
PeatixかEventRegistか、2000円券10枚で差が出る

国内イベントで2,000円券を10枚売る条件では、Peatixの料金案内にある売上の4.9%、1枚99円、振込手数料210円と、EventRegistの主催者向けFAQにある販売手数料8%、振込手数料160円を当てはめると、受取額はPeatixが1万7,820円、EventRegist Basicが1万8,240円となり、後者が420円多い。
無料券だけなら両サービスともチケット販売手数料はかからない。有料券では単価が上がると優劣が入れ替わり、受付に必要な機能が増えると料金表だけでは選べなくなる。まず受取額を同じ条件で比べ、そのうえで申込フォーム、当日のチェックイン、法人向けの申込手続きを見たい。
無料券、2,000円券、5,000円券で受取額はどう変わるか
以下は国内開催のイベントで、各ケースの有料券は同じ価格のものだけを販売するという条件付き試算だ。売上から販売手数料と主催者負担の振込手数料を引き、会場費や有料オプションなどの経費は含めない。無料券のケースは有料券を併売しないものとする。
- 無料券だけ:販売額は0円で、両サービスともチケット販売手数料は0円。振り込むチケット売上もないため、料金差は生じない。申込時に集めたい情報や受付方法が選択の中心になる。
- 2,000円券を10枚:売上2万円に対し、Peatixの決済処理費用は4.9%分の980円と99円×10枚の990円で、計1,970円。振込手数料210円を引いた受取額は1万7,820円となる。EventRegist Basicは販売手数料1,600円と振込手数料160円を引き、1万8,240円を受け取る。
- 5,000円券を100枚:売上50万円に対し、Peatixの決済処理費用は2万4,500円と9,900円で計3万4,400円。振込手数料を引いた受取額は46万5,390円だ。EventRegist Basicは販売手数料4万円と振込手数料250円を引き、45万9,750円となる。この条件ではPeatixが5,640円多い。
少額券ではPeatixの1枚ごとの99円が効き、高単価券では料率の低さが効く。したがって「有料券を何枚売るか」だけでは比較できず、券の単価を一緒に置く必要がある。券種を複数設ける場合は、売上全体に対する料率と、有料券の販売枚数に対する固定額を分けて足せばよい。
逆転を生むのは、料率差と1枚ごとの固定額
Peatixの決済処理費用は「売上×4.9%+有料券の販売枚数×99円」、EventRegist Basicの販売手数料は「売上×8%」と表せる。同額の券を売り、振込手数料をいったん外すと、両者の料率差3.1ポイントが99円に相当する単価は約3,194円だ。これは販売手数料だけの計算上の境目で、実際の受取額には振込手数料も加わる。
2,000円券ならPeatixは1枚につき料率分98円と固定額99円で計197円、EventRegist Basicは160円。販売手数料の差は1枚37円、10枚で370円になる。さらに、このケースでは振込手数料もEventRegist側が50円低いため、受取額の差は420円に広がる。
5,000円券ではPeatixが1枚につき245円と99円で計344円、EventRegist Basicが400円となり、販売手数料の差はPeatix側に1枚56円有利になる。100枚で生じる5,600円の差に、このケースの振込手数料差40円を加えると、受取額の差は5,640円だ。振込手数料は販売枚数に比例しないため、少数販売ほど1枚当たりの負担にも影響する。
EventRegistの振込手数料は振込額が3万円未満なら160円、3万円以上なら250円。Peatixの210円はイベントページ単位の振込にかかる。少額券と高単価券の試算はいずれも振込額の区分が明確だが、境目に近い売上を見込むイベントでは、販売手数料を引いた後の振込額も確認したい。
無料イベントでは受付と申込情報の扱いを見る
会場で入場を確認する基本的な用途なら、Peatixは受付アプリの案内にあるように、チケットのQRコードを読み取ってチェックインできる。EventRegist Basicにも受付用アプリ、参加者の来場履歴、参加者データのCSVダウンロードがある。無料券だけのイベントでは、料金差よりも、受付後に必要な参加者情報を残せるかが実務上の差になる。
Peatixでは、主催者に初めから開示される参加者情報はカナ表記の名前のみで、メールアドレスや会社名などが必要なら申込フォームを設定する。Peatixのフォーム案内では、回答をCSVでダウンロードできる一方、取得した情報はイベント終了から30日後に削除されると説明している。参加者への資料送付や事後の連絡に回答を使うなら、必要な項目を申込時に設け、期限内にデータを保存する運用になる。
EventRegist Basicも通常の申込フォーム、自動送信メール、来場履歴を備える。ただし、標準の申込項目を使うことと、自社固有の設問や個人情報保護方針への同意を組み込むことは別の要件だ。単に会社名を集めたいのか、企業の定める同意文面と管理権限まで必要なのかで、選ぶプランは変わる。
法人向け機能が必要になる境界
EventRegistのプラン別機能表では、Basicは無料で有料券の販売手数料が8%、Basic+はイベント単位で税別10万円に同じ販売手数料が加わる。Basicには申込フォーム、領収書データ、受付用アプリ、CSVダウンロードが含まれる。一方、自社の個人情報保護方針への同意、独自の申込フォーム、共同管理者、来場者トラッキングはBasic+以上の機能だ。
このため、法人主催でも通常の申込受付と入場確認だけなら、EventRegist Basicが候補に残る。自社の同意文面を申込時に必須にしたい、運営担当者ごとに管理権限を分けたい、といった要件があるとBasic+の費用を含めた判断になる。無料イベントでも、上位プランの機能を使えばイベント運営の費用は無料のままとは限らない。
抽選申込、参加者の一括登録、請求書・銀行振込への対応はEventRegist Premiumの領域で、料金は利用機能とサポートにより変わる。Basicに含まれる領収書データの発行と、参加者の請求書払いへの対応は区別したい。企業の経理手続きに合わせた支払い方法が必要なら、受取額の試算だけでなく、必要な機能を含むプランの見積もりが選択を左右する。
Peatixでもフォームを使えば申込時に会社名や連絡先を尋ねられるため、情報を集めるだけでEventRegistの上位プランが必要になるわけではない。選択の分かれ目は、少額券では1枚99円が受取額に与える影響、高単価券では料率差、法人イベントでは同意取得や請求書払いなどの運営要件にある。
関連記事:
関連記事
ニュースレターを購読
Web3、AI、暗号資産の最新ニュースを受信箱にお届けします。




