JiraかBacklogか、10人を超えると課金方式が選択を変える

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
JiraかBacklogか、10人を超えると課金方式が選択を変える

スプリントや承認経路を細かく設計する開発チームにはJiraが向く。営業や制作も参加し、課題の担当者と期限を共有するならBacklogが候補になる。JiraはFreeの上限が10ユーザーで、有料のStandardは月額1ユーザー当たり1,085円と表示されている。参加者が10人を超えると、ログインする人の数が料金に直接関わる。

Backlogはスペースごとに選ぶ料金プランで、現行のスターターは30人・5プロジェクトまで月額2,700円、スタンダードはユーザー数の上限を設けず100プロジェクトまで月額16,000円だ。ただし、スターターにはガントチャートがない。人数だけで安いプランを選ぶと、チームが使いたい予定管理の機能が足りないことがある。

10人、20人、50人の月額をどう比べるか

以下は、両社の月払い表示額を基にした比較である。JiraのStandardは表示された単価に人数を掛けた概算で、正式な請求額は価格シミュレーターで確認する必要がある。Backlogの表示価格は税抜きのため、数字の大小をそのまま税込みの支払額の差とは読めない。

  • 10人:JiraはFreeの人数条件内で月額0円。Backlogも1プロジェクトまでなら現行の無料プランを使える。案件を複数のプロジェクトに分ける場合、Backlogスターターは月額2,700円。Jira Standardを選ぶなら、表示単価による概算は月額10,850円になる。
  • 20人:Jira Standardの概算は月額21,700円。Backlogは5プロジェクト以内でガントチャートが不要ならスターターの月額2,700円、ガントチャートが必要ならスタンダードの月額16,000円が比較対象になる。
  • 50人:Jira Standardの概算は月額54,250円。Backlogスターターは人数上限を超えるため、現行のスタンダードなら月額16,000円。プロジェクト数や機能の条件でプレミアムが必要なら月額27,000円となる。

この差は、同じ機能を同じ条件で買えるという意味ではない。Backlogスタンダードのガントチャートは表示範囲が6か月分で、プロジェクト横断ガントチャートは現行のプレミアム以上にある。Jiraにもタイムライン表示があり、複数チームの計画と依存関係をまとめて扱う機能はPremiumの領域だ。予定を案件内で追うのか、案件をまたいで追うのかによって、比較すべきプランが変わる。

Backlogの改定後は20人規模の価格関係が変わる

長期利用を見込むなら、現行のBacklog料金だけで予算を決められない。Backlogが公表した2027年1月1日からのプラン改定では、現行プランの新規契約は2026年12月31日に終了する。既存の有料契約には、2027年1月1日以降の最初の契約更新日から新プランが適用される。

新しいエコノミーは15人・30プロジェクトまでで、月払いは税抜き21,000円。ビジネスはユーザー数とプロジェクト数の上限を設けず、同36,300円となる。新規に10人で使い始める場合も、新しい無料プランの上限は5人なので、有料のエコノミーが選択肢に入る。一方、現行の無料プランを使う6〜10人は引き続き利用できるが、新たなユーザーは追加できなくなる。

20人で新プランを使う場合、エコノミーの人数上限を超えるため、Backlogビジネスの表示額36,300円とJira Standardの概算21,700円を比べることになる。50人なら、同じBacklogビジネスの36,300円に対してJira Standardの概算は54,250円だ。現行プランでBacklogの方が低い20人規模でも、改定後の表示額では順序が入れ替わる。ただし、必要な機能によって上位プランを選ぶ可能性があり、税の扱いもそろえて契約額を確認したい。

既存のBacklogスタンダードを使う組織にも人数の境目がある。適用開始時に15人以下かつ30プロジェクト以下ならエコノミーへ自動で切り替わる。16人以上、または31プロジェクト以上なら自動では切り替わらず、ビジネスかプロフェッショナルへの変更が必要になる。現行の月額が同じでも、更新時の人数とプロジェクト数によって移行先が分かれる。

開発工程を作り込むならJira

スプリントを区切り、課題の種類や状態を使い分けるチームでは、Jiraの設定幅が役立つ。AtlassianのJiraガイドは、スプリント向けのスクラムボード、継続的な作業向けのカンバンボードに加え、課題タイプ、フィールド、ワークフローの変更を案内している。開発工程が既に定まっているなら、その区別を課題の扱いに反映しやすい。

設定の細かさには運用担当者の時間も必要になる。不具合と機能追加で別の経路を設けるなら、状態の名前だけでなく、入力する情報や更新する人を決めなければ、同じ状態が担当者によって違う意味になる。これは製品の追加料金ではないが、導入時の教育と、変更後にルールを保つ仕事として見積もるべき負担だ。

Jiraは開発者以外にも使えるため、部署横断の案件だから対象外というわけではない。選択を分けるのは、参加する職種よりも、全員がどこまで同じ課題の分類と更新ルールを使うかだ。複雑な承認経路やチーム間の依存関係が仕事の中心なら、設定を管理する担当者を置く価値がある。担当と期限を共有できれば十分な案件では、その設定を維持する手間も比べたい。

部署横断の予定とナレッジにはBacklog

営業、制作、開発が同じ案件に参加するなら、Backlogでは課題、コメント、ファイル、ドキュメントを一つのスペースで扱える。作業の担当と期限を共通の場所に置き、必要に応じてガントチャートで予定を追う構成だ。ただし、ガントチャートは現行のスタンダード以上が対象となる。参加者を増やしてもスペースのプラン条件内なら、Jiraのように表示単価を人数分掛ける計算にはならない。

ナレッジ管理を理由に選ぶ場合は、Wikiの扱いを区別したい。BacklogのWiki提供方針では、2026年7月14日以降に利用を始めた新規スペースに旧Wikiを提供せず、ドキュメント機能を使うとしている。既存スペースのWikiは利用を続けられるが、そこで新しく作るプロジェクトではWikiの初期設定がオフになる。

新規導入で考えるべきなのは、旧Wikiの有無だけではない。課題に残すやり取りと、後から参照する決定事項や手順をどう分けるかで、ドキュメントの使い方が決まる。Jiraでも課題の説明やコメントを蓄積できるが、継続して更新する手順書まで課題の中に置くかは別の判断になる。どちらを選んでも、情報の置き場所を参加者に共有する作業は残る。

チームの仕事に合わせた選択

エンジニア専任チームで、スプリントと課題の状態を厳密に運用するならJiraを優先したい。Freeの人数条件内で始められても、参加者が増えれば有料プランの費用を見込む。チーム間の計画や依存関係をまとめる必要があるなら、Standardの概算だけで予算を決めず、Premiumの機能条件まで含めて比べる。

非エンジニアが混在するチームで、担当、期限、資料の共有が中心ならBacklogが有力だ。現行スターターで足りるかは人数だけでなく、プロジェクト数とガントチャートの必要性で決まる。長く使う予定なら、新プランの人数上限を加えて費用を見る必要がある。

複雑なワークフローを持つ組織では、承認や課題分類を統一する必要性と、それを管理する担当者の有無が判断材料になる。Jiraの設定幅を使う仕事が明確なら、人数課金だけで候補から外す理由は薄い。多くの職種が同じ案件の進行を追うことが主目的なら、Backlogのスペース単位の料金と、必要な予定表示を使えるプランを組み合わせて判断できる。

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