YouTube収益化が緩和、暴力的ゲーム映像は冒頭7秒が境界

YouTubeは2026年9月2日までに、広告掲載に適したコンテンツの基準を更新した。YouTube公式の9月更新案内 では、刺激の強いゲーム映像が開始8〜15秒に含まれていても広告収入の対象となる一方、冒頭7秒に含まれる場合は引き続き対象外とされている。
変更されたのは動画の公開可否ではなく、広告主に適した内容として収益を得られるかどうかの基準だ。9月2日付の TheiMediaの解説 も、ゲームや脚本作品、教育動画の一部で収益化の余地が広がる一方、内容の文脈による審査や既存の制限は残ると報じている。
0〜7秒は対象外、8〜15秒は広告収入の対象へ

秒数の境界が適用されるのは、ゲーム内の暴力表現すべてではなく、刺激の強いゲーム映像だ。残忍な殺害や深刻な負傷を扱い、斬首や切断など身体の一部や体液を強調する場面が該当する。軽微な流血を伴う通常のゲームプレイや、非現実的で遊戯的なアクションとは区別される。
更新後の時間軸は次のように整理できる。
- 開始0〜7秒:刺激の強いゲーム映像が含まれる場合、広告収入の対象外。
- 開始8〜15秒:同種の映像が含まれていても、その時間位置だけを理由に対象外とはならず、広告収入の対象となる。
- 16秒以降:今回新たに緩和された区間ではないが、刺激の強い場面を主目的にしていないことなど、動画全体に適用される基準に沿って判定される。
「7秒を過ぎれば、どのような残虐表現でも収益化できる」というルールではない。サムネイルに刺激の強い場面を置く、残忍な殺害を連続させる、衝撃を与えること自体を動画の中心にするといった構成は、表示時刻とは別の理由で広告収入の対象外になり得る。
同じ場面でも4秒と10秒で判定が分かれる
説明のための仮例として、切断を伴うゲーム内のフィニッシュムーブを考える。開始4秒に置けば冒頭7秒に入るため広告収入の対象外だが、開始10秒に置けば8〜15秒の区間となり、ほかの広告適合性基準に抵触しない限り対象となる。
ただし、場面を後ろへ移すだけで動画全体の承認が保証されるわけではない。タイトルやサムネイル、映像の詳細度、残虐な場面の長さと反復、動画全体の焦点も審査対象になる。刺激の強いゲーム映像がサムネイルに使われていれば、動画内の登場時刻にかかわらず不利な判定を受け得る。
このため、冒頭15秒を一つの区間として扱うと変更点を見落とす。編集上は0〜7秒と8〜15秒を分け、刺激の強い場面がどちらに入っているかを確認する必要がある。
薬物描写はゲームと脚本作品で対象が拡大

9月の更新では、娯楽目的の薬物の使用、販売、宣伝を扱うゲームや脚本作品も、広告収入の対象となることが明確になった。架空の物語やゲーム内の出来事として薬物が描かれるだけで、一律に広告対象外となる扱いが改められた。
対象拡大は、現実の薬物使用を教えたり、購入や製造を促したりする動画まで認めるという意味ではない。脚本上の登場人物による描写と、視聴者に実際の行為を促す内容では、動画の目的も対象となる行為も異なる。
薬物密売組織を扱う公共広告と、組織を美化しない教育コンテンツも収益化の対象に含まれた。ただし、教育的であると名乗るだけで決まるわけではなく、組織や行為を称賛していないか、刺激の強い映像をどの程度詳しく見せるかなど、実際の内容が判定材料になる。
公開可否、年齢制限、広告適合性は別に判定

今回直接変わったのは広告適合性であり、コミュニティガイドラインや年齢制限が一括して緩和されたわけではない。動画が公開されたままでも広告収入を得られない場合があり、年齢制限付き動画も広告を利用できる場合はあるが、広告主の選択によって広告が制限される可能性がある。
Dexertoの9月4日付報道 も、年齢制限は今回の広告基準とは別に残り、性的暴力、刺激の強い拷問、未成年者や保護対象集団への暴力、実在する個人を狙った暴力などは広告対象外になり得ると整理している。
判定は三層に分かれる。第一はコミュニティガイドラインに照らして公開できるか、第二は年齢制限によって視聴範囲が狭まるか、第三は広告主に適した動画として収益を得られるかだ。冒頭7秒と8〜15秒の境界が直接変更したのは、第三の広告収益に関する判定である。
緩和後も個別動画の結果は一律ではない
9月の変更で確定したのは、刺激の強いゲーム映像について、冒頭7秒は広告収入の対象外を維持し、8〜15秒は対象となる区間へ移ったことだ。ゲームや脚本作品における娯楽目的の薬物描写と、薬物密売組織を美化しない公共・教育コンテンツにも対象範囲が広がった。
一方、個別動画の収益化まで自動的に保証する変更ではない。公開済み動画の収益状態が一律に切り替わるとも示されておらず、タイトル、サムネイル、場面の強度や反復、動画全体の主題を含む審査は続く。今後の焦点は、更新後の文言が自動審査と人による再審査でどの程度一貫して適用されるかにある。
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