ai& videoが国内提供、アップロード素材は学習に使わない

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 1
ai& videoが国内提供、アップロード素材は学習に使わない

神奈川県横浜市に本社を置く株式会社エーアイ・アンド(ai&)は、2026年10月22日に動画生成サービス「ai& video」の提供を開始した。日本語の文章、写真、既存動画をもとに映像を作れ、ブラウザとAPIで利用できる。通常の動画生成にアップロードした素材はモデルの追加学習に使わず、生成処理は国内の自社インフラで行う方針だ。

独立したGate Newsの10月23日付報道も、文章・画像・動画からの生成、ブラウザとAPIへの対応、月額制ではない従量課金を伝えている。制作者にとっての選択点は、どの素材から始めるか、生成をどこから呼び出すか、選ぶモデルと動画の長さに応じていくらかかるかにある。

文章・写真・既存動画から、完成映像まで

ai& videoが既存動画を入力にし、映像の続きを生成する経路

ai& videoには、文章で場面を指定する、写真に動きを与える、既存動画の続きを作るという入力経路がある。いずれも新しい映像を出力するが、生成時に渡す手がかりは異なる。文章なら被写体や場所、動きを日本語で指定し、写真なら写っている被写体や光の雰囲気を出発点にできる。

  • 文章から:撮影済みの素材を使わず、場面の説明から映像を生成する。
  • 写真から:手元の写真を入力し、静止した被写体に動きのある映像を作る。
  • 既存動画から:先行するクリップを入力し、その続きとなる映像を作る。

制作の流れは「文章・写真・既存動画のいずれかを入力する→映像を生成する→結果を見て動きや構図を変える」と整理できる。文章だけで試す案と、特定の被写体や先行映像を起点にする案では、用意する素材が変わる。対応モデルでは映像と同時に音声も生成できるため、音声が必要な制作では入力方法に加えてモデルの対応範囲も関係する。

写真と既存動画は、完成物の雰囲気を伝えるための素材であると同時に、サービスへ渡すアップロード素材でもある。文章だけで始める場合と異なり、被写体や元映像について利用できる権利を持つかという判断が制作前に加わる。この違いは、後述する企業向け追加学習のための素材提供とは分けて考えられる。

ブラウザとAPIの違い、秒単価から見る費用

ブラウザでは、文章を入力したり素材をアップロードしたりして、その場で動画を作れる。APIは、既存の制作ツールや自社アプリケーションから生成機能を呼び出すための入口だ。単発の案を直接作るか、普段の制作環境に生成処理を組み込むかが、両者の実務上の違いになる。

料金は月額契約を必要としないモデル別の従量課金で、生成する動画の長さが費用を左右する。ai&の公開した提供開始時の料金表では、768pの生成動画1秒あたり、H3 Fastの文章・冒頭/末尾フレーム入力が2円、H3 Qualityの同入力が9円、H3 Qualityの参照素材入力が12円となっている。円建てとドル建ては別々の表示価格であり、円価格を為替換算した数字ではない。

以下は、その公開円価格に「秒単価×生成秒数×完成した本数」を当てはめた試算だ。各案を指定した長さで一度ずつ生成し、追加の作り直しを含めない。

  • 文章から8秒の案を5本作る場合、H3 Fastなら2円×8秒×5本で80円。H3 Qualityなら9円×8秒×5本で360円。
  • 写真を冒頭フレームに使い、15秒の案を3本作る場合、H3 Fastなら2円×15秒×3本で90円。H3 Qualityなら9円×15秒×3本で405円。
  • 既存動画を参照素材として15秒の案を3本作る場合、H3 Qualityの参照素材向け単価では12円×15秒×3本で540円。

同じ秒数と本数でも、入力に必要な機能によって選べる料金区分が違う。とくに既存動画を参照に使う案を、文章入力向けの最安単価で見積もることはできない。また、試行を重ねれば完成した生成の本数が増えるため、月額固定費がないことと制作費が一定であることは同義ではない。

通常生成の素材と企業向け追加学習は別の扱い

ai& videoの通常生成用素材と、企業の専用モデルに使う権利保有素材を分けた状態

通常の動画生成にアップロードした素材は、モデルの追加学習に使用しないというのがai&の公表した方針だ。これは写真や既存動画を入力に使えることと両立する。映像を作るために素材を渡す処理と、その素材でモデルを追加学習する処理は用途が異なる。

企業向けには、企業が利用する権利を持つキャラクターや映像素材を追加学習に使い、専用モデルを構築する選択肢がある。追加学習は他のユーザーがアクセスできない専用環境で行い、構築したモデルはその企業だけが利用する。通常生成用のアップロードが、そのまま専用モデルの学習依頼になるわけではない。

  • 通常生成では、文章・写真・既存動画を新しい映像の入力として使う。アップロード素材はモデルの追加学習には使わない。
  • 企業向けの専用モデルでは、企業が権利を持つ素材を追加学習に使う。その企業だけが利用する環境が用意される。
  • 前述の秒単価による試算は動画生成の費用であり、専用モデルの構築費用を示すものではない。

生成処理を国内の自社インフラで行うことも、制作素材の扱いを判断する条件の一つだ。ai&は日本語に対応したモデレーション機能を導入し、不適切な生成や知的財産権の侵害につながる利用を抑制する方針を示している。ただし、国内処理と学習利用の方針はそれぞれ別の条件であり、素材そのものを利用する権利や完成映像の内容については、制作ごとに判断する必要がある。

公開時には所定の条件下で最短12秒の生成時間も示されたが、実際の所要時間はモデル、設定、動画の長さで変わる。制作工程では最短値を一律の待ち時間として置かず、選ぶ入力方法とモデルに応じた費用・所要時間を見込むことになる。今後、対応モデルや処理効率が変われば、同じ素材から作る案でも選択できる機能と費用の組み合わせが変わる。

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