
WantedlyかGreenか、定額と成功報酬で採用単価が逆転する

WantedlyとGreenの採用単価は、年間の採用人数と社内で使う時間によって逆転する。Wantedlyは成果報酬のない月額定額制で、募集やストーリーを通じて会社の仕事と文化を伝えられる。複数人を継続して採れば利用料を分散しやすいが、記事制作やスカウトに時間をかけるほど総コストは上がる。
GreenはIT・Web業界の経験者採用に強みを持つ成功報酬型媒体で、契約済みの企業は追加の掲載料を払わずに求人を公開できる。少人数を採る年には費用を抑えられる場合がある一方、採用者が増えれば成功報酬も積み上がる。比較には、媒体への支払いだけでなく、両方の候補者対応に使う時間を入れる必要がある。
定額費と成功報酬は、いつ発生するか

Wantedlyの利用料は採用できた人数とは別に発生する。採用が決まらなくても契約期間の費用は残り、採用人数が増えても成功報酬は加わらない。固定費を何人で割れるかが、採用単価を左右する最初の条件になる。
ただし、定額ならどのプランでも同じ運用ができるわけではない。Wantedlyの有料プラン案内では、プランと契約期間によってダイレクトスカウトの利用条件が異なり、最新の料金額は料金表で確認する方式になっている。スカウトを前提にした採用計画なら、その機能を使える契約の費用を計算に入れる。募集の掲載だけを想定した低い費用を置くと、必要な運用と試算の前提がずれてしまう。
Greenは採用者ごとの成功報酬を、求人の職種分類に沿って計算する。Greenの成功報酬規定では、金額は応募時点の求人の職種分類で固定され、複数の分類を選ぶと最も高い金額が適用される。応募後に分類を変えても、その候補者の金額は変わらない。異なる職種を採る計画では、全員に同じ報酬額を掛けるより、求人ごとの額を足し合わせるほうが正確だ。
Greenには契約状況に応じて初期設定費もある。Greenの解約案内によると、アカウントを保持して求人を非公開にした後の再公開は無料だが、解約後の再掲載にはプランに応じて45万~120万円の初期設定費がかかる。この金額は解約後に再掲載する場合の条件であり、すべての企業が毎年払う費用ではない。比較する年に実際に負担する額だけを計上する。
候補者層の違いは、制作とスカウトの仕事に表れる

Wantedlyでは、職務要件に加えて事業の方向性や働く人の姿を発信できる。会社の知名度だけでは仕事の魅力が伝わりにくい場合、募集文とストーリーを組み合わせる余地がある。その分、社員への取材、写真の用意、文章の確認、仕事内容が変わった後の更新を誰が担うかが運用負荷になる。公開を続けるだけの費用と、内容を保つための人件費は分けて考えたい。
GreenはIT・Webの経験者を対象に、職種と必要な経験を明確にして採る計画と相性がよい。求人を公開して待つ運用にも、候補者に連絡する運用にも、要件の整理と応募後の対応が要る。掲載期間を長く取れても、候補者を探し、連絡し、面談を調整する担当者の時間はなくならない。両媒体でスカウトを使うなら、送信数だけでなく対象者を選ぶ時間も費用に含める。
同じエンジニア職を募集しても、両媒体から同じ人数の適格な候補者に会えるとは限らない。計算上の採用単価は実際に採れた人数で割るため、採用目標を満たせない場合には予定単価のまま比較できない。経験要件が狭い職種では、候補者との接点を作れるかどうかが、料金モデルより先に効く場合もある。
採用単価には社内工数をどう足すか
期間を年間にそろえ、社内作業の時間に共通の時間単価を掛ける。Wantedlyの総コストは「年間利用料+募集・ストーリーの制作更新時間×時間単価+スカウト・応募対応時間×時間単価+利用した追加サービス費」。Greenは「その年に負担する初期設定費+採用者ごとの成功報酬の合計+求人制作時間×時間単価+スカウト・応募対応時間×時間単価+追加サービス費」と置ける。どちらも総コストを実際の採用人数で割ったものが採用単価だ。
時間単価は、採用担当者だけでなく制作に関わる社員の作業も同じ基準で評価するための仮定である。記事の取材に現場社員が参加するなら、その時間もWantedly側に加える。Greenで求人要件を作り直したり、候補者への文面を個別に調整したりする時間も同様だ。両媒体で同程度に発生する面接時間を計算から外すなら、片方だけを外さない。
単一職種で成功報酬を仮に一定額Sと置き、Wantedlyの年間総コストをW、Greenの初期設定費と運用人件費の合計をGとする。Greenの総コストは「G+採用人数×S」なので、WがGを上回る場合の境目は「(W−G)÷S」人となる。その人数を超えて採用できれば、Wantedlyの総額が低くなる。職種別の報酬が異なるときは、この簡略式を使わず、それぞれの成功報酬を合計する。
年間1人・3人・5人を採る条件付き試算

以下の金額と作業時間は、両媒体の実際の見積額ではない仮定である。Wantedlyは、必要なスカウト機能を含む契約の利用料を月8万円、記事制作・更新とスカウト運用を合わせて月20時間と置く。Greenは、この年に初期設定費45万円を負担し、求人制作に年間20時間、スカウト運用に月6時間、採用者ごとの成功報酬に70万円かかる契約を想定する。社内の時間単価はどちらも3000円とし、共通の面接工数と追加サービス費は含めない。
この条件では、Wantedlyは利用料が年間96万円、社内作業が年間240時間で72万円、総額は168万円になる。Greenは初期設定費45万円、求人制作6万円、スカウト運用21万6000円を合わせた72万6000円に、採用者ごとの70万円を足す。年間採用人数を変えても作業時間は同じ、という単純化を置いた結果は次の通りだ。
- 年間1人採用:Wantedlyは総額168万円で採用単価168万円。Greenは総額142万6000円で採用単価142万6000円。
- 年間3人採用:Wantedlyは総額168万円で採用単価56万円。Greenは総額282万6000円で採用単価94万2000円。
- 年間5人採用:Wantedlyは総額168万円で採用単価33万6000円。Greenは総額422万6000円で採用単価84万5200円。
境目は「(168万円−72万6000円)÷70万円=約1.36人」。採用人数は整数なので、この仮定では1人ならGreen、2人以上ならWantedlyの総額が低い。人数が増えても制作・対応時間を一定としたため、実際に候補者対応が増える計画では、その追加時間を人数ごとに見込む必要がある。また、採用がゼロなら総コストを採用人数で割れず、採用単価は算出できない。
初期費用と運用時間で境目は動く
すでにGreenの契約があり、この年に初期設定費を負担しないなら、同じ仮定でもGreenの固定部分は27万6000円になる。総額は1人採用で97万6000円、2人で167万6000円、3人で237万6000円。この場合、Wantedlyの168万円をGreenの総額が上回るのは3人目からだ。初期費用を一律に置くと、この差を見落とす。
Wantedly側の制作・スカウト時間が想定より月5時間増えれば、年間の人件費は18万円増える。逆に、既存の募集やストーリーを更新して使えるなら、新たな制作時間を抑えられる。Green側も職種別の成功報酬や候補者対応時間が変われば境目が動くため、年間採用人数だけで媒体を決めることはできない。採りたい職種の候補者に届く見込みと、契約費用・制作・スカウトに割ける時間を同じ条件で並べて初めて、採用単価の比較が意味を持つ。
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