OBSかStreamlabsか、同一シーンでメモリ約5倍の実測

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
OBSかStreamlabsか、同一シーンでメモリ約5倍の実測

Tech Insiderの比較記事が紹介した同一1080p60・x264シーンの測定では、OBS StudioのCPU使用率は約1%、メモリ使用量は約232MB、Streamlabs Desktopは約5%、約1.2GBだった。メモリ使用量はStreamlabs側が約5倍に当たる。これは特定の測定例であり、別のPCでも同じ使用率になるという意味ではない。

ゲームと配信を同じPCで動かし、CPUやメモリの余裕を優先するならOBS Studioが有力だ。アラートやオーバーレイを組み込む準備をまとめて進めたいなら、Streamlabs Desktopに利点がある。ただしCPUの差を考える前に、映像をCPUで圧縮するx264を使うのか、GPUのハードウェアエンコーダーを使うのかを分ける必要がある。

同一シーンのCPU・メモリ差が示す範囲

この比較でそろえられているのは、配信シーン、解像度、フレームレート、エンコーダー設定だ。その条件ではOBS側の使用量が小さかった。一方、測定PCの構成や測定時間、ほかに動いていたアプリの詳細は示されていないため、差の大きさをすべての配信環境に当てはめることはできない。

CPU使用率は、ゲームがCPUをどれほど使うかによって意味が変わる。CPUに余裕のあるPCなら配信ソフト間の差を吸収できても、ゲーム、通話、ブラウザーを同時に動かす構成では余裕が小さくなる。公開測定の割合だけから、ゲームのフレームレート低下や配信中のコマ落ちを予測することはできない。

メモリについても、配信ソフト単体の使用量とPC全体の空き容量は別の指標だ。ゲームやブラウザーが多くのメモリを使う場合には、配信ソフトが占める領域の違いが選択に効く。逆に十分な空き容量があるなら、使用量の差がそのまま視聴者に見える違いになるとは限らない。

配信シーンにブラウザーソース、カメラ、動く演出を加えれば、両ソフトの負荷は単純な構成から変わりうる。比較の価値は、同じシーンで差が観測された点にある。自分の配信で使う素材や同時起動するアプリまで含めた性能値として扱うと、判断を誤りやすい。

エンコーダーを変えるとCPU差と画質の見方も変わる

OBS StudioとStreamlabs Desktopの配信で、GPUのハードウェアエンコードを使うとCPU負荷の条件が変わる。

x264はCPUで映像を圧縮し、NVENCのようなハードウェアエンコーダーはGPUの専用機能を使う。したがって、x264で観測されたCPU使用率の差を、NVENCを使う配信にもそのまま移すことはできない。エンコード処理がCPUから移れば、ソフト間のCPU差が小さくなる可能性がある一方、シーンの描画やアプリ自体の処理は残る。

GPUエンコードを選んでも、メモリ使用量まで同じになるとは限らない。映像の圧縮方法と、画面を構成するソースやアプリが保持するデータは別だからだ。CPUの余裕を増やしたい場合と、ゲームやブラウザーにメモリを残したい場合では、重視する指標が異なる。

画質については、CPU使用率の小ささを優劣に読み替えられない。OBSのx264解説は、同じ映像とビットレートでも、圧縮にかける処理量を変えるプリセットによって画質が変わることを示している。両ソフトの映像を比べるなら、出力解像度、フレームレート、ビットレートに加え、エンコーダーとプリセットもそろえる必要がある。

同じビットレートだけを指定し、一方をx264、他方をNVENCにすれば、見た目に差が出てもソフト本体が原因とは言えない。また、負荷測定には映像を見比べた画質評価が含まれていない。今回の数値から判断できるのは掲載された条件でのCPUとメモリの使用量であり、どちらの配信映像がきれいかではない。

初期設定とアラートはどこまでまとまっているか

Streamlabs Desktopでは配信映像にアラートとオーバーレイを組み込める。

Streamlabs Desktopは、配信の準備を製品内で続けやすい。Streamlabsの導入ガイドは、OBSからのシーンと設定の取り込み、テーマの選択、カメラとマイクの追加、Alert Boxの配置を案内している。登録やフォローへの反応を画面に出したい配信者には、必要な要素を探して組み合わせる作業が少なくて済む。

Alert Boxはソースとして追加でき、表示内容も調整できる。オーバーレイはライブラリーから探せるため、ゲーム映像だけでは足りず、通知や画面装飾も使いたい場合に便利だ。ただし、テーマを選び、通知の見え方や音量を整える時間は必要であり、誰でも一定の時間で配信を始められるとは言えない。

無料のStarterでもStreamlabs Desktopを使える一方、プレミアムオーバーレイや複数の配信先への同時配信はUltra向けの機能として案内されている。標準のアラートで足りるか、使いたいテーマが有料の範囲にあるかで、準備の手軽さと費用の評価は変わる。無料で始められることと、予定した演出をすべて無料で使えることは分けて考えたい。

OBS Studioでもシーンに映像やブラウザーソースを配置し、外部サービスと組み合わせてアラートを表示できる。ただ、必要な素材やサービスを選ぶ作業は配信者に委ねられる。ゲーム画面と音声を中心にした簡素な構成なら、この自由度は負担になりにくい。通知や装飾を最初から多く使う構成では、Streamlabsの一体化された手順に価値が出る。

拡張性と対応OSで選択肢は変わる

OBS Studioは、配信の仕組みを細かく組み替えたい人に向く。OBS Studioの公式案内には、API、プラグイン、LuaまたはPythonのスクリプトによる拡張と、Windows、macOS、Linuxへの対応が示されている。ソースやシーンの操作を自動化したり、使う機材に合わせた機能を追加したりできる点が強みだ。

拡張機能を使う場合は、自分のOSとOBSの版に合うものを選び、更新後の動作も確かめる必要がある。機能を追加できる自由と、初めから組み込まれた機能をすぐ使える手軽さは、同じ利点ではない。既に特定のOBS用プラグインで配信を組み立てている人は、その機能をStreamlabs Desktopでも使えると決めつけず、移行先での実現方法を確認したい。

Streamlabsの動作要件はDesktop版の対象OSをWindowsとmacOSとし、メモリは最低8GB、推奨16GB以上としている。Linuxで配信するならOBS Studioが対象になる。WindowsやmacOSでは両方を検討できるが、動作要件を満たすだけで、重いゲームや複雑な演出を伴う配信の安定性まで保証されるわけではない。

配信構成に合わせた選び方

CPUに余裕が少なく、x264でゲームと配信を同じPCから動かすなら、OBS Studioを優先する判断には公開測定の裏付けがある。メモリに余裕が乏しい構成でも、掲載例の差は選択材料になる。ただし、その差が手元のPCでどの程度現れるかは、ゲーム、シーン、同時起動するアプリによって変わる。

ハードウェアエンコードを使え、アラートやオーバーレイを早く組み込みたいなら、Streamlabs Desktopの準備のしやすさが効く。この場合、x264の測定値だけでCPU負荷を判断する理由は弱まる。必要な演出がStarterに収まるか、Ultra向けの機能を使うかが、選択の中心になる。

独自の制御やプラグインを使い続けたい場合、またはLinuxで配信する場合はOBS Studioが合う。WindowsやmacOSで両方を選べる人には、CPUだけでなく、残したいメモリの余裕と、配信画面を作る手間のどちらが大きな制約かが決め手になる。同一シーンの実測はその判断の出発点だが、配信構成そのものに代わる数値ではない。

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