
ランサーズかクラウドワークスか、1万円案件は手取りで差が出る

税込1万円の固定報酬契約では、ランサーズの受注者手数料 16.5%を引いた受取額は8,350円、クラウドワークスの段階料率と利用料への消費税を適用した受取額は7,800円で、差は550円だ。どちらも銀行への振込手数料を引く前の金額である。
同じ税込契約額で比べると、少額案件ではランサーズの受取額が多く、税込20万円でシステム手数料控除後の額が並ぶ。それを超える一つの固定報酬契約ではクラウドワークスが上回る。継続して受注する場合は、仕事の総額だけでなく、個別の契約になるか、一つの契約内で支払いを分けるかが手取りを変える。
比較するのは発注者の総支払額ではなく、税込契約額
試算の条件は、両サービスで受注者と発注者が同じ税込契約額に合意した場合とする。「受取額」は契約額から受注者側のシステム手数料を引いた額を指し、振込手数料は後で別に差し引く。源泉徴収の有無、受注者自身の所得税や住民税も、この金額には反映していない。
ランサーズの16.5%は、税込契約額に掛ける受注者側の手数料率だ。クラウドワークスでは税込契約額を金額帯に分け、10万円以下の部分に20%、10万円超20万円以下の部分に10%、20万円超の部分に5%を掛けたうえで、算出したシステム利用料に消費税を加える。税込1万円なら利用料は2,000円、その消費税は200円で、契約額から差し引く額は2,200円となる。
この条件では、発注者が各サービスへ支払う総額まで同じにはならない。ランサーズには受注者側とは別に、発注者側へ税込契約額の5.5%のシステム手数料がある。したがって、発注者の予算総額を固定して逆算する比較と、受注者が提示された税込契約額から手取りを計算する比較では、出発点が異なる。
ランサーズの手数料改定案内は、2022年10月以降、受注者側の段階料率を一律16.5%へ変更した経緯を示している。以前の料率を前提に「同じ発注者から受注を重ねるとランサーズの受注者手数料が下がる」と計算すると、現在の受取額より多く見積もることになる。発注者向けの継続割引も、受注者側の16.5%が下がる制度ではない。
1万円・10万円・30万円を同じ条件で計算する
以下は固定報酬の一契約を想定し、各金額を税込契約額として計算した例だ。金額帯ごとの手数料とその消費税を含め、銀行への振込手数料を引く前でそろえた。いずれも計算上、円未満の端数は出ない。
- 税込1万円:ランサーズの手数料は1,650円、受取額は8,350円。クラウドワークスの利用料は消費税込みで2,200円、受取額は7,800円。ランサーズが550円多い。
- 税込10万円:ランサーズの手数料は16,500円、受取額は83,500円。クラウドワークスの利用料は消費税込みで22,000円、受取額は78,000円。ランサーズが5,500円多い。
- 税込30万円:ランサーズの手数料は49,500円、受取額は250,500円。クラウドワークスの利用料は消費税込みで38,500円、受取額は261,500円。クラウドワークスが11,000円多い。
税込30万円のクラウドワークス案件では、全額に最低料率の5%を掛けるわけではない。最初の10万円から20,000円、次の10万円から10,000円、残る10万円から5,000円の利用料を計算する。合計35,000円に消費税3,500円を加え、30万円から38,500円を差し引くと261,500円になる。高額案件ほど、この金額帯ごとの計算が結果を左右する。
振込前の逆転点は税込20万円
税込20万円では、ランサーズの手数料は20万円の16.5%に当たる33,000円だ。クラウドワークスは最初の10万円分が20,000円、次の10万円分が10,000円で、利用料30,000円に消費税3,000円を足す。両サービスとも受取額は167,000円となる。
20万円を超えた部分では、ランサーズは引き続き16.5%、クラウドワークスは利用料5%とその消費税を合わせて5.5%相当が増える。そのため、一契約の税込額が20万円を超えるほど、超過分についてはクラウドワークスの受取額が多くなる。ただし、この境目はシステム手数料だけを比べた結果であり、振込先の銀行まで含めた入金額の境目とは限らない。
クラウドワークスのタスク形式は、契約額の大きさによらず利用料率が20%となる。上の高額案件の逆転は、金額帯ごとに料率を適用する固定報酬契約の試算として読む必要がある。同じサービスでも仕事の形式が異なれば、30万円という契約額だけから受取額を決められない。
継続受注は「月の合計額」と「一契約の額」を分ける
同じ発注者から税込10万円の仕事を3回、別々の固定報酬契約として受ける条件を考える。クラウドワークスでは各契約の受取額が78,000円なので、振込前の合計は234,000円となる。一方、同じ税込30万円を一つの契約として合意した条件なら261,500円で、差は27,500円だ。過去の別契約の報酬を足して、後の契約の料率が自動的に下がる計算ではない。
一つの契約内で作業を区切って支払うマイルストーン払いは、別々の契約を重ねる場合と扱いが異なる。システム利用料は各マイルストーンを合計した契約金額を基準に算出されるため、上の例で重要なのは支払いの回数そのものではなく、税込30万円が一契約として成立しているかどうかだ。時間単価制では一週ごとに料率の基準額を計算し、翌週へ繰り越さない扱いもある。月の売上合計をそのまま一件の契約額に置き換えることはできない。
ランサーズはこの試算では一律16.5%なので、税込10万円の契約を3回受けても、税込30万円の一契約でも、振込前の受取額の合計は250,500円となる。契約をまとめたときの差額27,500円は、クラウドワークスの金額帯別料率から生じる。作業内容や期間が違う仕事を、実際には合意していない一契約として計算するものではない。
振込手数料まで引いた入金額
クラウドワークスのワーカー向け利用料ガイドには、報酬の振込手数料が楽天銀行で100円、その他の金融機関で500円と記されている。これは仕事ごとに計算するシステム利用料とは別に、報酬を口座へ振り込む際に発生する費用だ。複数案件の報酬が一度に振り込まれる条件なら、各案件から毎回この額を引く計算にはならない。
ランサーズの報酬出金時の手数料案内では、2026年8月31日振込分から楽天銀行と三井住友銀行が各220円、その他の銀行が550円となっている。楽天銀行は2027年1月29日振込分から550円へ変更される予定だ。銀行別の差を含む入金額は、振込時期もそろえて比べる必要がある。
税込1万円の案件だけを一度に楽天銀行へ振り込む条件なら、ランサーズの入金額は8,130円、クラウドワークスは7,700円で、差は430円となる。三井住友銀行へ振り込む条件では、それぞれ8,130円と7,300円で、差は830円だ。システム手数料だけの差額550円が、そのまま口座への入金差になるわけではない。
税込30万円の案件だけを楽天銀行へ振り込む同じ条件では、ランサーズが250,280円、クラウドワークスが261,400円で、後者が11,120円多い。システム手数料で同額だった税込20万円の案件でも、楽天銀行へ一度に振り込むとランサーズは166,780円、クラウドワークスは166,900円となる。契約額による逆転点と実際の入金差を分けておくと、銀行や出金回数が違う案件も同じ基準で比較できる。
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