freee IT管理はAPIなしでも同期、CSV棚卸しをボタン操作へ

|著者: QUASA編集チーム|2 分で読めます| 1
freee IT管理はAPIなしでも同期、CSV棚卸しをボタン操作へ

freee株式会社は2026年10月29日、SaaS・デバイス一元管理ツール「freee IT管理」で新機能「AIアプリコネクター」の提供開始を発表した。APIに対応していないSaaSや社内システムでも、ブラウザでアカウント一覧の管理画面を開ければ情報を取り込める。従来のCSV書き出し・取り込みを、初回設定後はボタン操作と内容の確認に置き換える機能だ。

クラウド Watchの2026年10月30日付記事は、Google Chrome拡張機能を追加し、初回にAIが判別した氏名やメールアドレスの項目を人が確認・修正する手順を伝えている。次回以降は「取得を開始」を押すと拡張機能が画面を読み取り、確認画面で確定した後にfreee IT管理へ同期する。対象アプリのID・パスワードはfreeeに預けず、取得データはAIの学習に使わない設計だ。

APIがなくても、ブラウザの一覧から取り込める

連携できるかどうかを分けるのは、アカウント連携用APIの公開状況ではなく、管理者がブラウザでアカウント一覧を表示できるかどうかだ。対象にはクラウド上のSaaSだけでなく、オンプレミスで運用する社内システムも含まれる。管理画面に表示されたアカウント情報を拡張機能で取得し、freee IT管理に集める経路が加わった。

従来、APIでつながらないアプリでは、管理画面からCSVを出力し、freee IT管理側で取り込む作業が必要だった。手入力や目視確認に頼る場合もあり、棚卸しのたびに一覧を移し替える負担が生じていた。新機能は、ブラウザで一覧を表示できるアプリについて、この取得と取り込みを一連の操作に変える。

オンプレミスで運用しているかどうかより、管理者のログイン状態で必要な一覧をブラウザに表示できるかが重要になる。同期されるのは、対象システムの管理画面から読み取ったアカウント情報だ。導入対象を考える際には、普段使っている画面でその一覧にアクセスできるかが具体的な判断点になる。

初回の項目確認から、継続的な取得まで

操作は拡張機能の追加、初回の読み取り設定、以後の取得という流れになる。AIが担うのは、初回に管理画面の構成を解析し、氏名やメールアドレスなどの項目位置を判別する部分だ。判定された箇所は画面上でハイライトされ、管理者が内容を確認し、必要なら修正して設定を終える。

  1. freee IT管理の案内からGoogle Chrome拡張機能を追加する。
  2. 対象アプリのアカウント一覧を開き、AIが示した項目位置と読み取り内容を確認・修正する。
  3. 以後は「取得を開始」を押し、読み取った一覧を確認画面で確定する。

継続利用時には、拡張機能がページを自動で遷移しながら情報を読み取る。管理者はその都度CSVを書き出して別の画面に読み込ませる代わりに、取得操作を始めればよい。ただし、ボタンを押した時点でfreee IT管理のデータが即座に書き換わるわけではない。読み取り結果を確認画面で確定してから、最新のアカウント情報が反映される。

人による確認には異なる役割がある。初回は、画面上のどの欄を氏名やメールアドレスとして扱うかを確認する。取得時は、実際に管理ツールへ反映するアカウント情報を確定する。画面の読み取り設定と管理データの更新が、それぞれ人の確認を経る手順になっている。

ログイン状態を利用し、取り込み前に確認する

認証には、管理者が対象アプリへブラウザでログインしている状態をそのまま使う。連携のために、そのアプリのIDやパスワードをfreeeに預ける必要はない。したがって、一覧を取得する際には管理者が対象アプリの管理画面にアクセスできる状態が前提になる。

AIが画面を解析するのは読み取り設定時であり、取得したアカウントデータはAIの学習に使わない設計とされる。学習に使わないことと、棚卸しのために情報を取り込むことは別だ。管理者が確定した一覧はfreee IT管理に同期されるため、氏名やメールアドレスがどの段階で管理データに反映されるかを把握できる手順になっている。

取り込み内容は確定前に確認画面で見ることができ、確定するまでfreee IT管理上のデータは更新されない。初回の項目確認を済ませても、以後の取得結果が無条件に反映されるわけではない。CSVの移し替えを省く一方で、実際に取り込む一覧を決める操作は管理者に残る。

発行・削除の自動実行は次の段階

今回の機能で変わるのは、API非対応アプリのアカウント実態を可視化し、棚卸しのために一覧を同期する工程だ。freee IT管理には人事データの統合機能もあり、取得した一覧は在籍情報と照らし合わせる際の材料になる。退職者のアカウントが残っていないかを見るための情報を集める際、CSVを移し替える作業が減る。

入社・退社に合わせてAPI非対応アプリ側でアカウントを発行・削除する自動実行は、今後の拡張予定とされている。現在の機能で退職者のアカウントを一覧上で見つけても、同期によって対象システムのアカウントが削除されるわけではない。残ったアカウントへの対応は、管理ツールへの同期とは別に対象アプリ側で進める必要がある。

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