ClockifyかTogglか、安さより「全員が記録するか」で選ぶ

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
ClockifyかTogglか、安さより「全員が記録するか」で選ぶ

チームの時間記録では、承認や請求までの費用を抑えたいならClockify、入力する人の使いやすさを優先するならToggl Trackが有力だ。ただし、操作しやすいと評価されるツールでも、全員が実際に記録を続けるとは限らない。記録されなかった作業時間は、案件別の集計や請求の元データにも残らない。

個人なら両方の無料枠が候補になる。チームでは利用人数と必要な機能で料金差が広がるため、月額だけでなく、入力漏れの補修、承認、請求書作成にかかる手間を合わせて考えたい。

人数と必要な機能で、比較するプランが変わる

Clockifyの公式料金表では、無料枠は5人まで。年払い時の1席当たり月額相当額はBasicが3.99ドル、Standardが5.49ドルだ。Basicには請求単価の設定や入力漏れを探す監査機能があり、Standardでは勤怠表の承認と請求書作成が加わる。有料プランでは所有者や管理者を含む利用者に席が必要だ。

Togglの公式料金表では、無料枠は3人までで、年払い時の1人当たり月額相当額はStarterが9ドル、Premiumが16ドル。請求単価とチーム向けレポートはStarter、勤怠表の承認はPremiumに含まれる。同じ料金表でTogglは、従業員の画面撮影やキー入力の収集を行わない方針も示している。

以下は全員に同じ有料プランを割り当てた場合の試算だ。年払いプランの月額相当額であり、月ごとの支払額ではない。税金と円換算は含めていない。

  • 5人:Clockifyは無料枠なら0ドル、Basicは19.95ドル、Standardは27.45ドル。Togglは無料枠の上限を超え、Starterが45ドル、Premiumが80ドル。
  • 10人:ClockifyのBasicは39.90ドル、Standardは54.90ドル。TogglのStarterは90ドル、Premiumは160ドル。
  • 25人:ClockifyのBasicは99.75ドル、Standardは137.25ドル。TogglのStarterは225ドル、Premiumは400ドル。

承認が必要ならClockify StandardとToggl Premiumを比べるのが筋だ。請求単価を設定して時間を集計するだけならBasicとStarterが比較対象になり、請求書までサービス内で作るなら機能の境目が変わる。5人のClockify無料枠も、承認や請求単価まで無料で使えるという意味ではない。

操作の軽さは、記録率として現れて初めて価値になる

時間管理サービスを提供するTimenの比較記事は、Toggl Trackの日々の入力を軽快と評価し、Clockifyは費用とチーム管理の面で選びやすいとしている。これは操作感についての評価であり、どちらを使えば自分のチームの記録漏れが減るかを測った結果ではない。

両サービスともタイマーと手動入力を用意している。案件を頻繁に切り替える人には記録の開始と案件の選択が負担になり、会議や外出が多い人には後から時間を補う作業が残る。管理者にとって使いやすい集計画面があっても、入力する人が案件の分類に迷えば、報告前の修正作業は減らない。

導入前に確かめたいのは、単に記録時間の合計ではなく、対象者のうち誰が継続して入力できたかだ。実際の案件を使って一定期間記録すれば、未入力の日、案件が未指定の記録、後から直した件数、管理者の確認時間を見られる。これは製品の一般的な優劣を示す試験ではなく、そのチームで運用できるかを判断する方法である。

請求書を作ることと、時間を承認することは別

ClockifyではStandardを選ぶと、記録した時間の承認と請求書作成を同じプランで扱える。TogglではStarterで請求単価を設定できる一方、責任者による勤怠表の承認にはPremiumが必要になる。顧客への請求前に正式な承認が欠かせないチームでは、このプラン差が料金比較の中心になる。

Toggl Trackにも請求書作成機能はある。Togglの請求書作成案内によると、レポートからPDFを作成でき、無料プランで出力したPDFにはTogglのロゴが入る。また、請求書に使った時間記録を支払済みとして直接印づける機能はなく、案内ではタグによる区分を代替策としている。

そのため、個人が記録をまとめてPDFを作る用途と、複数人の記録を承認して請求する用途は分けて考えたい。前者ではTogglの無料枠も候補になる。後者では単価の設定、承認後の修正、請求済みの時間を次の請求に混ぜない管理まで含めると、管理者の作業量が見えやすい。

画面撮影が必要か、時間の記録だけで足りるか

Clockifyには通常の時間記録に加え、活動監視で画面を撮影する選択肢がある。Clockifyの画面撮影案内では、この機能はPro以上の対象プランに含まれ、利用にはデスクトップ用エージェントの導入と管理者側の設定が必要とされる。Standardの承認・請求機能と、Pro以上の画面撮影は、別の要件として費用を見積もる必要がある。

画面撮影が業務上の明確な要件なら、Clockifyの対象プランが選択肢になる。一方、目的が案件別の原価把握や顧客への時間請求なら、まず必要なのは作業内容と時間が正しく入力されることだ。撮影した画面だけでは、誰がどの案件に請求可能な時間を使ったかという分類や、入力し忘れた時間は補えない。

安い月額と、欠けたデータの費用を比べる

時間単価で請求する契約では、請求可能な作業の記録漏れが請求漏れにつながりうる。ただし、未記録時間のすべてを失った売上とみなすことはできない。契約上請求できる作業だったか、ほかの記録から復元できるかによって影響は変わる。

固定料金の案件では、記録漏れは直ちに請求額を減らすとは限らない。その代わり、実際より少ない工数で仕事を終えたように見え、案件の採算や次回見積もりの判断を誤らせる可能性がある。承認担当者が後から記録を集め直す時間も、料金表には載らない運用費用だ。

承認が必要な10人チームなら、上の試算でClockify StandardとToggl Premiumの差は月額相当で105.10ドルになる。Toggl Trackを選ぶ根拠は、その差額に見合うほど入力漏れや確認作業が減ると、そのチームで判断できることだ。Clockifyで全員の記録が安定し、管理者の修正も少ないなら、低い利用料をそのまま利点にできる。

個人や少人数で入力の負担を重く感じるならToggl Trackが候補になる。人数が増え、承認と請求までの費用を抑えたいならClockifyが有力だ。最終的な差をつくるのは、支払う席数だけでなく、請求や見積もりに使える記録が継続してそろうかどうかである。

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