
ChatworkかLINE WORKSか、250円差より現場の連絡先で選ぶ

年額契約の税抜価格は、LINE WORKSの料金表でスタンダードが1人月450円、Chatworkの料金案内で同700円とされ、差は250円だ。顧客が個人のLINEを使う店舗ならLINE WORKSが有力になる。取引先との案件をすでにChatworkで進めている事務担当者なら、同じ会話に参加できるChatworkを選びやすい。
最初に見たいのは、頻繁に連絡する社外の相手と、スタッフが連絡を受ける場所だ。スマートフォンで動く現場には、既読確認や周知、予定共有まで含めた使い方が合う。一方、PCで案件ごとに会話と作業を整理するなら、取引先が使っているサービスに合わせる効果が大きい。両サービスともスマートフォンで使えるため、端末だけで結論を決める必要はない。
10人・30人・100人で年額はいくら違うか
両サービスのスタンダードを全員が年額契約で使い、契約人数が年間を通じて変わらないと仮定する。先に示した税抜の月額単価に人数と12カ月を掛けると、基本料金は次のようになる。税、追加商品、途中の増員は含めない概算だ。
- 10人:LINE WORKSは年54,000円、Chatworkは年84,000円。差は年30,000円。
- 30人:LINE WORKSは年162,000円、Chatworkは年252,000円。差は年90,000円。
- 100人:LINE WORKSは年540,000円、Chatworkは年840,000円。差は年300,000円。
この差額は、同じ人数が同じ期間、有料プランを使った場合のものだ。両サービスには無料プランもあるが、機能や管理範囲の条件が異なるため、無料プランを含めた最安構成の比較ではない。事務担当者だけが社外と連絡する組織と、店頭スタッフ全員に業務用アカウントを持たせる組織では、必要な契約数から変わる。
年額契約では、利用中の人数だけでなく保有するライセンス数も費用に関わる。特に人の入れ替わりが多い店舗では、退職者のアカウントを削除すれば直ちに年額費用が減る、と見込まないほうがよい。月額契約の単価も年額契約とは異なるため、短期間の利用予定なら上の年額試算をそのまま当てはめられない。
顧客の個人LINEと話すなら連絡経路が決め手
LINE WORKSのトーク案内には、LINEユーザーとの会話と、社外のLINE WORKSユーザーとの会話が示されている。予約変更や受け取り時刻を顧客の個人LINEでやり取りする店舗なら、顧客にChatworkへの登録を求めずに連絡できる点が強い。反対に、主要な取引先がChatworkのグループで案件を進めているなら、その既存の連絡先に合わせるほうが会話を分散させずに済む。
ここで区別したいのは、個々の担当者が顧客とトークすることと、店舗の問い合わせを複数人で引き継ぐことだ。後者には担当の割り当てや対応履歴の共有が必要になり、LINE WORKSでは問い合わせ管理向けのCXトークが追加商品として案内されている。顧客の個人LINEとつながれることだけを理由に、標準のトークで共同窓口までまかなえると考えると、必要な費用と運用を見落とす。
従業員が自分のLINEアカウントをログインに使う場合も、顧客のLINEと業務上で連絡する場合とは別の話だ。私用LINEの会話がそのままLINE WORKSへ移るわけではない。顧客に示す業務上の連絡先と、担当者が不在のときに誰が応答するかを、利用目的に合わせて決める必要がある。
既読を知りたいのか、作業の完了を知りたいのか
当日の営業時間変更など、相手が連絡を開いたかを把握したい場面では、LINE WORKSの既読・未読メンバーの確認が役立つ。ただし、既読は内容を理解したことや対応を終えたことを意味しない。受け取りの確認だけで足りる連絡と、実際の作業まで必要な依頼は、分けて扱うほうが明確だ。
Chatworkの既読に関するヘルプは、送信したメッセージが読まれたかを確認する機能はなく、確認が必要な場合はリアクションやタスク化を使うと説明している。したがって、開封の有無をすぐに把握したい連絡には、Chatworkでは返答を求める運用が加わる。案件の依頼を期限までに終えたかが重要なら、既読表示の有無より、担当者と完了状態をどう管理するかが判断点になる。
期限付きタスクは両方で扱える
タスク機能の有無だけでChatworkを選ぶ必要はない。Chatworkは会話に加えてタスクと納期を管理できる。LINE WORKSのタスクガイドでも、期限と担当者の指定、トークからのタスク登録、依頼した作業の進行状況の確認が案内されている。LINE WORKSではトークルームのメンバーとタスクを共有し、複数の担当者について全員の完了が必要か、誰かが完了すればよいかも設定できる。
PCで複数の取引先や案件の会話を開き、会話から作業を整理する事務にはChatworkが自然な候補になる。ただし、現場のトークから依頼を起こす使い方もLINE WORKSで可能だ。期限付きタスクが多い組織は、依頼が最初に届く場所と、完了を確認する人の動線で選ぶとよい。単に「タスクがある」という機能表の項目では、両者を分けられない。
掲示板・予定共有と管理機能の範囲
勤務時間が異なるスタッフへ共通の案内を残し、予定も同じサービスで共有したい店舗には、LINE WORKSの掲示板とカレンダーが合う。個別のトークに流す連絡と、後から確認する全員向けの情報を分けられるからだ。Chatworkは社内外のグループ会話、ファイル共有、タスクを中心に使う選択になる。すでに別の予定表を定着させている事務所なら、掲示板やカレンダーの有無だけで連絡手段を変える理由は弱い。
管理面では、両サービスのスタンダードで利用者を管理できる一方、細かな制限は同じ範囲に収まらない。Chatworkで社外ユーザーとのやり取りや利用端末を制限したい場合は、上位プランの機能を見積もる必要がある。LINE WORKSでも、問い合わせの共同対応や長期のトーク保存などは追加商品が関わる。社外連絡をどこまで許すか、退職時に何を引き継ぐかまで決めてから、必要なプランの総額を比べたい。
現場別の選択はこう分かれる
- スマートフォン中心の現場:売り場や訪問先で連絡を受け、既読、周知、予定共有もまとめたいならLINE WORKSが合う。スマートフォン対応だけを理由にChatworkを候補から外す必要はない。
- PC中心の事務:取引先がChatworkを使い、案件ごとの会話からファイルや作業を扱うならChatworkが合う。社外の主要な相手と同じ連絡経路を使えることが理由だ。
- 顧客の個人LINEが窓口:顧客の普段の連絡手段を変えずに話したいならLINE WORKSが有力だ。問い合わせを複数人で引き継ぐ必要があれば、共同対応の費用も含めて考える。
- 期限付きタスクが多い:両方が候補に残る。案件別の会話から事務担当者が依頼を管理するか、現場のトークから担当者へ渡すかで判断する。
選定を左右するのは、最も頻繁に連絡する相手が誰で、その人にどの経路なら届くかだ。必要な連絡経路が決まれば、既読、作業完了、全員への周知に求める機能も絞れる。その条件を満たすプラン同士で、人数に応じた年額を比べるのが筋だ。
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