
Sakana Chatの記憶が見える、My Fishで参照履歴まで確認

Sakana AIは2026年10月15日、Sakana Chatに記憶の内容と参照履歴を見られる新機能「My Fish」を追加し、記憶の可視化を「その最初の一歩」と位置づけた。利用者は覚えられた事実と元の会話を一覧で確認し、記憶が使われた時点や、別の記憶とのつながりもたどれる。
覚えてほしくない情報がある場合、設定からメモリ機能をオフにできる。ただし、利用を止める操作と、保存済みの情報を削除する手続きは分けて考える必要がある。My Fishは、現在何が残り、後の会話でどう参照されたかを確かめる入口になる。
一覧で、覚えた事実と元の会話を確認
「一覧」には、Sakana Chatが会話をまたいで役立つと判断した記憶が集まる。プロフィール、回答の好み、進行中のプロジェクト、関心のある話題などに分類され、利用者についてどんな前提が残っているかを見渡せる。すべての会話をそのまま並べる画面ではなく、継続して使う情報を確認する画面だ。
各メモリには、含まれる事実の数、使われた回数、最後に使われた日時が表示される。項目を開くと個々の事実と、それを学んだ会話を確認でき、元のチャットにも移動できる。短い記憶の文面だけでは意味を判断しにくいとき、発言時の文脈まで戻れる点が重要だ。
たとえば、回答の文体に関する好みが残っているなら、それが今も望む設定か、一時的な依頼だったかを元の会話に照らして判断できる。進行中として覚えられた計画についても、すでに終わっていないかを確認できる。古い事実が残っていることと、実際に最近の回答で使われたことは別なので、利用状況は履歴と合わせて見る。
履歴は「いつ覚え、いつ参照したか」を示す
My Fishの「履歴」では、記憶の読み出しや新しい情報の記録を時系列でたどれる。覚えた記録を開けば、追加された事実の内容も分かる。ある会話の後に何が保存されたかを知りたい場合は履歴、現在残っている内容をまとめて知りたい場合は一覧が適している。
画面上部のヒートマップには、記憶を使った日と新しいことを覚えた日が示される。この表示は画面を切り替えても残るため、活動のあった時期を見ながら個別の内容へ進める。日ごとの動きと個々の記録を組み合わせると、思いがけない情報をいつ覚えたか、後に参照されたかを追いやすい。
参照履歴が示すのは、記憶が読み出され、利用されたという記録だ。回答のどの表現にどれほど影響したかを、履歴の表示だけで測れるわけではない。回答に違和感がある場合は、その時点で使われた記憶の内容と、元の会話で伝えた条件を照らし合わせると判断しやすい。
関連マップで、使われ方の偏りが見える
「つながり」の画面では、中央のMy Fishを囲むように記憶が配置される。中心に近いほど最近使われ、大きいほど使用頻度が高い。位置と大きさを分けて見ることで、最近登場した情報と、長く繰り返し使われている情報を区別できる。
同じ回答で一緒に使われた記憶は線で結ばれる。GIGAZINEの報道は、この結び付きに加え、30日以上使われていない記憶が薄く表示される仕様を伝えた。線は情報同士が同じ回答に現れたこと、薄さは長く使われていないことを示し、内容の正しさを判定する印ではない。
マップ上の項目を選ぶと、含まれる事実、覚えた日時、使われた会話、一緒に使われることの多い記憶を確認できる。関連項目へも移動できるため、単独では気にならない記憶が別の情報と組み合わされていないかをたどれる。中央のMy Fishを選ぶとプロフィールが開く。
長く使われていない項目は、現在も正しいかを見直す候補になる。一方、頻繁に使われる好みやプロフィールは、便利さに直結する場合もあれば、残したくない情報なら優先して対処したい場合もある。マップの見た目だけで決めず、事実の内容と使われた会話を確認する必要がある。
チャット中の表示から記憶へ移れる
通常のチャット画面にも、記憶の動きを知らせる表示が加わった。Sakana Chatが回答を考える際にメモリを参照したり、新しい情報を覚えたりすると、思考プロセス内に小さなチップが現れる。チップを選ぶと、該当するMy Fishの項目が直接開く。
この導線なら、後から履歴の中を探さずに、会話中に示された記憶の内容を確かめられる。新しく覚えたという表示が出たときは、保存された事実をその場で確認できる。回答に古い前提が混じったように感じたときも、表示された項目から元の会話まで戻れる。
My Fishはウェブとモバイルの両方で利用できる。サイドバー下のアカウントから「設定」→「メモリ」→「My Fishでメモリを見る」と進む。モバイルの関連マップでは、項目を選ぶと画面下から詳細が開き、選択した記憶を見える位置に保ったまま別のつながりへ移れる。
覚えてほしくない情報は、停止と削除を分ける
Sakana Chatのメモリ機能は初期設定でオンになっている。今後の会話でメモリを使ってほしくない場合は、設定からオフにできる。ただし、オフにすることは、すでに保存された記憶や元の会話を削除することと同じではない。停止後に何が残るかを考えるには、まずMy Fishに表示されている内容を把握する必要がある。
点検する際は、一覧で現在の事実を見て、気になる項目の元の会話を開く。続いて履歴で覚えた時点と参照された時点を確かめ、関連マップで一緒に使われた情報を見る。この順序なら、古くなった内容、残したくない好み、会話で繰り返し使われる情報を区別できる。
削除について、Sakana Chatの公式FAQは、アカウントに紐づく会話履歴を問い合わせフォームから削除依頼でき、入力内容などをモデルの学習・改善に利用することも設定の「プライバシー」から拒否できると案内している。メモリのオン・オフ、会話履歴の削除、学習利用の拒否は、それぞれ対象が異なる操作だ。
個々のメモリを削除する手順や、会話履歴の削除が記憶にどう反映されるかは、公開された案内だけでは明確でない。保存内容そのものの削除が必要なら、My Fishで対象の記憶と元の会話を特定し、問い合わせ時に扱いを確認することになる。可視化によって利用者は残したくない情報を具体的に示せるようになったが、その後の削除範囲は確認が必要だ。
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