示す場合は一次資料の英語版に従うが、個別の満了日は公開発表だけでは確定できない。

ChatGPTのVLOSEとReddit・RobloxのVLOPの違い

ChatGPTのVLOSE指定とReddit・RobloxのVLOP指定の機能別比較

三つのサービスは同じ利用者規模の基準を超え、同じ強化監督層に入ったが、分類はサービスの機能によって分かれた。

  • ChatGPT—VLOSE:利用者の問い合わせに応じて情報を検索し、結果を提示するオンライン検索エンジンとして指定。
  • Reddit—VLOP:利用者の投稿を保存し、他の利用者へ届けるオンラインプラットフォームとして指定。
  • Roblox—VLOP:利用者や開発者が提供するコンテンツや体験を仲介するオンラインプラットフォームとして指定。

VLOSEとVLOPは、前者がオンライン検索エンジン、後者がオンラインプラットフォームというサービス類型の違いを表す。一方だけが軽い規制を受けるという序列ではない。いずれも大規模な到達範囲を理由に、サービスやアルゴリズムシステムが社会へ及ぼす影響について追加の説明責任を負う。

今回の決定から、ChatGPTの投稿保存機能やカスタム機能までVLOPに指定されたとはいえない。逆に、RedditやRobloxが検索機能を備えていても、今回付与された法的ラベルはVLOPである。製品名ではなく、決定書が指定したサービス類型を区別する必要がある。

4カ月後に加わる義務と監督

追加義務の中心は、サービスと関連するアルゴリズムシステムから生じる体系的リスクの評価と軽減である。違法コンテンツの拡散だけでなく、未成年者、利用者の心身の健康、基本権、選挙過程、公衆安全への悪影響も評価対象に含まれる。

ChatGPTでは、検索結果や回答を通じてどの情報が提示されるか、その仕組みがリスクを増幅し得るかが監督上の論点になり得る。ただし、欧州委員会は今回の短い発表で、OpenAIが採用すべき個別の評価方法や具体的な製品変更までは示していない。

欧州委員会はVLOSE・VLOPの体系的義務を中心に監督し、必要に応じてサービスの機能や関連システムを調査できる。加盟国のデジタルサービス調整機関も執行に関与するため、OpenAIにとっては一般的なDSA対応とは別に、大規模サービス向けのリスク管理と検証可能な説明を整えることが焦点となる。

AI Actとは置き換え関係にない

今回の指定はDSAに基づくサービス分類であり、EU AI Actに基づくAIシステムや汎用AIモデルの分類を決めたものではない。DSAは検索・仲介サービスを通じた情報流通と体系的リスクを扱い、AI ActはAIシステムやモデルに対する別の要件を定める。

同じChatGPTに両制度が関係し得ても、VLOSE指定によってAI Act上の位置付けが消えるわけではない。日本の政策・ガバナンス担当者が今回の決定を整理する際も、生成モデル、対話型サービス、ウェブ検索機能を同一の規制項目として扱わず、どの制度がどの機能と事業者責任を対象にしているかを分けて見る必要がある。

現時点で未公表なのは、指定対象となる機能の詳細な境界、OpenAIが採用するリスク評価・軽減策、追加義務への適合を示す具体的な資料である。次の焦点は、通知から4カ月の期限に向けてOpenAIが示す対応と、欧州委員会が監督過程で指定範囲をどう具体化するかに移る。

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