
BacklogかJiraか、20人前後で料金モデルの差が効く

20人前後の全員が参加する案件では、Backlogの現行スタンダードは月額16,000円のスペース定額、Jira Standardは1人あたり月額1,250円で、20人なら単純計算で25,000円になる。Backlogの表示額は税抜であり、ここでの比較は税込請求額の比較ではない。
営業や制作を含む部署横断の案件には、参加者が増えても基本料金が変わらないBacklogが合いやすい。スプリント計画や開発の進捗分析を日常的に使うならJiraを軸に考える。ただし、この費用判断には契約更新後のBacklogのプラン改定と、Jiraで外部参加者を有料ユーザーとして招く必要があるかも関わる。
人数別の月額は、同じ参加者数で比べる
以下は全員がそれぞれのサービスを利用し、月払いで契約する条件付きの概算だ。Backlogにはプランごとに人数、プロジェクト数、容量の上限があり、Jiraの金額は公開されている1人あたりの表示額を人数に掛けたもの。年払い割引、税額、追加サービスは含めていないため、実際の見積額とは分けて扱いたい。
- 10人:BacklogはFreeなら0円、スターターなら月額2,700円、スタンダードなら16,000円。JiraはFreeなら0円、Standardなら12,500円、Premiumなら22,820円。
- 20人:Backlogはスターターなら月額2,700円、スタンダードなら16,000円、プレミアムなら27,000円。JiraはStandardなら25,000円、Premiumなら45,640円。
- 50人:Backlogはスタンダードなら月額16,000円、プレミアムなら27,000円。JiraはStandardなら62,500円、Premiumなら114,100円。
Backlogのスターターは30人まで利用できるが、使えるのは5プロジェクト、保存容量は1GBだ。20人でも案件が少なく添付ファイルも限られるなら安く収まる一方、複数部署の案件をまとめるなら100プロジェクト、30GBのスタンダードが比較の基準になる。50人ではスターターの人数上限を超えるため、スタンダード以上が必要だ。
Jira Freeは10人までなので、20人全員がログインする構成では有料プランに進む。StandardとPremiumの差は単価だけでなく、チームをまたぐ計画や依存関係の管理にもある。上の計算は全員を同じ有料プランで使う想定であり、閲覧頻度が低い人や社外の参加者まで一律に有料ユーザーとして数える前に、必要なアクセス範囲を確かめる必要がある。
スクラム中心なら、開発の運営方法が決め手になる
反復開発では、スプリントごとに作業を組み、バックログの優先順位を変え、バーンダウンやベロシティーで進み具合を見る。Jiraのスクラムボードはこうした運営に沿っているため、開発チームが毎回の計画と振り返りを同じ仕組みで回したい場合、利用者課金を受け入れる理由になる。複数チームの目標や依存関係までまとめて扱うなら、Premiumの高度な計画機能が候補だ。
Backlogにもカンバンボード、バーンダウンチャート、ガントチャート、Git連携がある。課題の担当者と期限を明確にし、開発以外の関係者にも進捗を伝える運用なら十分に候補となる。ただし、スターターではガントチャートを利用できないため、人数だけで最安プランを選ぶと必要な管理方法が欠ける。
自動化の比較では、実行するルールの本数と使用量を同一視しない。Jiraの現行料金表示は使用枠を「ステップ」で示し、Standardは1人あたり月400ステップ、Premiumは同750ステップとしている。条件分岐や複数の処理を含む運用では、必要な枠を見込んだうえでプランを決めるほうが、単価だけの比較より実態に近い。
部署横断では、権限と案件数も費用に効く
営業、制作、開発、管理部門が同じ課題を更新するなら、Backlogの定額制は参加者を広げやすい。案件ごとにプロジェクトを分けてもスタンダードの上限内に収まるか、添付ファイルが容量を圧迫しないかが、人数と並ぶ判断点になる。部署ごとに別スペースを契約すれば、その分だけスペース料金が増えるため、「定額」は組織全体で無制限という意味ではない。
Jira Standardには、作成、閲覧、コメントなどを制御するユーザーのロールと権限がある。複数部門で同じサイトを使う場合は、誰が案件を見られるかを設計しやすい反面、ログインできる利用者は月額課金の対象となる。進捗を見るだけの関係者にも個別のアカウントを配る構成なら、開発担当者数ではなくサイトの利用者数で予算を組むことになる。
外部参加者は、Jiraのゲスト枠を分けて数える
委託先や取引先を招く場合、Jiraの全員を有料ユーザーとして計算するのは正確ではない。Jiraのゲスト利用条件では、Standard以上で有料ユーザー1人につき最大5人のゲストを無料で招ける。ゲストはサイト内の1つのスペースに限って参加し、スプリント管理やスペースの管理設定はできない。
したがって、社外の人が限られた案件を閲覧し、軽い共同作業をするなら、Jiraの有料席を増やさずに済む場合がある。複数案件を横断して作業する人や管理権限が必要な人は、ゲストの条件に収まらない。Backlogでは参加者を同じスペースに追加してもスタンダード以上の基本料金は増えないが、見せるプロジェクトと付与する権限を決めてから招くのが前提だ。
Backlogの改定後は、20人の価格関係が変わる
Backlogの新プラン案内によると、2027年1月1日に新プランが始まり、月払いの税抜料金は15人までのエコノミーが21,000円、人数上限のないビジネスが36,300円になる。既存契約への適用は同日一斉ではなく、それ以降の最初の契約更新日だ。
20人が現行スタンダードを使い続ける場合、更新後の比較対象は人数条件上ビジネスとなる。その表示額36,300円は、Jira Standardを20人で使う単純計算の25,000円を上回る。現行料金だけを見てBacklogを長期的に安い選択肢と決めると、この逆転を見落とす。50人なら、同じ単純計算ではJira Standardが62,500円となり、定額制の効果は再び大きくなる。
移行時の手続きも現在のプランによって異なる。現行スタンダードで16人以上、または31プロジェクト以上を利用するスペースは新プランへ自動では切り替わらず、適用開始日までにビジネスかプロフェッショナルを選ぶ必要がある。人数が少なくても案件数が多い場合は同じ条件に当たるため、更新予算には参加者数とプロジェクト数の両方を入れたい。
監査ログが必要なら、記録の種類からプランを選ぶ
Backlogでは、プラチナにアクセスログの提供が含まれる。一方、利用者の操作を追う監査ログやSAML認証には、別料金のNulab Passが選択肢となる。アクセスした記録が必要なのか、誰が課題や設定を変更したかを追う必要があるのかで、必要な構成は変わる。新プランでNulab Passを継続利用できるのはビジネスとプロフェッショナルなので、改定後のスペース料金だけで監査対応の総額を判断できない。
Jiraの監査ログの案内では、権限、ワークフロー、スプリントなどの変更が記録対象に挙がり、すべてのJira CloudアプリがFreeの場合はログを利用できない。管理設定の変更履歴を求める案件なら、対象となるイベントと閲覧権限を照らして有料プランを選べる。利用者のあらゆる閲覧・操作を記録したい案件では、同じ「監査ログ」という名称だけでBacklogのオプションとJiraのログを同等とは扱えない。
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