SKYSEAの操作ログをAI分析、労務課題から改善策まで提示

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます
SKYSEAの操作ログをAI分析、労務課題から改善策まで提示

Sky株式会社は2026年10月2日の告知で、SKYSEA Client ViewのPC操作ログをAIも活用して分析し、労務課題の発見から改善策の提案まで行う「AI働き方分析レポートサービス」を、10月22日のオンラインセミナーで紹介すると発表した。顧客企業に代わってSkyがログを分析し、結果をレポートにまとめる。セミナーでは実際のレポート画面を示す予定だ。

これは10月22日を発売日とする発表ではない。クラウド Watchの10月1日付の記事も、同サービスをSKYSEA Client ViewのPC操作ログを使うレポートサービスとして取り上げている。今回の焦点は、既に案内されているサービスが勤務状況をどう示し、その結果を労務改善にどう結びつけるかを、画面で紹介することにある。

分析するのはPCの稼働と操作の記録

レポートの基礎になるのは、導入企業がSKYSEA Client Viewに蓄積したPC操作ログだ。Skyのサービス案内では、顧客が指定した従業員を対象に、定時内外の操作時間、PCの起動時間と実際の操作時間の差、Web会議やアプリケーションの利用、ファイルの持ち出し状況を分析するとしている。長時間稼働、起動と操作の乖離、ファイル持ち出しについては、それぞれリスクを5段階で示すレポート例もある。

定時内のレポートは、従業員ごとの操作内容に加え、対象者全体や部署ごとのPC利用状況を集計する。定時外については、PCの起動時間を残業時間とみなして部署別の平均を示し、実際の操作時間との差を可視化する設計だ。この「残業時間」はPCの記録から作った指標であり、勤怠記録上の労働時間と同じものとして扱う前に、両者がずれる理由を確かめる必要がある。

アプリケーションの分析では、利用頻度や従業員ごとの操作時間を示し、使われていないライセンスや業務と関連の薄いツールを探す材料にする。ファイル持ち出しの分析は、サーバーや従業員ごとに日時、経路、件数を整理する。こちらは労務負荷よりも情報管理上の確認に近く、同じレポート内の結果でも、判断する担当者と目的を分けて考えるのが自然だ。

改善提案はどこまで具体的か

Skyが示す労務面の提案には、長時間労働や深夜・休日の稼働を手がかりにした業務プロセス、業務配分の見直しがある。起動時間と実操作時間の差が大きい場合には、対象者へのヒアリングにつなげるという。ログを一覧にするだけでなく、偏りや乖離から確認すべき課題を示すところが、このサービスの役割だ。

ただし、PCが操作されていない時間の意味は、ログだけでは決まらない。会議、電話、紙を使った作業などは、PC操作の空白として現れ得る。定時外の起動時間が長い場合も、仕事が集中していたのか、PCを起動したまま別の業務をしていたのかで、必要な対応は変わる。レポートの指摘は事情を確かめる入口であって、個人の勤務態度を確定する判定ではない。

同じ注意はアプリケーションやファイルの記録にも当てはまる。利用頻度が低いアプリケーションは不要とは限らず、特定の時期だけ必要な業務用ツールかもしれない。ファイルの持ち出しも、件数が多いことと不正な操作であることは別だ。改善提案を採用する際には、対象者の業務と会社の運用ルールに照らして、ログに表れた行為の意味を判断することになる。

組織改善と人事評価を分ける理由

個人別の操作状況を出せることは、負荷の偏りを探すうえで有用な一方、従業員にとっては監視にも映り得る。部署の残業傾向を把握する目的なら、まず組織単位の集計で足りる場面がある。個別の記録を見る必要が生じたときも、閲覧者と対象範囲をその目的に合わせて限定すれば、改善に必要な情報と日常的な行動監視との境界を示しやすい。

操作量をそのまま人事評価に置き換えることはできない。PC操作の少なさは成果の少なさを意味せず、操作時間の長さも仕事の質を示さない。対人業務や会議が多い職務と、PC上で作業が完結する職務を同じ尺度で比べれば、評価は職務の違いに左右される。長時間の操作を高く評価すれば、過重な稼働を減らすという労務改善の目的とも衝突する。

サービスは個人別の結果を提供できるが、その結果を昇進、査定、指導に使うかは導入企業側の判断だ。業務配分を見直すために集めた記録を別の判断に使うなら、利用目的を従業員にどう説明するか、本人が記録の背景を補足できるかまで決めておく必要がある。誤った推測を人事上の不利益につなげないための運用条件である。

導入企業が決めるべき範囲

公開されている提供内容から分析項目は分かる。一方、各企業で誰が個人別レポートを閲覧し、元のログや完成したレポートをいつまで残し、評価に使うかは、導入時に定める事項だ。確認点は次のように分けられる。

  • 対象ログと対象者:PCの起動・操作、アプリケーション利用、ファイル持ち出しなどから、どの記録を分析に渡すのか。分析対象となる従業員をどう指定し、対象の追加や変更を誰が決めるのか。
  • 分析目的:残業の偏り、業務配分、ライセンス利用、情報管理上の確認を区別すること。同じログでも、目的が変われば必要な粒度や結果の扱いが変わる。
  • 閲覧権限:部署別の集計と個人別の記録を分け、経営層、人事、情報システム部門、現場管理者がそれぞれ何を見られるか。個人名のある結果を共有する条件も含める。
  • 保存期間:社内の元ログ、分析のために渡したデータ、完成したレポートをそれぞれいつまで保持するか。保存先と期間終了後の扱いも、委託先との取り決めに含める。
  • 従業員への説明:何を記録し、誰が分析し、誰が結果を見るのかを具体的に伝えること。「働き方の改善」だけでは、個人別の操作状況が示される範囲は伝わりにくい。
  • 誤判定と評価利用:操作していない時間や持ち出し件数について、本人が業務内容を補足できる手順を設けること。人事評価への利用は、組織改善のための分析とは別に可否と条件を決める。

サービスは有償で、対象となるSKYSEA Client Viewの版やレポートの構成も案内されている。ただ、契約時に決めるデータの扱いと、社内で結果をどう使うかは別の問題だ。個人別の数値が詳しくなるほど、閲覧範囲と説明の具体性が重要になる。

セミナーで示される次の材料

10月22日のオンラインセミナーでは、Skyが実際のレポート画面を交えてサービスを紹介する予定だ。そこで注目されるのは、部署全体の傾向から個人別の記録へどのように移り、どの観測結果に対して改善案が示されるかという点になる。画面が具体的になれば、導入企業も、組織の仕事を見直すために必要な情報の粒度と、従業員に説明すべき範囲を判断しやすくなる。

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