GMOあおぞらか住信SBIか、振込単価と無料回数で選ぶ

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
GMOあおぞらか住信SBIか、振込単価と無料回数で選ぶ

GMOあおぞらネット銀行と旧・住信SBIネット銀行の法人口座は、通常の他行宛て個別振込ならどちらも1件100円だ。GMOあおぞらネット銀行の振込料金案内は100円を示し、現在のドコモSMTBネット銀行の法人向け手数料表も個別振込を100円、総合振込を145円としている。

創業期に無料回数を使って個別振込をするなら、GMOあおぞらネット銀行が費用面で有利になりやすい。一方、優遇が終われば個別振込の通常単価は同じで、総合振込を続けるならGMOあおぞらネット銀行のほうが安い。口座選びでは、月間件数に加えて、支払いを個別振込、一括振込、総合振込のどれで処理するかを先に決める必要がある。

通常料金と有料会員をどう比べるか

GMOあおぞらネット銀行の「振込料金とくとく会員」は月額500円で、他行宛て振込の単価が通常の100円から99円になる。差は1件当たり1円なので、振込手数料の節約だけで会費を超えるには、無料枠を使わない有料振込が月501件以上必要だ。月5件、30件、100件という規模では、振込料金だけを理由に加入する計算にはならない。

たとえば月100件をすべて有料で12カ月送ると、通常料金は年12万円。有料会員は振込分が11万8800円でも、会費の年6000円を足すと12万4800円になる。ただし会員にはATM出金など別の優遇もあるため、現金の出し入れが多い会社は、その費用を含めて判断が変わる。以下の振込試算は、会員料金やポイントを入れず、他行宛ての支払いだけを対象にする。

通常単価が並んだことで、無料枠を使い終えた後の個別振込には、件数が増えるほど広がる料金差はない。取引先への支払いが少ない会社ほど、単価よりも開設後の無料期間や入金管理の使い方が判断材料になる。逆に大量の支払いを総合振込にまとめる会社は、個別振込の単価をそのまま予算に当てはめられない。

開設直後の無料回数は両行で期間が違う

GMOあおぞらネット銀行の無料振込回数が、対象となる開設直後の月100回から設立初年の月20回へ変わる条件

GMOあおぞらネット銀行の新規法人口座向けキャンペーンは、2026年8月17日から11月30日までに申込と開設を完了した法人を対象に、開設時期に応じた最大3カ月間、他行宛て振込を月100回まで無料にする。設立1年未満の法人は、その後も設立月から12カ月間の対象期間内なら月20回まで無料だ。月100回の枠が開設後の1年間続くわけではない。

無料回数は振込時に「利用する」を選ぶ必要があり、余りを翌月へ繰り越せない。提携サービス口座はキャンペーン対象外で、総合振込と給与・賞与振込にも無料枠は適用されない。設立月から数えて優遇期間を定めるため、設立後しばらくして口座を開いた会社は、月20回の枠を開設後に使える月数が短くなる。

ドコモSMTBネット銀行にも開設直後の優遇がある。同行の新規口座開設特典では、開設月と翌月の振込手数料が月10回まで無料になる。月5件の会社なら対象月の個別振込を無料枠に収められるが、月30件なら各月20件、月100件なら各月90件は通常料金で計算する。GMOあおぞらの設立初年向け優遇と同じ長さの特典として扱うと、初年度の比較を誤る。

月5件・30件・100件の年間費用

次は、毎月同じ件数を12カ月、すべて他行宛ての個別振込で送る条件付きの試算だ。両行の「通常」は無料回数を使わず、1件100円で計算した。開設直後の列では、GMOあおぞらは設立月に口座を開き、最初の3カ月に月100回、その後の9カ月に月20回の枠を使えると仮定する。ドコモSMTBは開設月と翌月に月10回の枠を使う。

  • 月5件:通常料金は両行とも年6000円。開設直後の優遇を使うと、GMOあおぞらは年0円、ドコモSMTBは年5000円。
  • 月30件:通常料金は両行とも年3万6000円。優遇を使うと、GMOあおぞらは年9000円、ドコモSMTBは年3万4000円。
  • 月100件:通常料金は両行とも年12万円。優遇を使うと、GMOあおぞらは年7万2000円、ドコモSMTBは年11万8000円。

この差は、無料枠を所定の月にすべて使える場合の差だ。月30件のGMOあおぞらは、最初の3カ月が無料で、その後は月10件に100円がかかるため年9000円になる。月100件なら後半9カ月は月80件が有料となり、年7万2000円だ。対象となる開設時期から外れたり、設立から開設まで時間が空いたりすれば、同じ金額にはならない。

また、無料枠は各月の利用分であり、支払いの少ない月の残りを繁忙月へ移せない。月平均が同じでも、特定の月に外注費や仕入代金の振込が集中する会社は、月ごとの件数で計算したほうが実態に近い。優遇が終了した後は、両行とも通常の個別振込なら月5件で月500円、30件で月3000円、100件で月1万円となる。

一括振込と総合振込で結論が変わる

総合振込の他行宛て料金を、GMOあおぞらネット銀行の100円とドコモSMTBネット銀行の145円で比較

まとめて支払う方法にも違いがある。GMOあおぞらネット銀行は、ファイルを使う一括振込を1回最大999件、総合振込を最大9999件としている。複数の振込を一度の操作で依頼したいだけなら、一括振込で足りる可能性がある。大量の支払データをまとめて扱う総合振込が必要かどうかは、件数だけでなく、会計ソフトから出すデータや承認の流れにも左右される。

総合振込を選ぶ場合、GMOあおぞらネット銀行の他行宛て料金は1件100円、ドコモSMTBネット銀行は1件145円だ。両行とも総合振込の初期登録料と月額基本料金は無料なので、この条件では振込件数がそのまま差額を決める。月5件を12カ月続ければ年6000円対8700円、月30件なら3万6000円対5万2200円、月100件なら12万円対17万4000円となる。

月100件の総合振込では年間5万4000円の差になる。一方、GMOあおぞらの開設直後に付く無料回数は総合振込には使えないため、個別振込の試算にある年7万2000円を総合振込の予算に転用してはいけない。総合振込で必要な支払処理と、無料枠を使える振込方法を分けて考えることが、費用差を正しく見る条件になる。

開設手続きと入金・融資機能をどう位置づけるか

口座開設では、申込日と開設完了日を分けて考えたい。GMOあおぞらのキャンペーンは期間内に両方を終えることが条件で、書類の不備や審査にかかる時間も無料期間の開始に影響する。ドコモSMTBの無料枠は口座開設月と翌月に限られるため、開設直後に支払いがほとんどなければ、使わずに終わる回数が出る。

取引先別に入金を照合する会社は、送金費用だけでなく、入金専用口座や明細の扱いが必要な業務に合うかを見ることになる。融資を重視する会社も、口座を開いた時点で借入条件が確定するわけではない。振込費用は件数から計算できるが、入金管理や融資の価値は、取引の形と利用条件によって変わるため、同じ年間手数料の表に単純には足せない。

起業支援会社による法人口座比較には、GMOあおぞらの通常振込が130円、会員料金が121円という改定前の数字が残る。料金を比べる際は、現在の個別振込が両行とも100円であることを基準にし、創業期の無料回数と総合振込の145円という別の条件を混ぜずに判断したい。

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