
Eight TeamかSansanか、30人未満でも名刺の帰属が決め手

提供元の運用比較が示すように、各人のEightで共有名刺を選ぶならEight Team、全社員の名刺や営業上の接点を会社に蓄積するならSansanが合う。判断の中心は社員数よりも、担当者が替わった後に会社がどの情報を使い続けたいかにある。
公式比較表はEight Teamを30人未満での利用に推奨し、基本使用料を月額19,800円、アカウント料を10人まで無料、11人目以降は1人当たり月額500円としている。これは利用人数の上限ではない。少人数でも部署を越えた接点管理が必要ならSansanを検討する理由があり、会社が大きくても特定チームだけで名刺を共有するならEight Teamが候補になる。
個人の名刺を共有するか、会社の接点として蓄積するか
Eight Teamは、社員が個人のEightアカウントに登録した名刺から共有対象を選ぶ仕組みだ。私的な人脈と仕事で使う連絡先を分けたい場合に扱いやすい一方、登録しただけではチームの誰もがその名刺を見られるわけではない。仕事で得た名刺を後任も必要とするなら、本人が共有する基準を決めておく必要がある。
ここでいう「帰属」は、紙の名刺の法的な所有権を判定する意味ではない。データを登録し、共有するかどうかを日々決める起点の違いだ。Eight Teamでは個人のアカウントがその起点になり、Sansanでは全社員の名刺や営業情報を組織で蓄積する方針が起点になる。この違いが、検索できる範囲や引き継ぎ方にも及ぶ。
たとえば同じ取引先と営業担当、経営陣、管理部門が別々に接しているとする。互いの名刺を探せれば十分なら、必要な名刺を共有するチーム運用で足りる。相手企業とのやりとりを部署を越えて残し、担当変更後も営業に使うなら、名刺以外の接点情報まで集める運用が目的に近い。
共有範囲はメンバー数と登録ルールの組み合わせ
Eight Teamでは、誰をチームに招くかだけで共有範囲は決まらない。各人がどの名刺を共有に設定するかも必要な条件だ。展示会で交換した名刺は共有し、個人的なつながりは共有しないといった基準を設ければ、チームが必要とする連絡先を探しやすくなる。反対に、業務上重要な名刺が非共有のままなら、メンバーを増やしてもチームでは見つけられない。
Sansanを使う場合も、全社に情報を蓄積する方針と、社員が何を閲覧・利用できるかは分けて考えたい。営業部だけで顧客情報を使うのか、経営陣や別拠点も同じ接点を参照するのかで、必要な権限設計は変わる。社員が少なくても複数の部署で同じ顧客を担当するなら、単純な名刺共有だけで引き継げるかを見極める必要がある。
共有範囲を考えるときは、登録した社員が不在の日に、別の担当者が顧客を見つけられるかが具体的な目安になる。Eight Teamではその名刺が共有済みか、Sansanでは必要な人が接点情報を参照できるかが問われる。検索機能だけでなく、登録と権限のルールが結果を左右する。
退職時に残る名刺はアーカイブの条件で変わる

Eight Teamでメンバーの解除後も共有名刺を残すには、名刺アーカイブ機能の契約条件を確認したい。公式のアーカイブ案内では、このオプションは1契約当たり月額5,000円(税抜)の年間契約で、基本使用料とアカウント料に加算される。契約後に名刺共有メンバーを解除すると、共有設定され、データ化が済んだ名刺がアーカイブに残る。
非共有の名刺は対象外だ。オプション契約前に解除したメンバーの名刺も残らず、チームからの解除前または同時に本人がEightを退会した場合もアーカイブは作成されない。一方、チームから解除した後に本人がEightを退会した場合は、作成済みのアーカイブが残る。退職手続きでは、共有設定とデータ化の完了に加え、チーム解除とEight退会の順序が実務上の条件になる。
アーカイブ名刺は検索・閲覧でき、ダウンロードしたCSVにも反映される。ただし閲覧できるのはPC版Eightで、共有名刺に付けたタグは引き継がれない。後任が顧客を探す際にタグを手がかりにしているなら、名刺が残るだけでは従来の探し方を維持できない。
Sansanを検討する場合は、会社に蓄積した接点を後任がどの権限で参照し、担当者とのやりとりをどう引き継ぐかが焦点になる。どちらを選ぶ場合も、退職者のアカウントを止める手順だけでなく、後任に必要な情報の範囲を先に定めると比較しやすい。
CRM連携は接続先より更新する情報で比べる
Eight TeamにはHubSpotとkintoneへの個別連携があり、共有名刺の情報を既存の顧客管理に利用できる。ただし、個別に用意された連携と汎用のAPI連携は同じ条件ではない。連絡先を登録・更新できれば十分なのか、別のシステムにも接点データを渡したいのかによって、この差の重みが変わる。
Sansanの機能一覧では、取り込んだ名刺を全社の接点データベースに蓄積し、メール、電話、商談時のやりとりを企業や人物にひも付ける構成が示されている。Salesforce連携とAPI連携も挙げられている。名刺をCRMへ送ることが主目的なのか、顧客との接触履歴まで継続して使うのかを分けると、必要な仕組みが見えやすい。
連携を比べる際は、名刺を撮影した後にどの情報が同期されるか、更新には人の操作が要るか、重複した連絡先をどちらのシステムで整理するかを確かめたい。接続先の名前が同じでも、共有名刺をコンタクトに反映する運用と、全社の接点履歴を営業データとして利用する運用では、扱う情報が違う。必要な連携の利用条件や費用は見積もりで確認する。
10人、30人、100人で変わる運用と費用

仮に10人全員がEight Teamを使うなら、先に示した料金表に基づく基本使用料とアカウント料の合計は月額19,800円になる。同じ計算を30人全員に当てはめると月額29,800円、100人全員なら月額64,800円だ。いずれも人数だけを使った計算で、名刺アーカイブなどのオプション料は含めていない。Sansanは課題に応じたプランの提案方式なので、この金額だけで両者の総費用は比べられない。
10人規模なら、各人が必要な名刺を選んで共有する運用を続けられるかが先に問われる。30人規模では、営業以外の部署も同じ取引先に接するか、担当変更がどれほど生じるかで全社管理の必要性が変わる。仮に社員が100人いても名刺を共有するのが特定チームだけならEight Teamを検討できるが、全社員の接点を残したいなら個人ごとの共有設定を前提にする理由を考えたい。
口コミの数値も、製品の範囲をそろえて読む必要がある。ビジネスコンシェルジュの比較ではSansanの評価が4.2、個人向けEightが4.3と表示されているが、後者はEight Teamの評価ではない。この点差から、チーム共有や退職時のデータ管理の優劣は判断できない。
選択を決める四つの項目は、業務で得た名刺を誰が共有対象にするか、どの部署まで接点を使うか、CRMに連絡先と履歴のどちらを渡すか、退職後に何を残すかだ。各人が選んだ名刺をチームで使えば足りるならEight Teamが合う。担当者が替わっても全社の顧客接点を使い続けたいなら、Sansanの運用と見積もりを基準に比べるのが筋だ。
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