
NottaかTurboScribeか、日本語2分の実測で4.09ポイント差

動画AIベンチの同一音声テストでは、約2分11秒の日本語音声に対するContent文字精度がNottaで99.87%、TurboScribeで95.78%となり、差は4.09ポイントだった。比較的聞き取りやすい短い1人話者の音声で文字の正確さを優先するなら、この実測ではNottaが有力だ。
一方、無料で数十分の録音を分割せずに文字起こししたいなら、TurboScribeの利用条件が合いやすい。どちらを選ぶかは精度の順位だけでは決まらない。録音1本の長さ、処理する日ごとの本数、年払い時の支払額と通貨を分けて見る必要がある。
実測の精度差が示す範囲
テストで使われたのは、同じ音声ファイルから得た両サービスの無料プランの初回出力だ。TurboScribeは日本語のWhaleモードを使い、話者認識、翻訳、音声復元をオフにしていた。録音は1人話者で比較的聞き取りやすく、雑音の多い取材や発話が重なる会議、長時間の講演で同じ差が出るという測定結果はない。
Content文字精度は、発話の意味が同じなら表記の違いを正規化してから比べる指標だ。動画AIベンチの採点基準によると、文字面の違いをより厳しく数えるStrict文字精度はNottaが98.63%、TurboScribeが92.30%。固有名詞・実体はNottaが7項目中7項目、TurboScribeが7項目中6項目を拾い、数値は両方とも7項目中7項目を拾った。
この採点では、たとえば容量の単位を略しても内容が同じならContentでは同等に扱う。一方、発話をそのまま字幕にしたい場合には、表記や語の省略がStrictの評価に残る。全文の割合が高くても、商品名や価格を含む音声では、固有名詞と数値を別に見る理由がある。
採点用の正解原稿は、各サービスの出力が一致した部分を土台にし、差が大きい箇所を人が原音で確認して作られた。全文を独立に逐語書き起こした原稿との比較ではない。処理速度と、人が完成稿へ直すまでの時間も同条件では測られていないため、この精度差を作業時間の差へ置き換えることはできない。
無料で使える長さと本数

Nottaの日本向け料金表では、無料プランの文字起こしは月120分、1回につき3分まで、ファイルの取り込みは月50個までだ。合計時間が月の枠内でも、長い録音をそのまま処理したいときには1回の上限が先に問題になる。短い音声を複数回扱う用途とは、無料枠の使い勝手が異なる。
TurboScribeの公式価格設定では、無料で文字起こしできるのは1日3ファイルまで、各ファイルは最大30分だ。こちらは月間分数よりも、録音の長さと処理する日への集中が判断材料になる。取材音声を別の日に少しずつ処理する場合と、同じ日にまとめて処理する場合では、同じ月間本数でも無料枠への収まり方が変わる。
無料枠の違いは、精度テストの結果と混同しないほうがよい。短い同一音声の文字精度ではNottaが上回ったが、その結果だけで長いファイルの出力品質は判断できない。数十分の録音を日常的に扱う人にとっては、文字を直す手間と、録音を分割する手間の両方が選択に関わる。
年払い料金と長尺ファイルの上限

Nottaのプレミアムは月1,800分まで、1回につき5時間まで、ファイル取り込みは月100個まで。日本向けの年間プランは税込で月換算1,185円と表示され、支払いは12カ月分の14,220円を一括で行う。月換算額は、必要な月だけ契約して支払う金額ではない。
TurboScribeの有料プランは文字起こし回数が無制限で、1ファイルの上限は10時間または5GB。年間プランは月換算10ドル、年間請求額は120ドルと表示されている。長尺ファイルを分割せずに扱う場合は、この1ファイル上限がNottaとの違いになる。ただし、ここで比較できるのは受け付ける長さであり、長尺の日本語音声を同条件で採点した精度ではない。
年払いの金額を比較するときは、支払通貨も残して考えたい。Nottaの表示額は税込の円価格だが、TurboScribeの価格表示はドル建てだ。為替や決済時の税額を仮定せずに、120ドルを確定した円額へ換算することはできない。国内で予算を円額として決めたい場合、この違いは月換算の数字そのものと同じくらい重要だ。
月間本数と録音時間で見る料金試算
以下は、2026年10月29日に確認した両社の掲載価格と利用上限による計算だ。いずれも1人が毎月同じ量を使い、音声ファイルを分割せず、有料版が必要な場合は年間プランを選ぶ条件とした。Nottaは税込円、TurboScribeは掲載どおりのドルで示し、ドル決済の税額と円換算額は含めない。
- 短い音声を月20本:各2分、合計40分。TurboScribeでは1日3本以内に分けて処理すると仮定する。Nottaは1回・月間時間・取り込み個数の無料枠に収まり、支払額は0円。TurboScribeも1ファイルと日ごとの無料枠に収まり、支払額は0ドル。今回の実測に近い音声なら、料金より文字精度を選択の中心に置ける。
- 取材音声を月4本:各20分、合計80分を別の日に1本ずつ処理すると仮定する。Nottaは合計時間が無料枠内でも1回の上限を超えるため、分割しない条件ではプレミアムが必要で、年14,220円の一括払いとなる。TurboScribeは各ファイルと日ごとの無料枠に収まり、支払額は0ドルだ。
- 長い録音を月1本:6時間のファイルを分割せずに処理すると仮定する。Nottaはプレミアムでも1回の上限を超える。TurboScribeの無料枠にも収まらないが、有料プランの1ファイル上限内なので、必要な支払額は年120ドルとなる。容量についても上限があるため、実ファイルのサイズは別に確認する必要がある。
これは使った分数に比例する従量課金の試算ではなく、各条件で必要になるプランの支払額だ。中程度の利用量でも、Nottaでは月間分数より1回の長さが先に有料化を決める場合がある。TurboScribeでは、無料で扱える長さに余裕があっても、同じ日に投入するファイル数によって結果が変わる。
どちらを選ぶか
短く明瞭な1人話者の日本語音声が中心なら、今回の同一音声テストでContent文字精度が高かったNottaを先に試す理由がある。数十分の録音を無料で分割せずに扱いたいならTurboScribeが合いやすい。さらに長いファイルを有料で扱う場合は、1ファイルの上限と容量を確認したうえで、年額を支払う通貨まで含めて比べたい。
実際の録音に雑音、複数話者、専門用語が多い場合は、その一部を両方の無料枠で処理し、固有名詞と数値を原音に照らして選ぶのが妥当だ。短尺の実測値では見えない修正の負担を、自分が扱う音声で確かめられる。
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